Sauvignon Blancの躍進
先日の記事、存在感を増すSouvignon Blancで、以前はドイツで栽培される品種としてあまり聞かれることのなかったSouvignon Blancが最近その地位を上げてきている、ということを書きました。 実際にその後に訪れた、4月末にマインツで開かれたVDP主催の試飲会ではヴュルテンベルクをはじめとして複数の産地のワイナリーから、合計で29種類のSouvignon Blancで造ったワインが出展されていました。VDPに加入するワイナリーからこれだけの数の出展があったということに、Souvignon B …
泡の秘密 | スパークリングワインの魅力の裏側を知る
クリスマスや年末年始に限らずパーティーやお祝い事に欠かせないのがスパークリングワイン。フルートグラスに立ち昇る泡を見ているだけで華やいだ気持ちになれます。 スパークリングワインは世界中で造られています。最近ではイギリスで造られているイングリッシュ・スパークリングが注目されているほか、ドイツのゼクトも売り上げを伸ばしています。そうした中でも不動の地位を気づいているのが、シャンパーニュ。フランスのシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインです。日本はアメリカ、イギリスに次いで輸入量が多く、シャンパンの名 …
ビオとエコは違うのか?
世の中のワイナリーを見渡していると、通常のワイナリーの他にビオロジックとエコロジック、ビオディナミッシュ(英語:バイオダイナミクス)というような区分を見つけることが出来ます。 今回はこの中でも、ビオロジックとエコロジックについて注目してみたいと思います。なお、筆者がこれらの単語をカタカナで表記することにどうにもならないほどの違和感を感じるため、以後はそれぞれ、Bio、Ecoと表記することにしたいと思います。 BioとEcoの違いは何か? そもそも日本ではこの辺り、特にEcoの概念に対する定義が曖昧なことが …
ドイツの赤ワイン
ここしばらく、急にドイツの赤ワインに関する記事を目にすることが増えたように思います。そして、その多くが近年におけるドイツの赤ワインの品質向上と、世界的な地位の向上を伝える内容となっています。 躍進中のドイツ赤ワイン 筆者自身も4月の末にMainzで開催されたVDP主催の試飲会で複数の赤ワインを試してみて、その変化には驚きました。特に、今までSpätburgunder (シュペートブルグンダー、Pinot Noir)の赤を造るには寒すぎる、とされていたMoselのワイナリーにも関わらず、とても品質の高い赤ワ …
ワインに品質管理は不要!?半端な自然派という無法地帯が広がる危機感
とある自然派ワイン愛好家の方が書いていた文章で興味深い内容のものを目にしました。 その記事は自然派微発泡ワインである「ペティアン・ナチュール」を説明するものです。その記事で書かれていたことをざっくりと要約すると、 という内容が書かれていました。 なお念の為修正をしておくと、ここに書かれている“瓶内で二次発酵が生じる”という記載は誤りで、正確には一次発酵が瓶詰め後も継続される、です。 このような記事を読むと、「自然派」という言葉が最近のワイン業界における一つの免罪符になりつつあるように感じます。 泡立ってい …
ドイツのベストワイナリー
規模の大きなところから小さなところまで、星の数ほどワイナリーが存在するドイツ。その多くは本当に小規模な家族経営によるもので、すべてを網羅することはほぼ不可能です。 一方でそんな数多あるワイナリーの中でも有名どころというものはやはり固定する傾向にあり、誰による、どんな評価やランキングを紐解いてみても必ず出てくる名前、というものも存在しています。 今回はドイツでも有名なワインガイドの一つが掲載しているドイツワイナリーのベストランキングをご紹介します。 今後、ドイツワインを選ぶ際の参考にしてみてください。 ドイ …
ブドウ畑の緑化管理
ブドウ畑における緑化というものを考えてみたいと思います。 ぶどう畑を緑化する、と聞くと少し奇妙な印象を受けるかもしれませんが、単純に言ってしまえばブドウの垣根の間の地面に生える下草をどうするのか、ということです。全面を緑にするのか、除草剤の使用有無はともかくとして、完全に更地にしてしまうのか。実はこの対処方法にも重要な意味と目的があります。 下草の持つ意味 一般に畑の下草を生やすということに対しては、畑における生物多様性を確保するとか、何となく自然に優しいというようなイメージが先行するのではないかと思いま …
斜面の畑、Terrasseでのお仕事
