アルコール

醸造

2020/9/26

ワインにおけるアルコール度数の調整 | 加水を考える

気候変動の影響で地球全体で気温が上がり、それにともなってワイン用のブドウの生長が速くなってきています。 冬が暖かくなったためにブドウの芽吹きが早まり、さらに暑い夏を通して今まで以上に熟したブドウを収穫できる。なんとも夢のある話に聞こえますが、ワイン造りの現場ではこの一見いいことのように思える動きに頭を抱える機会が増えてきています。   それが、ブドウの過熟によるワインのアルコール度数の上昇です。   年々早まる収穫の時期 本日のリースリング まさか10月の声を聞く前にこんなに熟したリー ...

コラム

2020/8/21

とても楽しい時代に生きている | アルコール度数はTerroirを表すのか

ワインに関わると避けることのできない単語というものがいくつかあります。残糖量、酸度といった味を表すものから、アロマ、ニュアンスなどといった香りを表す単語。これ以外にもきっと、いくらでも、それこそ時間が許す限り数多くの単語があげられるのではないかと思います   そんな中でも筆頭格なのが、「Terroir (テロワール)」ではないでしょうか。   「Terroir (テロワール)」とは今さら言わずと知れたフランス語の語彙で、これに相当する言葉は日本語にも英語にもないと言われています。ドイツ ...

Member スパークリングワイン ワイン 醸造

2020/6/14

スパークリングワインとベースワイン

夏の暑い日に暑気払いとして飲みたくなるのは白ワインの炭酸割りですが、食前酒としてなら断然、スパークリングワインです。    スパークリングワインとしておそらく世界で最も有名なのはシャンパンとも呼ばれるシャンパーニュですが、世界中には沢山のスパークリングワインが存在しています。  スパークリングワイン、つまり、炭酸ガスを含んだ発泡性のワインの1番の特徴はこの発泡性。冒頭の白ワインの炭酸割りは通常の白ワインを炭酸水で割ることで後付けで発泡性を持たせますが、スパークリングワインでは醸造方法、つまり造り ...

Free ワインあるある

2020/5/17

安いワインと頭痛の関係 | ワインあるある

安酒を飲むと頭が痛くなる、というのと同じ論調で、安いワインを飲むと頭が痛くなる、ということを時々聞きます。 安酒を飲むと頭が痛くなる理由はわかりませんが、安いワインを飲むと頭が痛くなる理由は分かります。それは、そこに頭が痛くなる原因の物質が含まれているからです。もしくは単純に量を多く飲みすぎているからです。ちょっと斜め上に行くものでは、単なる思い込み、という可能性も完全には捨てきれなかったりもします。   一方で、これらの理由はどれもワインが高いか安いかには起因しません。   高いワイ ...

Member 栽培

2020/4/10

目に見える違いは取り除くべき違い | 栽培の心構え

先日の「ワインは畑ごとに味が違う、は本当か?」と題した記事で、ワインの味はブドウの実一粒単位で味が違うところをたくさん重ね合わせることでその違いを平均化しながら表現したものですよ、と書きました。 こちらの記事をTwitterでシェアさせていただいたところ、拡散してくださる方も何人かいらっしゃり、結果多くの方に読んでいただくことが出来ました。拡散してくださった皆様、どうもありがとうございました。 もしまだ読んでないよー、という方はぜひ一度目を通してみてください。 ワインは畑ごとに味が違う、は本当か? ワイン ...

発酵 醸造

2020/8/7

ワイン醸造 | 優良な酵母は発泡しない?

ワイン好きの皆さんの中には、発酵中のワインの状態を醸造所で直接、もしくは写真などを通して見たことがある方も多いのではないでしょうか?   かく言う私のTwitterでもこんな写真を投稿したことがあります。 新しい記事をお待ちいただいている方、申し訳ありません 今のところ、酵母の世話で手一杯で自分のことは洗濯も買い物にも行けない状態です 気長にお待ちいただければと思います pic.twitter.com/HDNK5OFajh — Nagi@ドイツでワイン醸造家 (@Gensyo) Septembe ...

Member 発酵

2020/11/17

もっと発酵を語ろう | 酸素は酵母に必要なのか

注意 この記事では説明の都合上、学術用語としての“発酵”と一般的なアルコール生成手段としての意味での“発酵”が同一文章内に特に断りなく混在して使用されています 以前から何度か発酵については書いていますが、今回はもう少し踏み込んだ発酵と酸素の関係を見ていきたいと思います。   ワインを学んでいるとどうしても酸化という言葉に敏感になりますし、発酵時を含め酸素を極力排除するのが正義!と思ってしまいがちです。実際に我々造り手にも酸素の存在に異常なまでに神経質になる人もいます (筆者もどちらかというとこち ...

Member 醸造

2020/11/17

カーボニックマセレーションという醸造手法

何かとフランス語の借用が多いため、分かりにくく馴染みにくいのがワインの醸造関連用語。 ですが、そんななかにあって“カーボニックマセレーション”という名前を何となく耳にしたことがある人は意外と多いのではないでしょうか?   カーボニックマセレーションとは、一般にはシャンパーニュ(シャンパン)と並んで日本でもひときわ知名度の高いワインである、「ボジョレー・ヌーヴォー」の生産手法として広く知られている醸造手法のことです。   日本ではカーボニックマセレーション (Carbonic macer ...

Free ワイン

2020/5/1

補糖したワインは太るのか? 補糖とカロリーの関係

先立って「ワイン醸造の暗部?補糖は悪なのか | シャプタリザシオンをめぐって」というワインの補糖に関する記事を公開したところ、   補糖の有無よりも補糖することによるワイン内の糖分の量が気になる、ぶっちゃけ、補糖したワインは太る気がする   という旨のコメントを複数名の方からいただきました。 先日の記事でワインに補糖していることを告げるともれなくお客様からトーンダウンされることを嘆いてみせたのですが、補糖が原因で太るということならそれも納得です。 間接的とはいえ、このワイン太るよ、と言 ...

醸造

2020/8/7

ワイン醸造の暗部?補糖は悪なのか | シャプタリザシオンをめぐって

日本酒における醸造用アルコールの添加、ワインにおける補糖。 これらは随分と敵視されていることが多いように感じます。行ってみれば醸造酒の暗部、アンタッチャブルな領域、という印象でしょうか。   おそらく日本酒にしてもワインにしても、本来は栽培や醸造の結果として得るはずの糖度やアルコールを外部から補填することに対して、その目的および理由の如何を問わず、なんらかの悪印象を受けている結果からきているのだろうと思います。 もしくは一部の国地域において高品質ワインを謳うカテゴリーで補糖が禁止されている点をも ...

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