アルコールとワインの味や香りの感じ方の関係
ワインのテイスティングをするとき、皆さんはどの要素に最も注目しているでしょうか。多くの方が味わいよりもより香りに中心をおいたテイスティングをされているかもしれません。また造り手の方であれば、残糖量や酸量といったワインの構成要素そのものにより注目されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ところでワインのテイスティングで人気の方法の1つにブラインドテイスティングがあります。事前にワインの情報を開示されないままワインを味わってみて、そのワインの素性を探っていくやり方です。このテイスティングでは産地やヴィ …
テイスティングのキーポイント?ティピシテを考えてみる
ソムリエ試験をはじめ、ワイン関連資格を取る際にほぼ欠かすことが出来ないのがテイスティングではないでしょうか? 特にそのワインに関わる情報を開示されないまま目の前のグラスを利いてブドウの品種や産地、年代をはじめ味や香りに言及するブラインドテイスティングなどはその典型です。 ブラインドテイスティングを行う場合、みなさんはどうやってそのワインの品種や産地を特定していっているでしょうか? 過去に飲んだことがあり、記憶に鮮明に残っているワインがドンピシャで出題されればその経験に則って回答することもできるかもしれませ …
ワインのオフフレーバー | UTA / ATA
ワイナリーやワインショップで試飲して気に入った白ワイン。買って帰ってきたけれど、まだ飲み頃には少しだけ早い気がしてもうしばらく自宅のセラーで寝かせることにした。 その後半年経ったある日の食卓。 本当はもう少し寝かせておいた方がいいと分かっていながらもついつい我慢できずに取り出してきたのがこのワイン。まだ早いんだろうなぁ、と頭の片隅で考えながらもコルクを抜いて、さぁお楽しみの時間!と思ったらなんだか違う。 まるで何年も寝かせていたような、酸化したようなニュアンスがある。自分の保管方法が悪かったのだろうか?ち …
ワイン用ブドウの栽培 | クローンを知る
ワインの勉強をしていると「ブドウのクローン」という言葉に遭遇することがあります。 クローン。 最近ではワイン以外の分野で耳にする機会も増えてきた単語ですが、まだまだ一般に広く認識されているようなものではありません。しかもワインの分野では醸造面よりも栽培面での意味が大きく、テイスティングの場で注目されることはあまりありません。 クローンがなんなのか、何となくはわかっていても理解しきれていない場合も多いのではないかと思います。一方でこだわる人はこだわり抜くのがこのクローンでもあります。 この記事ではブドウのク …
スパークリングワインとベースワイン
夏の暑い日に暑気払いとして飲みたくなるのは白ワインの炭酸割りですが、食前酒としてなら断然、スパークリングワインです。 スパークリングワインとしておそらく世界で最も有名なのはシャンパンとも呼ばれるシャンパーニュですが、世界中には沢山のスパークリングワインが存在しています。 スパークリングワイン、つまり、炭酸ガスを含んだ発泡性のワインの1番の特徴はこの発泡性。冒頭の白ワインの炭酸割りは通常の白ワインを炭酸水で割ることで後付けで発泡性を持たせますが、スパークリングワインでは醸造方法、つま …
数字からみる南アフリカワイン | なぜ南アフリカワインは安くて美味しいか
南アフリカワイン。 安くて美味しいワインとして今や欠かすことのできない存在です。一時期は「安くて美味しい」といえばチリワインが代名詞でしたが、最近は南アフリカがこのカテゴリーの筆頭に挙げられることも増えてきたように思います。 南アフリカワインを語る時によく耳にする三拍子が次のようなものではないでしょうか。 フルーティーで果実味がしっかり感じられる 甘さもあるけれど酸味もしっかりしている コスパがいい さらにこれにセットで、ワイン用ブドウの栽培に適した気候、地球最古の土、低コストでプレミアムワインを造る最適 …
種蒔きの季節
例年よりも早めのぶどうの収穫が終わり、ケラーでタンクに入れられたジュースが順調に発酵を進めている今、ワイナリーでは休暇気分を味わっている場所も少なくありません。 しかしその一方で、すでに来年に向けた仕事もまた、始まっています。 ぶどう畑に緑を 以前、”ブドウ畑の緑化管理”という記事でぶどう畑における下草管理のことを書きました。 この時の記事でも触れたのですが、ぶどう畑における下草をコントロールすることにはいろいろな意味があります。それは、土壌中の栄養素の管理のみならず、単一植栽のモノトーンな畑における生物 …
ドイツはブドウ栽培の北限の地か…?
