ワインの欠陥臭ブレットを生む酵母 | ブレタノマイセス
楽しみにしていたワインのボトルを開けて、グラスに注ぐ。そこから立ち上るかぐわしい香りを嗅ごうと鼻を近づけると、何かが違う。 こんな経験をお持ちの方は意外と多いと思います。 本来はしないはずの、特に不快に感じる臭いがするワインを欠陥臭 (オフフレーバー) を持つワインといいます。ワインのオフフレーバーにはいくつも種類がありますが、中でも有名なのものの1つがブレット (Brett) です。ブレットは馬小屋の臭い、馬の汗の臭い、動物的な臭い、などと表現される欠陥臭で、赤ワインで特に感じる機会が多いのが特徴です。 …
ドイツワインは難しい? | ドイツワインのカテゴリーを知ろう
ワインの勉強をしていると世界各国のワインの情報に触れます。特にソムリエールやワインエキスパート、WSETといった試験を受けようとする方はその膨大な量の情報に頭を悩ませているのではないでしょうか? そんな中にあって、特に分かりにくいと評判なのがドイツワイン。 JSA、日本ソムリエ協会が管轄しているソムリエやワインエキスパート試験の対策を行う際にはドイツワインは捨て問として最初からなかったものにする、なんて話も聞こえてくる程です。 実際にドイツでワインのことを細かく規定しているワイン法という法律は、非常に難関 …
ワインのボトルは何で閉めるか
棚に並んでいるワインのボトルを見ていると、実に様々な種類の栓を使ってボトルが密閉されていることがわかります。コルク、合成コルク、スクリューキャップなどなど。最近は技術の発展に併せてシリコン系のものも出てきています。 どんなワインにどんな栓を使うのか。 そこにどんな意味があるのか。 もしくはどんなワインにはどの栓を使えばいいのか。 ワインを楽しむ側も、造る側もそんな疑問を持ったことがあるのではないでしょうか? ふと気になってデータを調べていたところ、少し古いですが2017年にドイツで使われていた栓の種類とそ …
ワイングラスとスワリング | ワインあるある
ワインが注がれたワイングラスをクルクル回す、スワリング。ワインのある場所ではとてもよく目にする光景です。人によってはこれでもか、というくらいにクルクル、クルクルしています。 このスワリング、やった方がいいという方とやらない方がいいという方がいらっしゃいますし、やるにしても最初はダメ、という方もいらっしゃいます。とあるSNS上で時々、思い出したように話題になる程度にはいろいろな意見のある行為です。 スワリングをする、もしくはしない理由はいろいろと耳にしますが、科学的な根拠の話になると話題の盛り上がりの割には …
泡が抜けてもスパークリングワインが美味しい理由 | ワインの小噺
フランスのシャンパーニュ、ドイツのゼクト、スペインのカヴァ。世の中にはたくさんの美味しいスパークリングワインがあります。華やかな印象があり気分を盛り上げてくれるスパークリングワインはお祝いやパーティーには欠かせない存在です。 スパークリングワインの一番の特徴はなんといってもその泡。フルートグラスのなかで立ち昇る泡は見た目にも美しいものですが、口に含んだ時の爽快感もスパークリングワインの醍醐味です。 https://nagiswine.com/bubble-01/ ところでこの泡、抜けてしまった後でもそのス …
ビオとナチュラル | 醸造面から見たその違い
筆者がTwitterで時々、思い出したようにPostしてはそのたびに(筆者のアカウントとしては)軽くバズったような状態になるキラーワードがあります。それが「ナチュラルワイン」です。 最近、特に日本でよく聞くようになったこのワードですが、実はよく分からない、という方も多いのではないでしょうか? 自然派ワインとも呼ばれるため、漠然とビオなどと同じように身体にいい、健康的なワインのこと、と思っていらっしゃる方もいるかもしれません。 ところが、ビオとナチュラルは同じワインであってもその実態は大きく異なっています。 …
除葉をどこまでやるか?
