ワインのオフフレーバー | UTA / ATA
ワイナリーやワインショップで試飲して気に入った白ワイン。買って帰ってきたけれど、まだ飲み頃には少しだけ早い気がしてもうしばらく自宅のセラーで寝かせることにした。 その後半年経ったある日の食卓。 本当はもう少し寝かせておいた方がいいと分かっていながらもついつい我慢できずに取り出してきたのがこのワイン。まだ早いんだろうなぁ、と頭の片隅で考えながらもコルクを抜いて、さぁお楽しみの時間!と思ったらなんだか違う。 まるで何年も寝かせていたような、酸化したようなニュアンスがある。自分の保管方法が悪かったのだろうか?ち …
アルコールフリーワイン
ワインを売る立場でお客さんと接していると、そこまで多くはなくとも多少の驚きを感じる程度の頻度でアルコールフリーのワインについての質問を受けます。 筆者個人としては、日本にいた頃から”アルコールフリー梅酒”とか”アルコールフリービール”というものを目や耳にすると、口には出さないまでもそれはもう梅”酒”でもビールでもないだろ、という感想を持っていたこともあり、このアルコールフリーワインというものに対する需要に対しても、それならブドウジュースでいいんじゃないか?というある意味で失礼な感想を心の中で呟いたりしてい …
参考図書: ワイン法関連
こちらのサイトやnote上にて公開している記事のいくつかでワイン法に関する内容を取り扱っています。 限定記事を読む ▼ メンバーシップ|すべての限定記事を読むならこちら ワインの世界へ、もう一歩: 醸造家の視ているワインの世界を覗く部 ▼ note|一部の限定記事を定額/単独購読するならこちら マガジン: 醸造家の視ている世界 醸造家の視ている世界 note版 一方で、筆者自身は造り手として必要となるワイン法の知識は修めていますが、専門家と言う訳ではありません。また自身が拠点としているドイツ国内で適用され …
スパークリングワインとベースワイン
夏の暑い日に暑気払いとして飲みたくなるのは白ワインの炭酸割りですが、食前酒としてなら断然、スパークリングワインです。 スパークリングワインとしておそらく世界で最も有名なのはシャンパンとも呼ばれるシャンパーニュですが、世界中には沢山のスパークリングワインが存在しています。 スパークリングワイン、つまり、炭酸ガスを含んだ発泡性のワインの1番の特徴はこの発泡性。冒頭の白ワインの炭酸割りは通常の白ワインを炭酸水で割ることで後付けで発泡性を持たせますが、スパークリングワインでは醸造方法、つま …
スパークリングワインの”トロッケン”は辛口か?
Trocken (トロッケン)という表記はドイツワインにおいては辛口のことです。なので、スパークリングワインのエチケットにこの表記があると、やはり辛口のことだろう、と思ってしまいがちですが、実はちょっと違います。 スパークリングワインのtrockenは残糖が多い スパークリングワインにおけるTrockenの表記は、残糖でみれば普通のワインの中辛口から甘口にあたります。なので、辛口だと思ってTrocken表記のスパークリングワインを買ってみたら、思ったよりも甘くて驚いた、というのはある意味当然なのです。 ス …
濁ったワインは何が悪いのか
「濁りワイン」 日本では意外に市民権を得ている印象の強いワインのカテゴリーですが、これは日本独特な動きと言えます。 もちろん世界にも醸造過程を通してフィルターろ過を行わない「unfiltered」のワインは多く存在していますし、一部ではこのようなスタイルがブームのようにもなっています。しかしこれらのワインはあくまでもろ過をしていないことが大事なのであって、「濁っている」ことが重要なわけではないことに注目しなければいけません。 なぜ、世界では「濁り」に焦点を合わせないのか。この点について今回の記事ではお話を …
ワイナリーのリスクヘッジ | 植栽密度を考える
ブドウ栽培をしていくうえで、単位面積あたりに何本のブドウの樹が植えられているのか、という点は畑全体をデザインしていくうえで重要な情報になります。とはいっても畑の形状は千差万別。しかも周囲との状況によって植え付けられるはずの場所に植え付けられず、区画によって面積当たりの本数がまちまち、なんてことは往々にして起こります。 そこで複数の畑の間での比較をしやすくするために使われるのが、植栽密度という単位です。これは、実際の畑に植え付けた本数を面積1haあたりに換算して求められるもので、区画間のバラツキなどに影響さ …
優良畑はいつまで優良か | ブドウ畑の立地
