ワインと酸 | ワインの有機酸を考える3つの視点
ワインには欠かすことのできない要素があります。 アルコール? お酒ですからアルコールは必須です。これがないとせっかくお酒を飲んでいるのに酔えません。 タンニン? 赤ワインには適度の渋みが欲しいですね。赤ワインの色味にも影響しています。フェノール、とまとめて表現する場合もあります。 甘味? デザートワインのように深い甘さを持つワインも絶品ですが、オフドライのほのかな甘みも飲みやすさを増してくれます。ちなみにワインの関係者はよくこの甘味を指して、残糖や残糖分と表現します。 こうした成分はもちろん大事です。そし …
ワインの評価方法
このBlogでも時々、ワインに関するランキングや評定結果についての記事を書いています。これらの記事は注目度が比較的高いようで、読んでくださっている方も多くなる傾向があります。 そんな関心の高いワインの評価に関するお話ですが、実際にその内容についてお話をしていると、結果はご存知でもその評価がどのような審査方法を経て付いたものなのかはご存知でない方が多いように感じます。しかし、実際の評価方法を知っておくことはその結果を見ていく上で実は重要です。 今回は先日発表された、Decanter誌の”Decanter W …
エチケットに見る正体不明の記載のあれこれ 其の壱
すでに以前、ロゼやそれに類するワインについて似たような記事も書きましたが、ドイツワインのエチケット上にはまだまだ、正体不明の表記を見かけることがあります。 Classic (クラシック)、Selection (セレクチオーンもしくはセレクション)、Feinherb (ファインヘルプ)、Mild (ミルドもしくはマイルド)、Erstes Gewächs (エアステス・ゲヴェックス)などがこれに当たります。場合によってはこれにCharta (カルタ)、Großes Gewächs (グローセス・ゲヴェックス) …
ワインのボトルは何で閉めるか
棚に並んでいるワインのボトルを見ていると、実に様々な種類の栓を使ってボトルが密閉されていることがわかります。コルク、合成コルク、スクリューキャップなどなど。最近は技術の発展に併せてシリコン系のものも出てきています。 どんなワインにどんな栓を使うのか。 そこにどんな意味があるのか。 もしくはどんなワインにはどの栓を使えばいいのか。 ワインを楽しむ側も、造る側もそんな疑問を持ったことがあるのではないでしょうか? ふと気になってデータを調べていたところ、少し古いですが2017年にドイツで使われていた栓の種類とそ …
ワイン用ブドウの栽培 | クローンを知る
ワインの勉強をしていると「ブドウのクローン」という言葉に遭遇することがあります。 クローン。 最近ではワイン以外の分野で耳にする機会も増えてきた単語ですが、まだまだ一般に広く認識されているようなものではありません。しかもワインの分野では醸造面よりも栽培面での意味が大きく、テイスティングの場で注目されることはあまりありません。 クローンがなんなのか、何となくはわかっていても理解しきれていない場合も多いのではないかと思います。一方でこだわる人はこだわり抜くのがこのクローンでもあります。 この記事ではブドウのク …
ナチュラルワインの定義とそこに見る意味
先日、フランスでナチュラルワイン、いわゆる自然派ワインとかナチュールと呼ばれている種類のワインが具体的にどういうものであるべきかの定義が公式に決まった、という報道がありました。 https://www.decanter.com/wine-news/natural-wine-receives-formal-recognition-vin-methode-nature-435358/?fbclid=IwAR0s7vQayGJrNC-fWgxTqV4NYCX7EY7Vcpk_RMdzLuTVOK8eGojS_R …
気温の上昇で被害が続出 | ブドウの日焼けとはなんなのか
夏の時期を迎え、畑ではブドウの樹が成長を続けています。 これをうけて今畑では伸びた副梢の除去や除葉、そして成長点の切り落としなどの作業が同時並行的に進められています。 そんななか、去る6月26日および6月30日の2日にわたってドイツでは最高気温が40℃に迫る、もしくはところによってこれを超える事態となりました。 もともと冷涼な土地といわれているドイツにおいて6月末のこの時期にこれほど気温が高くなるのは極めて異例なことです。加えてこれ以前から雨が少なく非常に乾燥した状況であったことも災いし、ブドウ畑では若い …
徹底解説 | フィロキセラ
