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ワインの知識

より深く、より詳しく知る | 徹底解説シリーズ

徹底解説

2024/3/18

ワインの未来を担う品種?|PIWIを徹底解説

ワイン関係者の間で話題に上ることが増えているテーマの1つがブドウの品種です。ブドウの品種を巡っては以前から販売価格との関係や栽培地との適正、栽培難度とコストとの関連などで常に一定の頻度で話題にはなってきましたが、ここにきてその内容に少し変化が出てきています。話の多くにPIWIという単語が頻繁に混ざるようになってきたのです。 PIWIとはドイツ語のPilzwiderstandsfähige Rebsortenという単語の略で、カビ菌耐性ブドウ品種のことです。「ピーヴィー」と発音します。ドイツ語由来の単語です ...

徹底解説

2022/8/21

酵母のチカラ | ワインの熟成と滓の関係

ワイン造りでは酵母の存在が欠かせません。酵母がいるおかげでブドウのジュースはワインになることができます。 ワイン造りの主役ともいえる酵母ですが、その活躍の場はアルコール発酵中だけに限らないことはご存知でしょうか。酵母はアルコール発酵という大役を終えた後も、滓となってワインの熟成に大きな影響を与えています。 例えばシュール・リー (Sur Lie) と呼ばれる醸造方法は、アルコール発酵後の熟成期間中もワインを滓と一緒にしておくことでワインが滓からの影響をより強く受けるようにするものです。シャンパーニュに代表 ...

徹底解説

2022/5/15

全房発酵のウソ、ホント | ブドウの茎がワインに与える影響

ワイン造りの方法で、除梗もしくは全房発酵という言葉を聞いたことはあるでしょうか。 どちらもワインを造るときにブドウをどういう状態で使うのかを表した言葉です。 ブドウの房は緑色をした茎のようなものにブドウの粒がたくさんついた形をしています。この茎の部分のことを果梗 (かこう)、もしくは単に梗 (こう) といいます。 ワイン造りの現場では、ワインを造るときにこの梗を取り除いてブドウの粒の部分だけを使う造り方を除梗といい、梗も含めて房ごと使うことを全房といいます。全房発酵とは、梗を含めた房の全てを入れた状態で果 ...

徹底解説

2022/5/15

ワインの安定剤は何を安定させるのか | アラビアガム (アカシア) について

「ワインはブドウだけから造られているもの」。多くの人が思っているはずのことですが、それに反して一部のワインのバックラベルを見ると添加物に関する記載がある場合があります。 添加物にはいくつかの種類がありますが、その中でも有名なのが酸化防止剤と安定剤です。 酸化防止剤は主に亜硫酸とも呼ばれる二酸化硫黄 (SO₂) が使用されています。この物質はごくまれに防腐剤と誤解をされていたり、頭痛の原因のように言われることもありますが、物質としては比較的よく知られています。一方で安定剤はその目的も使用されている物質もあま ...

ワイン 品質管理 徹底解説

2022/4/11

徹底解説 ワインと木樽 | 樽熟成の主役 オーク樽の基礎

ワイン、特に赤ワインに関してよく聞く言葉があります。 新樽比率、フレンチオーク、バッリクでの樽熟成。これらはすべて、ワインの醸造時に使われる木製の樽に関係したものです。 ワインと樽は歴史的にも長い関係を持ってきました。各地で様々な大きさと形の樽が作られ、今でも変わらず使われています。 バリック (Barrique) といえば赤ワイン醸造で使用する代表的なオーク樽ですが、ボルドーでは225L、ブルゴーニュでは228L、コニャックでは300Lとそれぞれサイズが違い、形状も微妙に異なっています。バリックよりも大 ...

徹底解説 醗酵

2021/4/4

徹底解説 | ワイン酵母のキホンのキ

ワインを造るために欠かすことのできないモノが2つあります。 1つは原料となるブドウ。そしてもう1つが、酵母です。 酵母はワインやビール、日本酒といった醸造酒を造る以外にもパンの記事を醗酵させる時にも使いますので誰にとっても比較的身近な存在です。イースト (yeast) とも呼びます。 一方で、「酵母ってなに?説明して」といわれたときに皆さんは迷うことなく説明できるでしょうか。 今回は酵母の基本をおさらいします。 酵母とはなにか 酵母は一般的に「菌」と呼ぶ種類の微生物の一種です。 微生物学的にいえば細胞壁を ...

