ワインの欠陥臭ブレットを生む酵母 | ブレタノマイセス
楽しみにしていたワインのボトルを開けて、グラスに注ぐ。そこから立ち上るかぐわしい香りを嗅ごうと鼻を近づけると、何かが違う。 こんな経験をお持ちの方は意外と多いと思います。 本来はしないはずの、特に不快に感じる臭いがするワインを欠陥臭 (オフフレーバー) を持つワインといいます。ワインのオフフレーバーにはいくつも種類がありますが、中でも有名なのものの1つがブレット (Brett) です。ブレットは馬小屋の臭い、馬の汗の臭い、動物的な臭い、などと表現される欠陥臭で、赤ワインで特に感じる機会が多いのが特徴です。 …
ドイツワイン トップ100 | 2020年版
少し古い話になりますが、昨年、2020年の11月末に Jamessuckling.com にて”TOP 100 WINES OF GERMANY 2020″ と題した記事が公表されました。 https://www.jamessuckling.com/wine-tasting-reports/top-100-wines-germany-2020 記事のタイトルは2020となっていますが、内容は2019年のワインのテイスティングを中心としたものです。 テイスティングノートは上記サイト内の有料部分に掲載されてい …
ワイン用ブドウの栽培 | クローンを知る
ワインの勉強をしていると「ブドウのクローン」という言葉に遭遇することがあります。 クローン。 最近ではワイン以外の分野で耳にする機会も増えてきた単語ですが、まだまだ一般に広く認識されているようなものではありません。しかもワインの分野では醸造面よりも栽培面での意味が大きく、テイスティングの場で注目されることはあまりありません。 クローンがなんなのか、何となくはわかっていても理解しきれていない場合も多いのではないかと思います。一方でこだわる人はこだわり抜くのがこのクローンでもあります。 この記事ではブドウのク …
ナチュラルワインは甘くないんじゃなかったんですか? 其の弐
今日は前回のこちらの記事の続きで、甘いナチュラルワインが存在しうる具体的な理由についてのお話をしたいと思います。前回の記事をまだご覧になっていない方はぜひそちらからご確認ください。 ナチュラルワインの定義に関する記事はこちら ⇒ ナチュラルワインは甘くないんじゃなかったんですか? 其の壱 甘いナチュラルワインは存在し得る 前回、ナチュラルワインに二酸化硫黄を使うことは禁止されていない、というお話をしました。Decanterが定義したナチュラルワインの定義には、さらに、ナチュラルワインが必ずしも辛口でなけれ …
アルコールとワインの味や香りの感じ方の関係
ワインのテイスティングをするとき、皆さんはどの要素に最も注目しているでしょうか。多くの方が味わいよりもより香りに中心をおいたテイスティングをされているかもしれません。また造り手の方であれば、残糖量や酸量といったワインの構成要素そのものにより注目されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ところでワインのテイスティングで人気の方法の1つにブラインドテイスティングがあります。事前にワインの情報を開示されないままワインを味わってみて、そのワインの素性を探っていくやり方です。このテイスティングでは産地やヴィ …
補糖したワインは太るのか? 補糖とカロリーの関係