Phylloxera (Viteus vitifoliae). Woodcut engraving from the book “Gartenbau-Lexikon (Encyclopedia of Horticulture)” by Th. Rümpler. Published by Paul Parey, Berlin (1882) 2019年3月5日、オーストラリアのヴィクトリア州ヤラ・ヴァレーのブドウ畑で新たにフィロキセラによる被害が発生した、というニュースが流れました。 フィロキセラといえばブド …
気温の上昇に直面するブドウ栽培|温暖化の本当の意味を知る
気候変動。地球の温暖化。そんな話題に触れる機会が増えました。最近ではあまりに日常化しすぎてかえって耳にする機会が減ってきたような印象を受けるほどです。しかしそうした日常の変化は確かに影響を大きくしてきています。 太古の昔、地球上に栄えていた恐竜が絶滅した原因は気温の大幅な変化であった可能性がある。そんな事例を引くまでもなく、気温の変化というものはその環境に存在するすべての動植物に影響を与えます。それはもちろん、ワイン用ブドウの栽培現場においても例外ではありません。 ワイン用のブドウは世界各地で栽培されてお …
次代のワイン大国?ポーランドの可能性
この記事は2018年5月21日に旧ブログサイトにて公開したものに一部加筆して転載しています 今日から少し前になるのですが、5月10日にOSNABRÜCKER ZEITUNGというメディア上で、『Polen könnte der größte Weinproduzent in Europa werden』(”ポーランドは欧州における最大のワイン生産国になり得る” 元記事はこちら )と題した記事が掲載されました。 その内容は最近のワインを取り巻く世界の環境を考えればある意味ではそれほど驚くべきことも …
除葉の時期とその効果 | 開花前の除葉がもたらす色への影響
ワイン用のブドウ栽培で重要な作業の1つに除葉があります。 除葉とは読んで字のごとく、ブドウの樹から葉を除去する作業のことです。 葉は植物が光合成をするための重要な器官。にも関わらずその葉を取り除いてしまうなんて、と思われるかもしれません。しかしこの作業はブドウの栽培をするうえで重要な意味を持っています。 除葉についてはいろいろな議論がされています。手で行った方がいいのか、機械でやってしまった方がいいのか。どれくらいの量の葉を除去するのが適切なのか。そして、いつやるべきなのか。 こうした議論のいくつかはすで …
目に見える違いは取り除くべき違い | 栽培の心構え
先日の「ワインは畑ごとに味が違う、は本当か?」と題した記事で、ワインの味はブドウの実一粒単位で味が違うところをたくさん重ね合わせることでその違いを平均化しながら表現したものですよ、と書きました。 こちらの記事をTwitterでシェアさせていただいたところ、拡散してくださる方も何人かいらっしゃり、結果多くの方に読んでいただくことが出来ました。拡散してくださった皆様、どうもありがとうございました。 もしまだ読んでないよー、という方はぜひ一度目を通してみてください。 ところで、前回の記事ではこの「違い」が具体的 …
ロゼワインの味や香りと色の関係|ロゼの醸造を考える
ワインにはいくつかの分類方法がありますが、その中の1つが色を使った分類です。代表的なのは白ワイン、赤ワイン、そしてロゼワインの3種類。しかしこれ以外にも黄ワイン (ヴァン・ジョーヌ) や黒ワイン、さらには最近ではオレンジワインやアンバーワインの名前がよく聞かれるようになりました。また紫色や水色をした製品も販売されはじめています。黄ワインはジュラ、黒ワインはルーマニア、アンバーワインはジョージアで造られています。 ワインの色のバリエーションを支えているのはその造り方の違いです。使われているブドウの色は白か黒 …
ワインと酵素|酵素でつくる低アルコールワイン
ワインに限らず、アルコール度数が高すぎるお酒というのものは飲みにくい場合が多くなります。世の中には蒸留酒のように極端にアルコール度数の高いお酒もありますが、ワインでいえば白ワインで12~13%、赤ワインでも14~15%くらいまでがワインらしく飲めるアルコール度数の上限ではないでしょうか。 一方で最近は低アルコール度数のワインへの注目がより大きくなりつつあります。ノンアルコールワインも世界中で販売され人気が出始めています。最近はワイナリーの製品リストにノンアルコールワインを見かける機会も増えてきました。ワイ …
ワインの味と酸の関係 | ワインを丸くする2つの方法