ワインの不快臭を学ぶ | オフフレーバー解説シリーズ

不快臭

2023/12/1

増えるワインの欠陥臭、スモークテイントとはなんなのか

いま注目を集めているワインの欠陥臭があります。スモークテイント (Smoke taint) です。 スモークテイントとはブドウが煙に暴露されることで生じる欠陥臭で、テイスティングでは「スモーキー」、「焦げたゴム」、「ベーコン」、「消毒剤」、「灰」のようなニュアンスとしてコメントされます。焚き火やバーベキューの傍らで感じる、燻したような香りをイメージしてみるとわかりやすいと思います。 通常、ワインからそうした香りを感じることはありませんので、欠陥としての臭い、オフフレーバーとして扱われています。ローストを効 ...

不快臭

2022/7/28

1からわかる還元臭 | ワイン最大の欠陥臭を理解する

ワインには時に不快臭や欠陥臭、オフフレーバーと呼ばれる好ましくない、時には明確に嫌な匂いがするものがあります。 数あるワインの不快臭の中でも代表的なものが、還元臭です。 誤解を恐れずにいえば、還元臭を含むワインとの出会いは日常茶飯事です。ワインの世界的なコンテストの1つであるInternational wine challenge (IWC) で2006年から2008年の間に欠陥臭があると判断されたワインのうちの実に26 ~ 29%が還元臭だったそうです。またOIVによる報告では、2015年の全世界におけ ...

不快臭

2022/4/11

光が変えるワインの香り | 日光臭

日光臭。 青く晴れ渡った空の下にひらめく洗い立ての白いシーツ。そのシーツに包まれたときに感じる、幸せなお日様の香り。と思ってしまいそうな名前ですが、残念ながら違います。 日光臭とはLight-struck taste (LST、Light-struck flavor: LSFとも)、Goût de Lumi`ereとも呼ばれる欠陥臭の1つです。ビールや牛乳で指摘されることの多いオフフレーバーですが、日本酒やワインでも無縁のものではありません。 日光臭は主に保存中に発生する欠陥臭です。その名前の通り、ワイン ...

ワイン 不快臭

2022/4/11

熟成香か欠陥臭か アセトアルデヒドを知る | 醸造と熟成がもたらす香りの要素

アセトアルデヒド、という言葉を聞いたことはあるでしょうか。エタナール (ethanal) とも呼ばれる物質です。 アルコール (エタノール: ethanol) の最初の代謝物で、お酒を飲むと体内でアルコールが分解されていく過程で生成されてもいます。 二日酔いを避けるために。アルコールの分解を知ろう! https://nagiswine.com/alcohol-01/ 体内でエタノールがアセトアルデヒドに分解される際にはアルコール脱水素酵素 (ADH) と呼ばれる酵素が働きます。この一方で、アセトアルデヒド ...

不快臭 品質管理

2022/4/11

マロラクティック発酵とワインの欠陥臭 | MLFの両面性

ワインの酸を減らしたり、独特な香りやニュアンスを持たせるために積極的に活用されるマロラクティック発酵 (Malolactic fermentation: MLF)。ワイン造りにおける微生物を利用した醸造手法です。 化学的な手段に頼らない、より自然的な手法である点も好まれる理由の1つです。 ワインと酸と乳酸菌 | MLFを知る https://nagiswine.com/mlf-01/ ワインの味と酸の関係 | ワインを丸くする2つの方法 https://nagiswine.com/adic-managem ...

ワイン 不快臭

2021/9/11

ワインの個性か汚染か | ブレットを知る

ワインを飲んでいると避けることのできない悲劇がいくつかあります。 真っ白いシャツに赤ワインのシミを作ってしまう。ついつい飲み過ぎて翌日に酷い頭痛に悩まされる。誰にでも経験があると思います。そうした悲劇の1つが、楽しみにしていたワインからおかしな臭いや味がする、というもの。楽しくなるはずの時間が一瞬で崩壊する可能性の高い、とても大きな悲劇です。 ワインから本来はしないはずの臭いや味がすることを一般に、ワインの欠陥臭 (オフフレーバー、不快臭とも) といいます。コルクが原因となってカビのような臭いのするブショ ...