ワインの勉強を始めると、多くの方が”世界のワイン用ブドウは北緯30 – 50度、南緯30 – 40度の間で行われている”と習うのではないでしょうか? そしてそのままドイツワインを扱う章に入ったところで、”ドイツのブドウ栽培地は北緯47 – 52度の範囲内に位置し、これは世界のブドウ栽培地の中でも北限にあたる”と聞いたのではないでしょうか? 北に移動した、ブドウ栽培の北限 この情報は残念ながら、すでに時代遅れのものと言わざるを得ません。 世界的な気候変動と温暖化の影響を受けて、ブドウの栽培地は …
ワイナリーのリスクヘッジ | 植栽密度を考える
ブドウ栽培をしていくうえで、単位面積あたりに何本のブドウの樹が植えられているのか、という点は畑全体をデザインしていくうえで重要な情報になります。とはいっても畑の形状は千差万別。しかも周囲との状況によって植え付けられるはずの場所に植え付けられず、区画によって面積当たりの本数がまちまち、なんてことは往々にして起こります。 そこで複数の畑の間での比較をしやすくするために使われるのが、植栽密度という単位です。これは、実際の畑に植え付けた本数を面積1haあたりに換算して求められるもので、区画間のバラツキなどに影響さ …
山と川は必要か?ブドウ畑の立地条件
先日、当サイトの記事を読んでくださっている方から「ブドウ畑やワイン生産者における山や川の重要性」についてご質問をいただきました。せっかくですので今回はこのテーマについて筆者の個人的な見解に基づくものになってしまいますが、解説したいと思います。 この記事では といった疑問にインデックスという概念からお答えします。 山や川の役割とはなんなのか、ということをこの記事で理解していただき、ソムリエ試験のための勉強の補助としていただければ幸いです。 [circlecard] 前提条件!山や川は動かせない まず最初にご …
早すぎる程に早いブドウの発芽
2日ほど前、FB上のポストをみて驚きました。まだ3月も半ばだというのに、もうブドウの木に発芽が確認された、というのです。 これは発芽が大幅に早かった去年と比較してもさらに1ヶ月ちかくも早い発芽になります。1981年から2010年の長期観測による発芽時期の平均が4月末であることからみると実に1ヶ月半も早い発芽になります。今年の冬は非常に暖かかったのが原因なのは間違いありません。 早い発芽がもたらすもの さて、この発芽の時期というものはいろいろと大きな意味を持ちます。 ワイナリーは通常、長年の経験に基づいて一 …
ワインにとって土壌とはなんなのか、を考える
さて、突然ですがちょっとブラウザを立ち上げて、「ワイン 土壌」とでもキーワードを入力して検索をかけてみてください。おそらくあっという間に検索結果が画面に表示されていると思います。 それでは、そこに出てきたいくつかのサイトの記事を流し読みでいいので読んでみてください。どうでしょう、粘土質の土壌はボルドーの右岸で有名なのはシャトー・ペトリュス、石灰岩土壌はシャブリやブルゴーニュのPinot Noirが代表的で酸やミネラル感のあるエレガントなワインを生み出す、というようなことが書かれているのではないでしょうか? …
ロゼワインの味や香りと色の関係|ロゼの醸造を考える
ワインにはいくつかの分類方法がありますが、その中の1つが色を使った分類です。代表的なのは白ワイン、赤ワイン、そしてロゼワインの3種類。しかしこれ以外にも黄ワイン (ヴァン・ジョーヌ) や黒ワイン、さらには最近ではオレンジワインやアンバーワインの名前がよく聞かれるようになりました。また紫色や水色をした製品も販売されはじめています。黄ワインはジュラ、黒ワインはルーマニア、アンバーワインはジョージアで造られています。 ワインの色のバリエーションを支えているのはその造り方の違いです。使われているブドウの色は白か黒 …
ワインの香りの秘密
ワインの香り。それはワインを楽しむ上でとても重要な要素です。 ワインに含まれる香りの成分はとても多く、数百種類に及ぶとも言われています。そうした中からそれぞれの香りを拾い上げ、表現する行為はワインを楽しむ醍醐味の1つでしょう。 ワインの香りを探っていると、時として意外な香りに出会うことがあります。ブドウだけから造られているはずなのに、花や木、動物を思わせる香りがあるだけではなく、スパイス、バニラ、チョコレートなんてものも出てきます。 ワインの香りは使われているブドウの品種によっても違います。普段から飲みな …
ワインの味覚研究 | 苦いワインはなぜ苦い
ワインを飲んで「苦い」と感じたことはないでしょうか。日本酒を飲んで「苦い」と感じたことは? お酒を飲んでいると時々感じる苦味。どうして苦いのか考えたことはあるでしょうか。もし、より熟度の高いブドウから造ったワインの方が苦くなる可能性があるといわれたらどう思うでしょうか。 苦味という「味」には実は多くの種類があります。コーヒーを飲んで感じる「苦味」とビールを飲んで感じる「苦味」は同じ苦味という味覚ですが、その種類は違います。コーヒーの苦味はカフェインによって感じる苦味で、ビールの苦味は主にα酸の1種であるフ …