先立って「ワイン醸造の暗部?補糖は悪なのか | シャプタリザシオンをめぐって」というワインの補糖に関する記事を公開したところ、 補糖の有無よりも補糖することによるワイン内の糖分の量が気になる、ぶっちゃけ、補糖したワインは太る気がする という旨のコメントを複数名の方からいただきました。 先日の記事でワインに補糖していることを告げるともれなくお客様からトーンダウンされることを嘆いてみせたのですが、補糖が原因で太るということならそれも納得です。 間接的とはいえ、このワイン太るよ、と言われて喜べる人はいないですよ …
除葉の季節
2018年のドイツは暑く、ブドウの生育が例年を遥かに超えて早く進んでいます。 その影響を受けて、ブドウ畑ではワイヤーがすでに一番上の位置まで上げられていますし、場所によってはすでにブドウの実の結実も確認され始めています。そんな状況を受けて、一部の畑では除葉作業が始められています。 除葉とはなにか? 除葉とは、文字通りにブドウの樹にある葉の一部を除去してしまう作業のことをいいます。以前はほぼ完全に人の手で行われていた作業ですが、最近は機械で行うことも多くなってきました。 植物にとって光合成を行う上でとても大 …
栽培技術 | ブドウ栽培における病気への対策 – 防除の方法
本格的な夏が近づき、日々気温が高くなるこの時期、ブドウはぐんぐんと成長していきます。 ブドウの成長が進むと畑では芽掻きやワイヤー上げ、副梢の除去などに加えて下草の刈り込みや土の鋤起こしなどやることが膨大になりますが、その中でもとても重要なのが病気への対策です。 病気への対策方法はいくつかありますが、今回はそのなかでも中心的な位置にある薬剤の散布について取り上げます。 病気の防除として薬剤を散布することをスプレーと呼びます。この記事でも以下、スプレーという単語を使って話を進めていきます。 なおスプレーの内容 …
ブドウの台木を知る基礎講座
OIV (International Organisation of Vine and Wine) という団体の発表している統計情報によれば、ワイン用ブドウだけではなく、生食用、ドライフルーツ用、ジュース用などすべての用途を含めた2022年時点における世界のブドウの植栽面積は730万ヘクタールだとされています。730万ヘクタールと言われてもピンときませんが、例えば北方四島を除いた北海道の面積がおよそ78400平方キロメートル、784万ヘクタールですので北海道本島よりもやや小さいくらいの面積でブドウが栽培さ …
ワインのオフフレーバー | UTA / ATA
ワイナリーやワインショップで試飲して気に入った白ワイン。買って帰ってきたけれど、まだ飲み頃には少しだけ早い気がしてもうしばらく自宅のセラーで寝かせることにした。 その後半年経ったある日の食卓。 本当はもう少し寝かせておいた方がいいと分かっていながらもついつい我慢できずに取り出してきたのがこのワイン。まだ早いんだろうなぁ、と頭の片隅で考えながらもコルクを抜いて、さぁお楽しみの時間!と思ったらなんだか違う。 まるで何年も寝かせていたような、酸化したようなニュアンスがある。自分の保管方法が悪かったのだろうか?ち …
土壌というもの
日本でワインの紹介する際に、ワインの個性の1つとしてどのような土壌の畑で栽培されたブドウから造られたワインなのかに言及されることが多いように感じます。こういった傾向はもちろん日本だけに限った話ではないのですが、それでも日本ではその傾向が強いように思えます。 またテイスティング・ノートを見ていても花崗岩が、とか、堆積岩が、という記述に続いて、だからワインの味が、香りが、という所見が語られているのを見かけます。事程左様に日本では土壌というものがワインを見ていく上で重要視されている印象が強いわけですが、この土壌 …
ドイツはブドウ栽培の北限の地か…?
