Nagi

ドイツでブドウ栽培学と醸造学の学位を取得。本業はドイツ国内のワイナリーに所属する栽培家&醸造家(エノログ)。 フリーランスとしても活動中

Member コラム

2020/11/27

変わりつつあるワインの世界 | EUワイン法の視点から

この記事はドイツで発刊されている専門誌"der deutsche weinbau" #23/20に掲載された記事、"Kalorien sollen aufs Etikett (Seite: 8-9)"の内容に基づいて書かれています   生き馬の目を抜くようなペースで世の中の嗜好が変化をしていっている昨今、どんなに愛されてきた長寿ブランドであっても長くても10年周期で商品をリニューアルしていくことが必須だと言われています。 この一方で、ブランドは変化を余儀なくされていたとしても、そのブランドが属し ...

Member 発酵

2020/11/17

発酵が止まってしまったら | 再発酵の方法を考える

ワインの醸造段階におけるトラブルの種類は実はそれほど多くありません。 もしかしたら微生物汚染という言葉をお聞きになったことがある方もいらっしゃるかもしれません。しかしこれは厳密に言えば発酵の前後の時点で起きるもので、発酵段階ではまず発生しません。   なぜでしょうか?   発酵中は原則として酵母が液中で支配的な立場にいてガンガン糖分を消費し、アルコールと二酸化炭素ガスを排出しているからです。アルコールも炭酸ガスも一般的な微生物にとっては毒でしかありません。 最終的には酵母自体もこの二つ ...

ブログ

2020/11/10

記事を複数ページに分けるページ送りを導入する

ブログの運営にAFFINGER5 EXを使っている。 つい最近まではAFFINGER5 WINGだったのだが、一生懸命コードをいじってみても記事のカードデザインでの表示が上手くいかないので折れた。そんなまでして導入したのに実は上手くいっていない。まぁ、その話はまた今度にしよう。 この記事はプログラミング完全初心者のサイト管理者があれこれ調べながらサイトの改造をした内容を記録するためのもの。Wordpressテーマにアフィンガーを使っている前提なので必ずしも汎用的な内容ではない点に注意してほしい。 &nbs ...

Member 醸造

2020/11/17

自然な?ワインの造り方

先だってこんなTwitter上にこんなPostをしました。   今週はこの2枚の写真に関係する内容で久しぶりにきちんとした醸造関連の記事を書く予定でいます 仮題: 「自然?なワインの造り方」 pic.twitter.com/wNDzg58DQh — Nagi@ドイツでワイン醸造家 (@Gensyo) November 7, 2020   この記事を読んでくださっている皆さんは、この2枚の写真の違いがお分かりになるでしょうか? 今日はこの写真とそこに関わる「自然な?」ワインの造り方につい ...

コラム 栽培

2020/10/24

ワイン造りを取り巻く環境 | 果たして変わらないものはあるのか

同じ畑で収穫された同じ品種のブドウを使って造った収穫年違いのワインを飲み比べてみるテイスティングの方法を、「垂直試飲」といいます。この垂直試飲の目的は2つです。 1つは新しい年のワインと古い年のワインとを比較して、その畑のブドウから造られたワインの熟成の仕方や癖を知ること。そしてもう1つが、各年の気候の違いなどがブドウに与えた影響と、その結果としてワインにどのような違いが出たのかを知ることです。 私はワインを造っている仕事柄、この垂直試飲を比較的よく行います。そうした中で、最近、自分はこの垂直試飲を通して ...

Circlepost Member 発酵 醸造

2020/10/20

自然発酵における注意点 | 天然酵母をどう使うか

先日、こちらので記事で乾燥酵母と野生酵母について触れました。 酵母はワインの味を「変えて」しまうのか 写真はこちらのサイトのものをお借りしました <https://www.sciencenews.org/article/scientists-move-closer-building-synthetic-yeast-scratch> 連日、ワインの醸造を続けています。 ドイツ国内、もしくは私が所属するワイナリーと同じ地域のワイナリーでもすでに収穫収量の声があちらこちらで聞こえ始めており、我々も来 ...

Circlepost Member

2020/10/9

酵母はワインの味を「変えて」しまうのか

写真はこちらのサイトのものをお借りしました <https://www.sciencenews.org/article/scientists-move-closer-building-synthetic-yeast-scratch> 連日、ワインの醸造を続けています。 ドイツ国内、もしくは私が所属するワイナリーと同じ地域のワイナリーでもすでに収穫収量の声があちらこちらで聞こえ始めており、我々も来週には2020年の収穫を完了させる予定でいます。今のペースで行くと、ケラー内のワインがすべて発酵を終え ...

Circlepost Member

2020/10/2

リースリングにおけるMLFの実施をどう考えるか

先日Twitter上で、リースリングのMLFについてのPostをしました。   行わない、なら分かるけど、行えない、と言ってしまうのは違うかな... <RT 実際のところはMLFしているリースリングもあります — Nagi@ドイツでワイン醸造家 (@Gensyo) September 25, 2020   リースリングといえば酸が特徴的なブドウ品種でもあるので、酸を抑えてしまう方向に動くMLFはしないものと思われている方も多いと思います。しかし、上記のPostにも書いているように ...

醸造

2020/9/26

ワインにおけるアルコール度数の調整 | 加水を考える

気候変動の影響で地球全体で気温が上がり、それにともなってワイン用のブドウの生長が速くなってきています。 冬が暖かくなったためにブドウの芽吹きが早まり、さらに暑い夏を通して今まで以上に熟したブドウを収穫できる。なんとも夢のある話に聞こえますが、ワイン造りの現場ではこの一見いいことのように思える動きに頭を抱える機会が増えてきています。   それが、ブドウの過熟によるワインのアルコール度数の上昇です。   年々早まる収穫の時期 本日のリースリング まさか10月の声を聞く前にこんなに熟したリー ...

Member ワイン

2020/9/13

Rieslingに特徴的な香りを考える | モノテルペンとノルイソプレノイド

ドイツワインを代表する白ワイン用ブドウ品種であるリースリング。 引き締まった酸と透明感のある果実味を持つワインを生み出す品種です。熟成をしていくと特徴的なペトロール香が出ることでも知られています。 ブラインドテイスティングの際にはこのペトロール香を頼りに品種を特定していく、という方も多いのではないでしょうか。   一方でリースリング自体はアロマティック系のブドウ品種としても知られています。特徴的な香りは白桃、レモン、アプリコット、白い花、はちみつ、トロピカルフルーツ。産地や造りによって出てくる香 ...

© 2020 Nagi's Wineworld