先日の9月12日に筆者が勤めるワイナリーで2019年シーズン初となるブドウの収穫がありました。ブドウの成長が異常に早く、それに伴い例年よりも1か月近くも収穫が早まった2018年ほどではないものの、2019年もやはり長期平均の視点から見ればかなり早いシーズンの幕開けとなりそうです。 このようなブドウの成熟の早期化の背景には年間平均気温の上昇があります。 地球全体での気候変動が叫ばれて久しいですが、実際にブドウの成熟過程を通して日々その変化を目にしているとその影響の大きさがまさに身をもって実感できます。 そし …
ブドウの根に差はあるのか | 自根へのこだわり
Quelle: http://www.waxandgrafts.com/wax-and-grafting-process ワイン用ブドウの栽培家にはブドウの「根」に異様なまでのこだわりを見せる人が相当数いらっしゃいます。 彼らの見ているものは、「自根」のブドウです。 ワインの業界にいると相応の頻度で出会うのが、この「自根」を特別視する風潮です。誤解を恐れずに言えば、ワインを勉強している方であればあるほどこの風潮に流される傾向が強いようにも思えます。 では、この「自根」であることは本当に意味があるのでしょう …
ブドウ栽培の北限と病害圧の北上
ワインベルトと呼ばれる地域があります。ワイン用ブドウ栽培に適した地域とされ、「北緯30〜50度、南緯30〜40度」の範囲を指していました。ドイツのラインガウが北緯50度。この産地はかつてブドウ栽培の北限の地とされてきました。今、その位置づけが揺らいでいます。栽培地が北へ動いているという話自体はすでに広く知られています。しかし、その先で何が起きているかはまだ十分に語られていません。 2024年から2026年にかけて発表された研究は、ブドウ栽培地の北上がどこまで進んだかについて、これまでとは異なる姿を見せてい …
山と川は必要か?ブドウ畑の立地条件
先日、当サイトの記事を読んでくださっている方から「ブドウ畑やワイン生産者における山や川の重要性」についてご質問をいただきました。せっかくですので今回はこのテーマについて筆者の個人的な見解に基づくものになってしまいますが、解説したいと思います。 この記事では といった疑問にインデックスという概念からお答えします。 山や川の役割とはなんなのか、ということをこの記事で理解していただき、ソムリエ試験のための勉強の補助としていただければ幸いです。 [circlecard] 前提条件!山や川は動かせない まず最初にご …
バイオスティミュラント | なぜ効くのかを説明しなくてよい資材
ブドウ栽培に限らず、農業や園芸の資材棚でバイオスティミュラント(Biostimulant)という言葉を見かける機会が増えました。学術文献では生体刺激剤と訳される資材です。売り場に並ぶ説明は、植物を元気にする、活性化させる、といった書き方が多いです。栄養を与えたいときには肥料があり、病気を防ぎたいときには農薬があります。肥料と農薬の間に置かれたこの資材が何をするものなのかは、その文言からは読み取れません。 読み取れないのは書き方が悪いからではありません。制度がそこを説明させていないためです。バイオスティミュ …
低コスト醸造が生み出すもの | 安いワインの含有成分を考える
前回の記事、「安いワインと頭痛の関係 | ワインあるある」では値段が手ごろなワインを飲むと頭痛を感じるのは実はこのカテゴリーのワインが「安い、うまい」を備えたワインだからこそ、という話を書きました。これはいわば飲酒量という、量の視点から見た場合のことでした。一方で、頭痛という体調への影響を及ぼす可能性を検討するには量だけではなく、質の面から目を向けることが必要です。 特に、頭痛だけにこだわることなくその他のアレルギー性の反応を対象とするのであればこの点は絶対に避けて通ることは出来ません。 今回の記事ではこ …
発酵が止まってしまったら | 再発酵の方法を考える
ワインを造っていると、さまざまな問題に出くわします。何事もなく、造っている本人も驚くほどスムーズにすべてが終わる時もあれば、何かしらの問題が起きてそれを解決したらすぐさま次の問題が起きる、などという悪夢ような時もあります。 とはいっても、ブドウの果汁がワインになるための一番大事なステップであるワインの発酵段階におけるトラブルは実はそれほど多くありません。 もしかしたら微生物汚染という言葉をお聞きになったことがある方もいらっしゃるかもしれません。しかしこれは厳密に言えば発酵の前後の時点で起きるもので、発酵段 …
ブドウを凍らせる醸造手法