昨日の記事でTerrasseに関する記事をあげましたが、今日はそのTerrasseで筆者が最近従事している仕事の内容について書きたいと思います。 とは言っても、Terrasseだから、という類の仕事はそれほど多くありません。Terrasseを新しく作る、という話になればこれは全く別の話ですが、流石にこの作業を人力で行うことはありえませんので、一度作られたTerrasseにおいては日々必要になる作業は他の普通の畑と大きく変わらないのです。成長に合わせて伸びてきたブドウの枝を針金の中に入れたり、その針金の高さ …
種蒔きの季節
例年よりも早めのぶどうの収穫が終わり、ケラーでタンクに入れられたジュースが順調に発酵を進めている今、ワイナリーでは休暇気分を味わっている場所も少なくありません。 しかしその一方で、すでに来年に向けた仕事もまた、始まっています。 ぶどう畑に緑を 以前、”ブドウ畑の緑化管理”という記事でぶどう畑における下草管理のことを書きました。 この時の記事でも触れたのですが、ぶどう畑における下草をコントロールすることにはいろいろな意味があります。それは、土壌中の栄養素の管理のみならず、単一植栽のモノトーンな畑における生物 …
ぶどう栽培と牛乳による病気予防 | ブドウ畑のウドンコ病対策
ブドウが罹る病気はいろいろありますが、その中でも世界中で発生しており、ブドウ栽培における三大疾病ともいえる病気があります。 です。 これらの病気はブドウの品質や収穫量に大きな影響を及ぼすやっかいな病気として知られています。そのため対策方法もいろいろ開発されており、従来型の薬剤による防除だけではなく、ブドウ品種の改良によっても進められています。 増え続けるブドウ品種 | PIWIというカテゴリー 栽培技術 | ブドウ栽培における病気への対策 – 防除の方法 三大疾病のうち灰色かび病だけは他の2つと少し毛色が …
ブドウ栽培の基礎知識 | ブドウの樹のとらえ方
エネルギー源は太陽 枝はエネルギーの交通路 幹はエネルギーの貯蔵庫 たった3行。このたった3行がブドウ栽培でもっとも大事なことです。 これさえ知っておけばほかのことは忘れてしまっても大丈夫。だから、この記事もこれで終わり。とはさすがにいかないのでもう少し内容に踏み込んでいきましょう。 今回はブドウの栽培の基礎知識をちょっと普通とは違った視点から解説していきます。キーワードは、エネルギーです。 3つの部分からできているブドウの樹 ブドウの樹は葉、枝、幹の3つの部分からできています。根を入れれば4つです。 こ …
ブドウの根に差はあるのか | 自根へのこだわり
Quelle: http://www.waxandgrafts.com/wax-and-grafting-process ワイン用ブドウの栽培家にはブドウの「根」に異様なまでのこだわりを見せる人が相当数いらっしゃいます。 彼らの見ているものは、「自根」のブドウです。 ワインの業界にいると相応の頻度で出会うのが、この「自根」を特別視する風潮です。誤解を恐れずに言えば、ワインを勉強している方であればあるほどこの風潮に流される傾向が強いようにも思えます。 では、この「自根」であることは本当に意味があるのでしょう …
発酵途中の温度管理 | 液温を上げるタイミングとその温度
ワインの醸造を行っていく場合に、ブドウを絞ったジュースや発酵後もしくは発酵中のワインの温度を意図的に上げたり下げたりすることがあります。 ジュースやワインの温度を下げるケースに関しては、「発酵途中の温度管理 – 液温を下げる」という記事でまとめました。 今回はこのケースとは逆のケース、温度を上げる場合についてそのタイミングと設定する温度について解説します。 発酵前に液温を上げる手法はもちろん白ワインの醸造においても意味を持つものですが、特に赤ワインの醸造において大きな意味を持ちます。中でもブドウの健康状態 …
加水しない低アルコールワインの造り方
ここ数年、世界の冬は温かく、夏は暑すぎるようになりました。以前は30℃でも暑いと言っていた日常が、今では40℃で暑いという日常に変わりました。 世界の温暖化、気候変動。そうした単語を聞く機会が端的に増え、そろそろこうした日常は”異常”なものではなくまさに”日常”的なものになりつつあります。そしてこうした恒常的な変化は確実にワイン造りを変えてきてもいます。 例えばフランス。使用できる品種に厳格な規定を持っているAOCボルドーが2019年に新しい品種の使用を正式に認可したことが大きなニュースになりました。理由 …
ロゼ?ワインのいろいろ、知っていますか? 其の弐
