醸造

 

ベースワインに求められる最も大きなこと 

完熟したブドウから低アルコール度数の甘口ワインを造る時に絶対に欠かせない手順があります。 それが、発酵の中断です。 

 

一次発酵中のワインの発酵を止める方法はいくつかありますが、安定してその後も発酵を止め続けるための方法は基本的に一つです。酸化防止剤とか亜硫酸塩の名前でも知られる、二酸化硫黄 (SO₂) を添加することです。一度発酵を止めたワインにこの二酸化硫黄を必要量添加することでワインに含まれる酵母を死滅させ、発酵という彼らの代謝活動を止めることができます。さらにこうしたワインはその後の再発酵を避けるためにフィルターをかけ、生き残った酵母もワインから取り除きます。 

この二酸化硫黄の添加、という行為がスパークリングワインを造るうえでとても大きな問題となるのです。 

 

甘口のワインを造るうえで添加される二酸化硫黄ですが、その添加の目的は「酵母の失活」です。 

一方で二次発酵で必要なのは、「酵母の働きによる炭酸ガスの生成」。つまりベースワインに求められる最低限度の条件は「酵母が働けること」なわけです。それにも関わらず、一次発酵を止め、さらにその後の再発酵を防止するために多めの二酸化硫黄を添加したワインは二次発酵をしなければならないベースワインとしては極めて不向きなのです。 

 

ベースワインとして使うためには二酸化硫黄の添加量を最低限度に抑える必要があります。そのためにはベースワインに残糖を残すことはできません。ということは収穫された時点のブドウに含まれている糖分はその全量が一次発酵を通してアルコールと炭酸ガスに変換されている必要があります。しかし、そうして造られたベースワインのアルコール度数が高すぎるのは問題となるので、ベースワインを造るために使われるブドウはそもそもそれほど甘くてはいけない、ということになります。 

こうした理由から、ベースワイン用のブドウは完熟していてはいけないのです。 

 

ベースワインが持つべき品質 

ここからはスパークリングワインを造るためのベースワインが備えるべき品質や特徴を具体的に見ていきます。



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