2018年のドイツの夏は本当に暑く、雨の降らない日が続いています。このためブドウの生育は例年よりも遥かに早く進んでおり、ワイナリーにおける仕事もその分、前倒し、前倒しで進められています。しかし仕事の前倒しには常に時間と労力の確保が必須であるために、その時間や労力を確保できているワイナリーと、出来てないワイナリーとで現在行っている仕事の内容に差が出てきているのが現状です。 そんな中で現在筆者が日々、畑で行っているのが除葉の作業です。 今やる除葉の目的 以前にも除葉に関する記事は書いたため、除葉そのものに関す …
早すぎる程に早いブドウの発芽
2日ほど前、FB上のポストをみて驚きました。まだ3月も半ばだというのに、もうブドウの木に発芽が確認された、というのです。 これは発芽が大幅に早かった去年と比較してもさらに1ヶ月ちかくも早い発芽になります。1981年から2010年の長期観測による発芽時期の平均が4月末であることからみると実に1ヶ月半も早い発芽になります。今年の冬は非常に暖かかったのが原因なのは間違いありません。 早い発芽がもたらすもの さて、この発芽の時期というものはいろいろと大きな意味を持ちます。 ワイナリーは通常、長年の経験に基づいて一 …
ワイヤーヒーター、新しい霜害対策となるのか
ここ20年ほどで欧州においてブドウが遅霜による被害を受ける事例が増えてきています。ドイツで見てみれば、1997年、2003年、2011年、2017年と4度もの大被害を記録しているのです。 今年も4月に入ってフランスやドイツのあちこちで夜間の冷え込みが強くなることが予想され、霜の被害を受ける可能性が高くなったことから畑で火を焚いたり送風機を用意したりという事例が報告されています。 こういった被害の背景にあるのは冬の気温の上昇に伴うブドウの発芽の早期化です。 ブドウの発芽の早期化については「早すぎる程に早いブ …
ブドウの根に差はあるのか | 自根へのこだわり
Quelle: http://www.waxandgrafts.com/wax-and-grafting-process ワイン用ブドウの栽培家にはブドウの「根」に異様なまでのこだわりを見せる人が相当数いらっしゃいます。 彼らの見ているものは、「自根」のブドウです。 ワインの業界にいると相応の頻度で出会うのが、この「自根」を特別視する風潮です。誤解を恐れずに言えば、ワインを勉強している方であればあるほどこの風潮に流される傾向が強いようにも思えます。 では、この「自根」であることは本当に意味があるのでしょう …
ビオディナミ基礎講座|3つの質問から知るビオディナミ
ビオディナミもしくはバイオダイナミック(Biodynamic)という単語が近年、急速に市民権を持つようになりました。特にワインの関連では世界的に高い評価を得ている生産者がこの手法を取り入れているケースが多く、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 一方でビオディナミに関してはその特徴からか多くの偏った情報が存在しています。そうしたなかには正確性を欠くものもあります。そこで今回はビオディナミとはなんなのか、その基礎を3つの質問をもとに解説していきます。 ビオディナミとはワイン造りの方法の1つ? 試 …
ブドウとワインと気候変動 | 早い発芽のメリット・デメリット
今年はもうブドウの芽が開いた。 ここ最近、毎年のようにブドウが発芽したニュースを前年よりも早いタイミングで聞くようになりました。 2021年のドイツでは4月以降の気温が例年よりも低い状況が続いたためにブドウの萌芽が数年ぶりに長期平均よりも4日ほど遅くなりましたが、2019年は長期平均よりも9日早く、2020年に至っては16日も早い芽吹きが記録されています。 こうした早いシーズンの到来はドイツに限ったものではありません。 ブドウの芽が早く開く原因は多くの場合、気候変動の結果と説明されます。では、ブドウがより …
甘口ワインを造る3つの方法
ワインには多様な味わいがあります。辛口のワインが注目されることが多いですが、そうした中でも甘口ワインは昔から変わらない人気を誇るジャンルです。質のいい甘口ワインは口に含むと甘さやフルーティーな香りが広がり、酸とのバランスのなかで心地よい余韻を残します。それは辛口ワインで感じることのできるものとはまた違った多幸感をともなった感覚です。 甘口ワインを飲むのが好きな方は、その甘い味わいがどのようにして実現されるのか気になるのではないでしょうか。実は、甘口ワインを造る方法はいくつかあります。この記事では、甘口ワイ …
非サッカロミセス系酵母の基礎的理解:現代ワイン醸造における新たな選択肢
現代のワイン醸造において、技術の選択には絶えず変化が見られます。その中でも特に顕著な変遷を示すのが酵母の選択です。品評会での好成績や業界での推奨により、特定の酵母が注目を集め、次のヴィンテージではその採用が急速に拡大するという現象が繰り返されています。 醸造用酵母の選択肢は多岐にわたり、カタログに掲載されているすべての酵母を網羅的に検証することは現実的ではありません。さらに、野生酵母による自然発酵という選択肢も加わることで、使用される酵母株の多様性は年々拡大し続けています。このような状況において、造り手が …
