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Member ワイン

2020/7/24

ワインとアレルギー

ワインといえばブドウだけから造られているので、アルコール以外にアレルギーの心配はない、と思われている方は少なくないのではないでしょうか。 ところが事実はこのような認識からは少し離れたところにあります。   ワインに含まれるアレルギーの原因となる成分であるアレルゲンとしては、酸化防止剤の名前で知られる二酸化硫黄が有名です。SO₂という表記もされるこの化学物質は頭痛の原因物質であるという、間違った俗説でワイン業界における最大の悪役に一躍上り詰めてしまった添加物の一種ですが、ワインにはこうした原料のブ ...

Member 醸造

2020/7/18

ワイン造りにポンプは悪なのか

ワイン造りの現場ではしばしば、Gravity flow (グラヴィティ フロー) という単語を耳にします。 特に新しくワイナリーを立ち上げる場合には頻出の単語だといえるものですが、皆さんはご存知でしょうか?   このGravity flowというものはワイナリーで利用される果汁やワインを搬送するための技術の一つで、Gravity (重力)、flow (流す)という言葉の通り、ポンプなどの機械を使わずに重力で液体を移動させる手法のことを指しています。一般にポンプなどを使うよりも送られる液体にかかる ...

Member スパークリングワイン ワイン 醸造

2020/6/14

スパークリングワインとベースワイン

夏の暑い日に暑気払いとして飲みたくなるのは白ワインの炭酸割りですが、食前酒としてなら断然、スパークリングワインです。    スパークリングワインとしておそらく世界で最も有名なのはシャンパンとも呼ばれるシャンパーニュですが、世界中には沢山のスパークリングワインが存在しています。  スパークリングワイン、つまり、炭酸ガスを含んだ発泡性のワインの1番の特徴はこの発泡性。冒頭の白ワインの炭酸割りは通常の白ワインを炭酸水で割ることで後付けで発泡性を持たせますが、スパークリングワインでは醸造方法、つまり造り ...

Member 栽培

2020/6/6

ワイナリーのリスクヘッジ | 植栽密度を考える

ブドウ栽培をしていくうえで、単位面積あたりに何本のブドウの樹が植えられているのか、という点は畑全体をデザインしていくうえで重要な情報になります。とはいっても畑の形状は千差万別。しかも周囲との状況によって植え付けられるはずの場所に植え付けられず、区画によって面積当たりの本数がまちまち、なんてことは往々にして起こります。   そこで複数の畑の間での比較をしやすくするために使われるのが、植栽密度という単位です。これは、実際の畑に植え付けた本数を面積1haあたりに換算して求められるもので、区画間のバラツ ...

Member 栽培

2020/6/1

ブドウ栽培における三大疾病 | ベト病とその原因菌の生態

ワインの勉強をしていると、代表的なブドウの病気についても学ぶ機会があると思います。 その中でも代表的なものがベト病、ウドンコ病、そして灰色カビ病で、この3種類については耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 何かの機会に現地の生産者の方と話していても、今年はベト病の被害が大きくて、、、なんてコメントを聞くこともあります。私もワインの紹介をする際に、この年はベト病が大流行してしかもその翌年はウドンコ病が酷くて、まさに泣きっ面に蜂でした、なんてお話しをさせていただくことがあります。   こ ...

Member 醸造

2020/5/24

低コスト醸造が生み出すもの | 安いワインの含有成分を考える

前回の記事、「安いワインと頭痛の関係 | ワインあるある」では値段が手ごろなワインを飲むと頭痛を感じるのは実はこのカテゴリーのワインが「安い、うまい」を備えたワインだからこそ、という話を書きました。これはいわば飲酒量という、量の視点から見た場合のことでした。一方で、頭痛という体調への影響を及ぼす可能性を検討するには量だけではなく、質の面から目を向けることが必要です。 特に、頭痛だけにこだわることなくその他のアレルギー性の反応を対象とするのであればこの点は絶対に避けて通ることは出来ません。 今回の記事ではこ ...

Member 徹底解説 醸造

2020/5/1

なぜロゼワインは分かりにくいのか

以前、ロゼのワインは産地や品種が分かっていても内容が想像しづらい、という話題を見かけたことがあります。 これはとても興味深い半面、ワインを実際に造っている側からすると、「あぁ、まぁそうかもしれないな」と納得できてしまう点でもありました。ではなぜ、ロゼは仮に飲む前から産地や品種が分かっていてもそこと実際のワインを結び付けることが簡単ではないのでしょうか? 今回はそんな疑問に対して、「ワイン造りの方法に基づく理由」に焦点を当ててみていきたいと思います。 普段からロゼを飲んでいてどうもモヤモヤすることがある、と ...

Member ワイン

2020/4/12

変わる販売戦略 オンライン試飲会という新たな取り組み

新型コロナウイルスの影響で不要不急の外出の自粛が世界中で求められるようになり、さらにその感染防止の観点から人が集まり一定時間以上を過ごすようなサービス業態の営業の自粛もしくは禁止が要請されています。 これによりレストランやバーといった飲食業が当面の間営業を見合わせることとなり、さらにはワインショップのような小売り店にまでもその波が押し寄せてきています。   このような状況においてもっとも大変なのは当然、こうした営業自粛の矢面に立たされてしまった飲食業や小売店の方々です。そしてこういった店舗の方の ...

Discussion Member

2020/4/10

霜害の一つ、レンズ効果による芽の損傷はあり得るのか

テーマ: 霜害におけるレンズ効果について考察する 開始日: 2020年4月5日   最近になって話題に上ることが増えているテーマではある。(l'éffet loup = レンズ効果による霜被害) しかし、光学的な集光の原理に照らし合わせて考えると現象として少なくとも頻繁に生じるとは考えにくい、という判断が現時点においては適当と考えられる。実際にフランスにおいても検証が十分にされていない可能性がある。   一応の原理としては、 放射冷却により露や霧が発生 発生した露や霧がブドウの芽に付着 ...

Discussion Member

2020/4/10

樽を使わないワインは高価格にならない、は本当か

テーマ: ブドウの品質に関わらず、樽を使うことがワイン価格を引き上げる要因なのか 開始日: 2020年4月5日   ワインの値付けに関わる要素とは、 生産者がかけた「手間」 消費者の「需要」 マーケティング 原価 (樽価格だけではなく、補酒やそのための人件費、および畑やブドウの購入費、税金、コンサルタント料など含む) 本来的なワインとしての「価値」 と考えられている。 なお一般的な理解として現状は「基本高いワインは樽(小樽・大樽は別として)が主体」である。特にこうした意識は日本では依然として強い ...