持ち込みワインボトルの冷やし方とその温度
徐々に気温が暖かくなってきて、春を感じる過ごしやすい季節になってきました。花が開いて世界が明るくなり出すと、お酒を飲む機会も増えてくるもの。 お花見、BBQ、ホームパーティーやワイン会。手持ちのワインを持ち寄ってみんなで楽しく飲みたい、そんな気持ちも盛り上がってきます。 そうした楽しいイベントが仕事の後だったり、日中から外出する予定のある日の夕方以降だったりすると気になるのが、ワインの温度。持ち出すときにはきちんと冷えていたワインも、移動や業務時間中に適切に冷やすことができず温まってしまうことはよくありま …
ワインの欠陥臭ブレットを生む酵母 | ブレタノマイセス
楽しみにしていたワインのボトルを開けて、グラスに注ぐ。そこから立ち上るかぐわしい香りを嗅ごうと鼻を近づけると、何かが違う。 こんな経験をお持ちの方は意外と多いと思います。 本来はしないはずの、特に不快に感じる臭いがするワインを欠陥臭 (オフフレーバー) を持つワインといいます。ワインのオフフレーバーにはいくつも種類がありますが、中でも有名なのものの1つがブレット (Brett) です。ブレットは馬小屋の臭い、馬の汗の臭い、動物的な臭い、などと表現される欠陥臭で、赤ワインで特に感じる機会が多いのが特徴です。 …
数字からみる南アフリカワイン | なぜ南アフリカワインは安くて美味しいか
南アフリカワイン。 安くて美味しいワインとして今や欠かすことのできない存在です。一時期は「安くて美味しい」といえばチリワインが代名詞でしたが、最近は南アフリカがこのカテゴリーの筆頭に挙げられることも増えてきたように思います。 南アフリカワインを語る時によく耳にする三拍子が次のようなものではないでしょうか。 フルーティーで果実味がしっかり感じられる 甘さもあるけれど酸味もしっかりしている コスパがいい さらにこれにセットで、ワイン用ブドウの栽培に適した気候、地球最古の土、低コストでプレミアムワインを造る最適 …
補糖したワインは太るのか? 補糖とカロリーの関係
先立って「ワイン醸造の暗部?補糖は悪なのか | シャプタリザシオンをめぐって」というワインの補糖に関する記事を公開したところ、 補糖の有無よりも補糖することによるワイン内の糖分の量が気になる、ぶっちゃけ、補糖したワインは太る気がする という旨のコメントを複数名の方からいただきました。 先日の記事でワインに補糖していることを告げるともれなくお客様からトーンダウンされることを嘆いてみせたのですが、補糖が原因で太るということならそれも納得です。 間接的とはいえ、このワイン太るよ、と言われて喜べる人はいないですよ …
ワインは畑ごとに味が違う、は本当か?