ワイン醸造の抽出を科学する|動的平衡が意味する抽出の限界と最適化
ワイン、なかでも赤ワインを造るときに重要になるのが抽出という作業です。色の濃さから熟成のポテンシャルまで、すべてに抽出が関わっています。 ワイン造りにおける抽出とは、果皮や種子からそこに含まれている成分を果汁やワインの中に持ってくることを指します。赤ワイン用の黒ブドウであっても、丁寧に皮をむいて果肉だけを絞ると透明な果汁が出てきます。これを発酵させても赤い色にはなりません。ワインを赤い色に仕上げるためには、果皮に含まれる色素であるアントシアニン (Anthocyanin) を抽出する必要があります。 ワイ …
ワインの熟成を左右する「フロール」酵母:産膜酵母がもたらすワインの個性
ワインの熟成は、その味わいを深める重要な要素です。一般的には酸化熟成によってワインは変化していきますが、醸造段階では、酸化とは異なる「生物学的熟成」という手法が用いられる場合もあります。生物学的熟成とは、産膜酵母と呼ばれる酵母を利用した熟成方法です。産膜酵母は樽やタンクで保管中のワインの液面に膜を形成し、独特の風味を生み出すことでワインに新たな表情を与えます。 スペインのシェリーやフランスのヴァンジョーヌなど、個性的な味わいを特徴とするワインでは、この産膜酵母を活用することによってその風味を獲得しています …
引き算で考えるワイン造り
ワイン造りは難しい。そう思ってはいないでしょうか。 確かにワイン造りを細かく見ていこうとすると、そこには微生物学の知識や化学の知識が必須です。ブドウの栽培からお話を始めると、ここにさらに植物生理学や土壌学、気象学、物理学など必要となる知識は増える一方。とてもワイン造りは簡単です、とはいいにくいのが実情です。 ただそんな細かい知識が求められるのは本職の人間だけ。ワイン造りの基礎を学ぶのであれば、このような知識は実は不要です。 むしろそんな面倒くさい話をされれば、人間、好きなものも嫌いになってしまうのが道理と …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#39 | 日本で自然派ワインを造れるか?醸造家と考えてみた。
ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第39回のテーマは日本で自然派ワインを造る方法についてです。 動画の概要 このYouTube動画は、ワインブロガーと醸造家が「日本で自然派ワインを造る難しさ」を深掘りする対談です。特に、日本の高温な気候がワインの品質と安定性に与える悪影響に焦点を当て、微生物の活動増加やワインのpH上昇といった課題が論じられています。彼らは、自然派ワインの明確 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#10 | SO2 (二酸化硫黄 / 酸化防止剤)
https://youtu.be/OMwS6tzC0zs 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#23 | 徹底解説 ワインと糖
https://www.youtube.com/watch?v=4Vh-uAzcqQE 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#34 | 乳酸菌
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) X: https://x.com/hima_wineサイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) X: https://x.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第34回のテーマは乳酸菌。 ワイン醸造にとって乳酸菌といえば、M …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#27 | ワイン醸造のすべて
https://www.youtube.com/watch?v=Jlv9JRVw9JQ 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#30 | なぜやるのか?なにが起こるのか?醸造家が徹底解説 MLF
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第30回のテー …




