果物は新鮮さが命。ワインを造るにしてもそれは一緒。だからこそ、収穫したブドウは1分でも1秒でも早くワインにするための加工をするべき。 ワイン造りにはこんなイメージを持っている方も少なくないのではないでしょうか。今回取り上げるテーマはそんなイメージの180度逆をいくお話です。新鮮なブドウを敢えて凍らせる。今回はそんな醸造手法について見ていきます。 鮮度を維持するためではない凍結処理 果物や野菜を新鮮なうちに凍らせる、という考え方は日本で生活していればそれほど違和感を持たないのではないでしょうか。冷凍技術に優 …
Federweißer(フェーダーヴァイサー)ってなんだろう?
すでに一昨日、8月6日のことですが、ラインヘッセンでフェーダーヴァイサー用のブドウの収穫が始まった、というニュースが出ました。 ブドウの品種はソラリス。果汁糖度は90エクスレだったそうです。ちなみに90エクスレ、という表現は日本では馴染みが薄いかもしれませんが、おおよそで言えば20Brix強というくらいの糖度ですので、相当甘くなっていたことになります。 ソラリスという品種は早熟の品種として知られていますが、それでもこの時期にこれほど糖度が上がることは通常無いことです。 まだ8月上旬といっていいこの時期にブ …
ワインと酵素|酵素でつくる低アルコールワイン
ワインに限らず、アルコール度数が高すぎるお酒というのものは飲みにくい場合が多くなります。世の中には蒸留酒のように極端にアルコール度数の高いお酒もありますが、ワインでいえば白ワインで12~13%、赤ワインでも14~15%くらいまでがワインらしく飲めるアルコール度数の上限ではないでしょうか。 一方で最近は低アルコール度数のワインへの注目がより大きくなりつつあります。ノンアルコールワインも世界中で販売され人気が出始めています。最近はワイナリーの製品リストにノンアルコールワインを見かける機会も増えてきました。ワイ …
ワイン造りにおける自然発酵を制御する技術|ピエ・ド・キューブ
自身のワインを造る際、発酵に乾燥酵母を用いるのか、それとも土着酵母、いわゆる野生酵母を用いるのかを一度も悩んだことがない、という生産者はあまり多くはないのではないでしょうか。 発酵の安定性が高く、安全なワイン醸造を行っていくのであれば乾燥酵母を用いた発酵を選択するのが確実です。これに対して野生酵母を用いる自然発酵では、発酵過程における各要素の不確実性が高く、それが不完全な発酵をはじめ様々な発酵上のトラブルの原因となることはよく知られています。また自然発酵ではオフフレーバーの原因となる化学物質の生成を通して …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#25 | ワインの酸
https://www.youtube.com/watch?v=qD2os2_2jmo 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#30 | なぜやるのか?なにが起こるのか?醸造家が徹底解説 MLF
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第30回のテー …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#4 | ワインと有機栽培
https://youtu.be/e-9WqBsic_E 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#37 | ワインの多様性を語ろう – そのワイン、本当に「ワイン」ですか?
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) X: https://x.com/hima_wineサイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) X: https://x.com/Gensyoサイト: Nagi wines Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#22 | ワインの畑 徹底解説
https://www.youtube.com/watch?v=O9hVTlhyZDc 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#21 | ブドウの樹齢とワインの品質
https://www.youtube.com/watch?v=E0wQKhRQPcA 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …


