ワインの味を話すときによく、「ワインは畑ごとに味が違う」ということを聞いたりしないでしょうか? これ、実はものすごく当然のことです。 というか、この言説に納得している人、誤魔化されています。いろいろと。 え、誤魔化されてる?なにに?? と思った方、ぜひこの記事を読み進めてください。きっとこれからは素直に「畑ごとの」ワインの味を見ることが出来なくなると思います。 何が違って何が同じなのか さて、造り手や売り手、その他のワイン関係者に誤魔化されないようになるためにはまず最初に一つの問いかけに答えてもらう必要が …
ナチュラルワインを買う理由
der deutsche Weinbauという雑誌にとても興味深い記事が掲載されたため、その内容を紹介したいと思います。 印象か、感覚か まずこの記事のタイトルは”Image vs. Sensorik”。敢えて少し意訳すると、”印象か、感覚か”となります。 この記事はとある調査結果について書かれたものでした。 その調査の内容は、 というものでした。なお、この調査における被験者はいわゆるワインの愛好家100名で、平均的なワイン消費者ではありませんでした。つまり、平均以上にワインに詳しく、かつワインの消費行動 …
増え続けるブドウ品種 | PIWIというカテゴリー
Foto: PIWI International (https://www.piwi-international.de/de/) Cabernet Blanc、Cabernet Jura、Muscaris、Souvignier gris。 これらの単語に聞き覚えはあるでしょうか? Cabernet~やMusca~、Souvi~という辺りからなんとなくワイン用のブドウ品種っぽいと思われた方も多いかもしれません。そうです、これらはすべてワイン用のブドウ品種の名前です。 現在はあまり聞くことはないとは思いますが …
土壌というもの
日本でワインの紹介する際に、ワインの個性の1つとしてどのような土壌の畑で栽培されたブドウから造られたワインなのかに言及されることが多いように感じます。こういった傾向はもちろん日本だけに限った話ではないのですが、それでも日本ではその傾向が強いように思えます。 またテイスティング・ノートを見ていても花崗岩が、とか、堆積岩が、という記述に続いて、だからワインの味が、香りが、という所見が語られているのを見かけます。事程左様に日本では土壌というものがワインを見ていく上で重要視されている印象が強いわけですが、この土壌 …
エコロジックのお値段 | 病気の防除価格について考える
最近は健康志向の現われなのか、エコロジックとも呼ばれる有機栽培が人気です。 この潮流はワインの世界にも届いており、有機栽培で育てられたブドウから造ったワインじゃないと取り扱わない、とするワインのインポーターさんは日本にも多数いらっしゃいます。またこのエコロジックに対する考え方がより強くなった、自然派とも呼ばれるナチュラルワインなどは昨今、耳にする機会が増えているのではないでしょうか? エコロジックもしくは有機栽培という考え方は元々は地球環境に対する負荷の低減を目的として行われているものであり、エコロジック …
大豆は大粒、ブドウは小粒
日本を代表する発酵食品である、味噌。味噌の製造過程においては、原料である大豆の体積に占める皮の比率が少ないことが好まれるそうですが、ワイン造りにおいてはこの真逆で一粒の体積あたりに占める果皮の比率が高い、小粒のものほど好まれます。これは、醸造面から言えば、フェノール化合物やアロマ成分の多くがブドウの果実の中でも特に果皮に多く含まれているためです。 ブドウの果皮に含まれる含有成分のいろいろ ブドウに含まれる各種成分はブドウの果肉もしくは果汁、果皮、種の3箇所に大別して分布しており、その分布の程度はブドウの品 …
ぶどう栽培と牛乳による病気予防 | ブドウ畑のウドンコ病対策
ブドウが罹る病気はいろいろありますが、その中でも世界中で発生しており、ブドウ栽培における三大疾病ともいえる病気があります。 です。 これらの病気はブドウの品質や収穫量に大きな影響を及ぼすやっかいな病気として知られています。そのため対策方法もいろいろ開発されており、従来型の薬剤による防除だけではなく、ブドウ品種の改良によっても進められています。 増え続けるブドウ品種 | PIWIというカテゴリー 栽培技術 | ブドウ栽培における病気への対策 – 防除の方法 三大疾病のうち灰色かび病だけは他の2つと少し毛色が …
ドイツはブドウ栽培の北限の地か…?