ノンアルコールワインの造り方 | ワインがワインであるために
さて皆さんはワインが と呼ばれる場面に出会った経験はあるでしょうか? この呼び方が世界共通のものかどうかは残念ながらわかりません。しかし少なくとも筆者はドイツでワインの教育を受けている期間、何度かワインをこう表現する場面に出会いました。 発酵させたぶどうジュース。なんとも言い得て妙な呼び方です。 個人的にはとても好きな呼び方で、時々使ってもいました。しかし最近ではこの呼び方をすると、ワインではない、別の製品カテゴリーのことだと思われることが増えてきました。 “ノンアルコールワイン” です。 ノンアルコール …
ワイン造りと清澄 | デブルバージュの意味と方法
ワインの勉強を始めると普段の生活ではあまり耳慣れない言葉に出会うことがあります。その1つが「清澄」ではないでしょうか。 清澄という単語を辞書で調べてみると、「澄みきっていて清らかなこと。また、そのさま」(デジタル大辞泉より引用) と出てきます。ワイン造りの現場でこの言葉を使う時には主に、濁った状態の果汁やワインを何らかの方法で濁りのない状態、もしくは濁りの少ない状態にすることを意味しています。清澄剤とはこの清澄作業の際に補助剤として果汁もしくはワイン中に添加するもののことです。ちなみに濾過もこの清澄作業の …
スパークリングワインとベースワイン
夏の暑い日に暑気払いとして飲みたくなるのは白ワインの炭酸割りですが、食前酒としてなら断然、スパークリングワインです。 スパークリングワインとしておそらく世界で最も有名なのはシャンパンとも呼ばれるシャンパーニュですが、世界中には沢山のスパークリングワインが存在しています。 スパークリングワイン、つまり、炭酸ガスを含んだ発泡性のワインの1番の特徴はこの発泡性。冒頭の白ワインの炭酸割りは通常の白ワインを炭酸水で割ることで後付けで発泡性を持たせますが、スパークリングワインでは醸造方法、つま …
ワイン醸造の暗部?補糖は悪なのか | シャプタリザシオンをめぐって
日本酒における醸造用アルコールの添加、ワインにおける補糖。 これらは随分と敵視されていることが多いように感じます。行ってみれば醸造酒の暗部、アンタッチャブルな領域、という印象でしょうか。 おそらく日本酒にしてもワインにしても、本来は栽培や醸造の結果として得るはずの糖度やアルコールを外部から補填することに対して、その目的および理由の如何を問わず、なんらかの悪印象を受けている結果からきているのだろうと思います。 もしくは一部の国地域において高品質ワインを謳うカテゴリーで補糖が禁止されている点をもって、補糖する …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#1 | いいワインとはなにか
https://youtu.be/Tybv0uQkHAE 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#5 | 気候変動とワインの未来
https://youtu.be/zmiYlbO4pb4 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#37 | ワインの多様性を語ろう – そのワイン、本当に「ワイン」ですか?
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) X: https://x.com/hima_wineサイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) X: https://x.com/Gensyoサイト: Nagi wines Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#39 | 日本で自然派ワインを造れるか?醸造家と考えてみた。
ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第39回のテーマは日本で自然派ワインを造る方法についてです。 動画の概要 このYouTube動画は、ワインブロガーと醸造家が「日本で自然派ワインを造る難しさ」を深掘りする対談です。特に、日本の高温な気候がワインの品質と安定性に与える悪影響に焦点を当て、微生物の活動増加やワインのpH上昇といった課題が論じられています。彼らは、自然派ワインの明確 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#9 | 発酵
https://youtu.be/aFW2RzrAOW4 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#23 | 徹底解説 ワインと糖
https://www.youtube.com/watch?v=4Vh-uAzcqQE 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …




