前回、ロゼであってロゼでない、ドイツのこだわりの名称としてRotling (ロートリン) をご紹介しました。今回はロゼであるのにロゼでないように扱われるヴァイスヘルプストとブラン・ド・ノワールをご紹介したいと思います。 ロートリングに関する記事はこちら ヴァイスヘルプストとブラン・ド・ノワール 次にご紹介するのがWeißherbst (ヴァイスヘルプスト) とBlanc de Noir (ブラン・ド・ノワール) です。これらはRotlingとは違い、今度はロゼのヴァリエーションの名前となります。 ヴァイス …
自然な?ワインの造り方
先だってこんなTwitter上にこんなPostをしました。 今週はこの2枚の写真に関係する内容で久しぶりにきちんとした醸造関連の記事を書く予定でいます仮題: 「自然?なワインの造り方」 pic.twitter.com/wNDzg58DQh— Nagi@ドイツでワイン醸造家 (@Gensyo) November 7, 2020 この記事を読んでくださっている皆さんは、この2枚の写真の違いがお分かりになるでしょうか? 今日はこの写真とそこに関わる「自然な?」ワインの造り方についてです。なお、この記事ではあくま …
ナチュラルワインは甘くないんじゃなかったんですか? 其の弐
今日は前回のこちらの記事の続きで、甘いナチュラルワインが存在しうる具体的な理由についてのお話をしたいと思います。前回の記事をまだご覧になっていない方はぜひそちらからご確認ください。 ナチュラルワインの定義に関する記事はこちら ⇒ ナチュラルワインは甘くないんじゃなかったんですか? 其の壱 甘いナチュラルワインは存在し得る 前回、ナチュラルワインに二酸化硫黄を使うことは禁止されていない、というお話をしました。Decanterが定義したナチュラルワインの定義には、さらに、ナチュラルワインが必ずしも辛口でなけれ …
誤解だらけの赤ワイン醸造 | Remontage, Pigeageはなんのため
白ワインと赤ワイン。 この両者のもっとも大きな違いはその色にあります。 ほとんど色味を持たない白ワインに対して、赤ワインは目に鮮やかな赤い色をしています。これは赤ワインには赤い色をした成分が含まれているから。 赤ワインを造る時にはブドウからこの赤い色味の成分を取り出すために、果皮や種子を果汁に漬け込んでいます。 徹底解説 | 赤ワインはなぜ赤いのか? https://nagiswine.com/phenol-01/ ワインにフェノールとタンニンを増やす是非 | 延長マセラシオン https://nagis …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#10 | SO2 (二酸化硫黄 / 酸化防止剤)
https://youtu.be/OMwS6tzC0zs 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#27 | ワイン醸造のすべて
https://www.youtube.com/watch?v=Jlv9JRVw9JQ 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#36 | 日本でのワイン造り
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) X: https://x.com/hima_wineサイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) X: https://x.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第36回のテーマはrecap 2024。 2024年8月末に日本 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#5 | 気候変動とワインの未来
https://youtu.be/zmiYlbO4pb4 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#18 | ワインの栓
https://www.youtube.com/watch?v=n3zMZ20Y9eI 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#25 | ワインの酸
https://www.youtube.com/watch?v=qD2os2_2jmo 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …




