ワインの勉強を始めると、多くの方が”世界のワイン用ブドウは北緯30 – 50度、南緯30 – 40度の間で行われている”と習うのではないでしょうか? そしてそのままドイツワインを扱う章に入ったところで、”ドイツのブドウ栽培地は北緯47 – 52度の範囲内に位置し、これは世界のブドウ栽培地の中でも北限にあたる”と聞いたのではないでしょうか? 北に移動した、ブドウ栽培の北限 この情報は残念ながら、すでに時代遅れのものと言わざるを得ません。 世界的な気候変動と温暖化の影響を受けて、ブドウの栽培地は …
甘口ワインの造り方
年末年始が近づくにしたがって需要も増えてくるイメージがあるのが、甘口のワインです。 甘口のワインといってもその種類は様々。口に含んでほのかに甘さを感じるくらいのものから、貴腐ワインやアイスワインと呼ばれる極甘口のものまであります。またポートワインなどで知られる、フォーティファイドワイン (酒精強化ワイン)と呼ばれる変わり種のワインにも甘口のものが存在しています。 こうした特に甘いタイプのワインはデザートワインとも呼ばれています。 貴腐ワインやアイスワインはその希少性から比較的造り方も知られていますが、そう …
非サッカロミセス系酵母の基礎と応用:ワイン醸造における新たな可能性
ワイン醸造における微生物の役割は、その歴史とともに深く研究されてきました。アルコール発酵の主役として長らく注目されてきたSaccharomyces cerevisiae(サッカロミセス・セレビシエ)は、その安定した発酵能力と高いエタノール耐性により、現代のワイン醸造において不可欠な存在と位置づけられています。 https://nagiswine.com/yeast-01/ しかし近年、S. cerevisiae以外の酵母群、すなわち非サッカロミセス系酵母(Non-Saccharomyces yeasts) …
野生酵母の功罪
野生酵母、という言葉に聞き覚えがあるでしょうか? 日本ではこれを天然酵母とか家付き酵母、もしくは蔵付き酵母とも呼んでいるようですが、意味的には同じもののことを指しています。野生酵母の定義は、品質の管理された純粋培養酵母(培養酵母、乾燥酵母ともいいます)以外のすべての酵母のこと、と思っていただければ大まかなところで間違いありません。 培養酵母は”工業的”か? 少し話は離れるのですが、日本でこの手の酵母に関する話題を見ていると、この野生酵母のことを「天然酵母」と呼ぶことでいかにもこれが天然自然のものであり、逆 …
ドイツにおける赤ワインと白ワインの混合
Twitter上でPostした、ドイツ国内で赤ワインと白ワインを混ぜてロゼが造れるってお話は間違いですよ、というPostが意外に反応が多かったので、念のため一次情報と合わせて記載しておきます。 あぁ、分かったロゼではないケースの話か…ロゼとして売ってはいけないものはワインとしても”ロゼ”ではないので、これをロゼの製造方式として考えてはダメなやつですね誰が広めたのか知りませんが、完全に解説ミスだと思われます”ロゼ”は赤と白の混合は認められていませんご注意ください— Nagi@ドイツでワイン醸造家 (@G …
もっと発酵を語ろう | 酸素は酵母に必要か
記事をお読みいただく前に この記事では説明の都合上、学術用語としての“発酵”と一般的なアルコール生成手段としての意味での“発酵”が同一文章内に特に断りなく混在して使用されています 何度か発酵についての記事を書いてきました。発酵とはぶどうジュースがワインになるために絶対に欠かすことのできない、とても重要な工程です。 発酵にはいくつか欠かすことのできない要素があります。そのもっとも代表的な存在が、酵母です。 一方で、ワインに対して酸素が大敵であることは周知の事実です。酸素 = 酸化というイ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#32 | ワインに感じる「果実味」の真実。フルーティーってなんだ?
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第32回のテー …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#30 | なぜやるのか?なにが起こるのか?醸造家が徹底解説 MLF
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第30回のテー …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#36 | 日本でのワイン造り
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) X: https://x.com/hima_wineサイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) X: https://x.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第36回のテーマはrecap 2024。 2024年8月末に日本 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#18 | ワインの栓
https://www.youtube.com/watch?v=n3zMZ20Y9eI 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#15 | ロゼワインの秘密
https://www.youtube.com/watch?v=9UvZKM8BR2g 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#24 | 濁ったワインを考える。
https://www.youtube.com/watch?v=OTzEuC5E_YU 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …




