ワインの勉強を始めると、多くの方が”世界のワイン用ブドウは北緯30 – 50度、南緯30 – 40度の間で行われている”と習うのではないでしょうか? そしてそのままドイツワインを扱う章に入ったところで、”ドイツのブドウ栽培地は北緯47 – 52度の範囲内に位置し、これは世界のブドウ栽培地の中でも北限にあたる”と聞いたのではないでしょうか? 北に移動した、ブドウ栽培の北限 この情報は残念ながら、すでに時代遅れのものと言わざるを得ません。 世界的な気候変動と温暖化の影響を受けて、ブドウの栽培地は …
ワインにフェノールとタンニンを増やす是非 | 延長マセラシオン
ワインを造る時に使われる醸造技術の1つにマセラシオン (Maceration, マセレーションとも) があります。日本では「醸し」とも呼ばれる技術で、果汁やワインにブドウの皮や種を数時間から数日、長ければ数か月にわたって漬け込んでおく手法を指しています。 「スキンコンタクト」や「果皮浸漬」と呼ばれる手法も基本的にはこのマセラシオンの別名です。 いろいろな呼ばれ方をするマセラシオンですが、その目的は大雑把にいえば「抽出」です。ブドウの皮や種子からその中に含まれているいろいろな成分を果汁やワインの中に引き出す …
ロゼをつくるということ
春が近づいてくると、花見の季節にはキレイな桜色のロゼを、という謳い文句とともにロゼが売りに出されている光景を目にすることが増えるイメージです。本当は美味しいのに、なんとなく中途半端なイメージがつきまとってしまうロゼを押し出していくには、こういった季節感や桜との印象をつなげたマーケティングが大事なのでしょう。 ロゼはどのブドウから造られるのか? さて、イメージに関することはさておいて、ロゼを作る際に使われる原料のブドウが黒ブドウか白ブドウか、またはその両方か、という問いにどう答えますか? ドイ …
醸造技術 | 低温マセレーションとはなんなのか
ワインの醸造技術の1つである、マセレーション。聞いたことがある人も多いのではないでしょうか? 一部では一般用語のようにも使われているこのマセレーション (Maceration) ですが、意外に正確な情報は少ないようです。 今回はこのマセレーションのバリエーションの1つである「低温マセレーション (コールドソーク/Cold Soak)」を軸にこの醸造技術について解説をしていきます。 マセレーションとはなんなのか? 一言で言ってしまえば、マセレーションとは果皮浸漬のことです。 [circlecard] 果皮浸 …
コンクリートはワイン造りを変えるのか
コンクリートの中で発酵、熟成させるワインに注目が戻ってきています。 コンクリートは現代人にとってとても馴染みのある建築材料です。どちらかといえば建築物の外壁などに使われているイメージの強いコンクリートですが、ワイン造りにおいてはタンク用の素材です。 コンクリートで作られたタンクはかつても使われていました。そのためコンクリートはワイン造りの現場にとって特に新しい存在というわけではありません。ただ、最初に訪れたコンクリートの波はその後に登場したステンレスタンクに置き換えられる形で姿を消していきました。それが今 …
もっと発酵を語ろう | 酸素は酵母に必要か
記事をお読みいただく前に この記事では説明の都合上、学術用語としての“発酵”と一般的なアルコール生成手段としての意味での“発酵”が同一文章内に特に断りなく混在して使用されています 何度か発酵についての記事を書いてきました。発酵とはぶどうジュースがワインになるために絶対に欠かすことのできない、とても重要な工程です。 発酵にはいくつか欠かすことのできない要素があります。そのもっとも代表的な存在が、酵母です。 一方で、ワインに対して酸素が大敵であることは周知の事実です。酸素 = 酸化というイ …
自然な?ワインの造り方
先だってこんなTwitter上にこんなPostをしました。 今週はこの2枚の写真に関係する内容で久しぶりにきちんとした醸造関連の記事を書く予定でいます仮題: 「自然?なワインの造り方」 pic.twitter.com/wNDzg58DQh— Nagi@ドイツでワイン醸造家 (@Gensyo) November 7, 2020 この記事を読んでくださっている皆さんは、この2枚の写真の違いがお分かりになるでしょうか? 今日はこの写真とそこに関わる「自然な?」ワインの造り方についてです。なお、この記事ではあくま …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#15 | ロゼワインの秘密
https://www.youtube.com/watch?v=9UvZKM8BR2g 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#12 | ワインの「熟成」の真実
https://youtu.be/qf4EbX5JysQ 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#21 | ブドウの樹齢とワインの品質
https://www.youtube.com/watch?v=E0wQKhRQPcA 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#36 | 日本でのワイン造り
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) X: https://x.com/hima_wineサイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) X: https://x.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第36回のテーマはrecap 2024。 2024年8月末に日本 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#37 | ワインの多様性を語ろう – そのワイン、本当に「ワイン」ですか?
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) X: https://x.com/hima_wineサイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) X: https://x.com/Gensyoサイト: Nagi wines Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#14 | スパークリングワインの真実
https://www.youtube.com/watch?v=vpIPCHWLtME 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …



