ワインにとって欠かすことのできない、とても大事な要素の1つが酸です。 国や地域、ブドウの品種を問わず、美味しいワインには必ずと言っていいほどそれなりの量の酸が含まれています。逆に酸がたりないワインではそれがどんなに有名な産地のワインであったとしても高い評価を得ることは難しくなります。ワインの味の中心は糖分と酸とアルコールのバランスで形作られているといえます。 またワイン含まれる酸の量はワインの熟成に対しても少なくない影響を与えます。このため、いいワインであればあるほどそこに含まれている酸の量が重要になるの …
ワインと樽と抽出物 | フェノールと樽香
「樽香」 日常生活では聞きなれない単語ですが、ワインをお好きな方にはとても馴染みのある言葉なのではないでしょうか。 「樽香 (たるこう)」とはワインから感じられる、樽に由来する香りを指しています。主にアルコール発酵が終わったワインを木の樽に保管し熟成させることで、本来は樽についていた香りがワインに移るのがワインから樽の香りがする理由です。 樽香は複数の香りの種類をまとめた表現方法です。一般的に樽香には次のような香りが含まれています。 ヴァニラ チョコレート ココナッツ・ミルク スパイス / クローブ アー …
Federweißer(フェーダーヴァイサー)ってなんだろう?
すでに一昨日、8月6日のことですが、ラインヘッセンでフェーダーヴァイサー用のブドウの収穫が始まった、というニュースが出ました。 ブドウの品種はソラリス。果汁糖度は90エクスレだったそうです。ちなみに90エクスレ、という表現は日本では馴染みが薄いかもしれませんが、おおよそで言えば20Brix強というくらいの糖度ですので、相当甘くなっていたことになります。 ソラリスという品種は早熟の品種として知られていますが、それでもこの時期にこれほど糖度が上がることは通常無いことです。 まだ8月上旬といっていいこの時期にブ …
ワインと伝統と容器の関係 | クヴェヴリやボックスボイテルの意味を考える
伝統的にワイン造りの現場で使われ続けている容器。冷静に考えてみるとなぜ使っているのか分からない、というケースもあるのではないでしょうか。 なぜクヴェヴリを使うのか。ボックスボイテルの何が普通のボトルと比較して優れているのか。こうした問いに即答できるでしょうか。 この問いはとても多角的なもので、一面からだけ判断することにどれほどの意味があるのかは疑問です。ですが、ワイン造りの現場でこうした容器を使うかどうかを判断するためには、少なくとも醸造の面からその意味を考えておくことには意味があります。 今回はこうした …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#21 | ブドウの樹齢とワインの品質
https://www.youtube.com/watch?v=E0wQKhRQPcA 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#15 | ロゼワインの秘密
https://www.youtube.com/watch?v=9UvZKM8BR2g 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#39 | 日本で自然派ワインを造れるか?醸造家と考えてみた。
ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第39回のテーマは日本で自然派ワインを造る方法についてです。 動画の概要 このYouTube動画は、ワインブロガーと醸造家が「日本で自然派ワインを造る難しさ」を深掘りする対談です。特に、日本の高温な気候がワインの品質と安定性に与える悪影響に焦点を当て、微生物の活動増加やワインのpH上昇といった課題が論じられています。彼らは、自然派ワインの明確 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#16 | 甘口ワイン Deep解説
https://www.youtube.com/watch?v=N6K5gBKPHHA 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#9 | 発酵
https://youtu.be/aFW2RzrAOW4 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#31 | ボジョレー・ヌーボーで有名な手法を醸造家が解説!マセラシオンカルボニックの真実
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第31回のテー …




































