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増え続けるブドウ品種 | PIWIというカテゴリー

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Foto: PIWI International (https://www.piwi-international.de/de/)

 

Cabernet Blanc、Cabernet Jura、Muscaris、Souvignier gris

 

これらの単語に聞き覚えはあるでしょうか?

Cabernet~やMusca~、Souvi~という辺りからなんとなくワイン用のブドウ品種っぽいと思われた方も多いかもしれません。そうです、これらはすべてワイン用のブドウ品種の名前です。

現在はあまり聞くことはないとは思いますが、今後もしかしたら耳にする機会、実際に飲む機会が増えてくるかもしれません。

 

ブドウは遅くとも6000万年前には地球上に存在していたとされます。その長い歴史の中で自然交配や突然変異を繰り返した結果、8,000~10,000種もの品種が存在していると言われています。

このうちワインの製造に使われているのは2,500種ほどです。近年、一部の土着品種は使われなくなってしまったり、逆に気候の変動や地域性への原点回帰といった動きを背景に脚光を浴びて復活したりもしていますのでこの数は常に多少変動しています。

 

そんな中でこの数字を今後押し上げていく可能性あるカテゴリーがあります。

それが今回のテーマである、PIWIと呼ばれるカテゴリーに分類される品種のブドウです。

 

PIWIとはなんなのか

PIWIとはドイツ語で「pilzwiderstandsfähige Rebsorten」の略ですが、徐々に国際的にもPiwiで通用するようになってきているようです。意味は、ブドウの病気の原因となる菌に対して耐性を持ったブドウ品種のことです。

 

文字通り一部の菌を原因とした病気に対して高い耐性を持ったブドウ品種ですが、いわゆる自然交配品種ではなく、ほぼすべてが人工交配品種となります。

従来の自然界には存在していなかったブドウ品種を人工的な交配によって作り出し、それをワイン醸造に使っていくため、ワイン生産に利用されるブドウ品種の数を純粋に押し上げる要因となります。

 

一方で交配による特性の獲得から各種試験およびフィールドテストを経て実際に市場に流通されるまでには長い時間が必要となるため、今はまだそれほど知られた存在ではありません。

現時点における植栽面積の拡大はまだゆっくりではありますが、前述の通り需要があって作られている品種でもあるため今後徐々に世の中に広まっていく可能性は高い品種群でもあると言えます。

 

PIWIはどんな病気に強いのか

この新しいワイン用ブドウ品種のカテゴリーで常に注目されるのが以下の病気に対する耐性です。

 

  • うどん粉病: Echter Mehltau (Oidium)
  • ベト病: Falscher Mehltau (Peronospora)
  • 灰色カビ病: Botrytis

 

なぜこの3つなのかというと、この三種類の病気がワイン用のブドウ栽培においてもっとも脅威となる上に基本的に世界中のどこでも問題となる、いわばワイン用ブドウ界における三大疾病だからです。

 

耐性品種開発の背景

PIWIの開発の歴史は1800年代の後半まで遡ります。この時期、欧州に上記の三大疾病のうち、うどん粉病とベト病がアメリカから輸入された新品種と共にわたってきました

こういう話を聞くとフィロキセラ禍を思い浮かべる方も多いのではないかと思いますが、この両者の背景は全く同じですし、被害が拡大した時期もほぼ同時期となります。

 

 

もともと欧州に存在していなかったこれらの病気は瞬く間に被害を拡大します。

当時も燎原の火のような拡大を見せる被害を黙って指をくわえて見ていたわけではなく、対策のために様々な試みがなされました。その一つが、PIWIの元となる欧州系品種とアメリカ系品種との交配です。

 

フィロキセラは主にブドウの根に対して被害を与えたために耐性を持ったアメリカ系の品種を台木として利用することで被害を抑えることに成功しました。しかしカビ系の病気は穂木に対して直接感染、被害を拡大していたため台木による対策を行うことはできません

 

そこで有力な対策手法として開発がすすめられたのが、

  • 薬による防除
  • 交配による耐性の獲得

の2つだったのです。

なお現時点における有効な対策は、「栽培技術 | ブドウ栽培における病気への対策 - 防除の方法」の記事で書いていますが適切な時期に適切な内容で行うスプレーによる防除です。

 

耐性獲得の方法

PIWI品種の開発の出発点が欧州系品種とアメリカ系品種との交配であったように、この品種カテゴリーにおける最大の特徴である病気への耐性の獲得は、品種間の交配によって達成されています。このため、このカテゴリーに分類されるブドウ品種は場合によってはハイブリッド品種、種間品種などとも呼ばれることもあります。

 

この点をもう少し詳しく見ていくと、主にハイブリッド種と呼ばれる品種は現在のPIWIとは位置づけが大きく異なります。

ハイブリッド種と呼ばれる品種の多くは1800年後半から1900年前半において極めて単純に欧州系品種とアメリカ系品種とを交配させて作られた品種です。これらは分類学上、Vitis viniferaには分類されません

 

これに対して、PIWIは主に1950年以降になって開発されているものがほとんどです。品種によってはアジア系の品種との交配も行われていますが、複数回にわたるVitis vinifera品種との交配により分類学上の区分はVitis viniferaに属します



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