ワインを学ぶ時、言葉に迷ったら | ワインを学ぶための用語集

用語集

2022/11/12

カーボニックマセレーション | ワインの用語集

表記 Carbonic maceration (英), Kohlensäuremaischung (独), Macération carbonique (仏), 炭酸浸漬 (日) 意味 通常ブドウを破砕して流出してくる果汁に果皮を浸漬するマセレーションとは異なり、ブドウの粒を破砕せず果汁に浸漬されない状態で無酸素環境下にブドウを静置することで抽出を行う醸造手法。酸素の代わりに炭酸ガスで容器内を充填することからカーボニックマセレーションと呼ばれている。 ブドウの周囲から酸素をなくすことで果粒内における酵素的 ...

用語集

2022/11/12

マセレーション / 醸し | ワインの用語集

表記 Maceration (英), Mazeration (独), Macération (仏) 意味 収穫したブドウを圧搾して果汁と果皮や種子を別々にすることをせず、粒を軽く破砕したうえで果汁内に果皮や種子を漬け込む醸造手法。果皮や種子に含まれているフェノール類をはじめとしたエキス分を果汁中に抽出することを目的として行われる。日本では醸しと呼ばれる。 主に赤ワインの醸造時に行われるが、最近ではオレンジワインと呼ばれる白ワインの醸造にも使われるほか、白ワインであっても短時間であれば実施されることも多い。 ...

用語集

2022/11/12

クーベーアー (QbA) | ワインの用語集

表記 Qualitätswein bestimmter Anbaugebiete : QbA 意味 ドイツのワイン法によって定められた格付けの1つ。 ワイン法によって指定されている13の生産地域で栽培・収穫されたブドウから造られたワインのみが対象となる。仮に13の指定地域内で栽培・収穫されたブドウであっても、2つ以上の異なる地域のものを混ぜた場合にはQbAの対象とは見なされない。また使われるブドウはヴィティス・ヴィニフェラ (Vitis vinifera) 種のブドウのみであること、ワインに含まれるアルコ ...

用語集

2022/11/12

カビネット | ワインの用語集

表記 Kabinett 意味 ドイツのワイン法によって定められた格付けの1つ。 ブドウが収穫された時の果汁に含まれている糖分の量 (果汁糖度) に応じて定められた6種類の格付けのもっとも下のもの。この格付け以上のワインはプレディカーツワインと呼ばれるようになる。この格付けを得るための条件は3つ。QbAとしての条件を満たしていること、ワインに含まれるアルコール度数が7% vol. (アルコール量が56 g/l) 以上であること、そして各生産地域ごとに定められている果汁糖度の値を満たしていること。 カビネット ...

用語集

2022/11/12

ブレタノマイセス | ワインの用語集

表記 Brettanomyces bruxellensis Dekkera bruxellensis 意味 ブレットやネズミ臭と呼ばれる不快臭の原因となる腐敗酵母。通常のアルコール発酵に使われるSaccaromyces系の酵母とは別の系統に属する酵母であり、アルコールの生成能を持ってはいるがSaccaromyces系よりも低く、またワインにとってはデメリットが大きいためアルコール発酵用の酵母として使われることはまずない。 汚染された木樽を使うことで被害が拡大していくことが知られている。二酸化硫黄を使用する ...

用語集

2022/11/12

ボトルの規格 | ワインの用語集

ボトル規格と名称 ワイン、もしくはスパークリングワインを入れるためのボトルにはサイズに関する規格があり、各サイズには名前が付けられている。それぞれのサイズおよびその名前は以下の通り。 ボトル名容量通常ボトル比Split187.5 ml0.25Piccolo250 ml0.33Demie375 ml0.5Jennie500 ml0.66Bouteille / Standard750 ml1.0Magnum1.5 L2.0Jéroboam* / double Magnum3.0 L4.0Jéroboam*4. ...