US市場を見通す一つの手段 | TERRY THEISE’S GERMANY VINTAGE REPORT
ワインのマーケットは世界中に存在しています。 その数ある市場の中でも特に存在感が大きいのが英国で、世界中のワインメーカーがこの市場における自身のワインの評価に注目しています。 この一方で、特にドイツワインにとって無視できない市場がアメリカ市場です。ドイツワインの輸出に関する統計を見ると、米国市場は2位以下に金額ベースで倍以上の差をつけての断トツのトップです。 現にアメリカ向けの出荷が多い小規模のワイナリーではその生産のほとんどをこの市場向けが占めており、造ると同時に売り切ってしまう、などという例も決して少 …
熟成香か欠陥臭か アセトアルデヒドを知る | 醸造と熟成がもたらす香りの要素
アセトアルデヒド、という言葉を聞いたことはあるでしょうか。エタナール (ethanal) とも呼ばれる物質です。 アルコール (エタノール: ethanol) の最初の代謝物で、お酒を飲むと体内でアルコールが分解されていく過程で生成されてもいます。 二日酔いを避けるために。アルコールの分解を知ろう! https://nagiswine.com/alcohol-01/ 体内でエタノールがアセトアルデヒドに分解される際にはアルコール脱水素酵素 (ADH) と呼ばれる酵素が働きます。この一方で、アセトアルデヒド …
ワインのオフフレーバー | UTA / ATA
ワイナリーやワインショップで試飲して気に入った白ワイン。買って帰ってきたけれど、まだ飲み頃には少しだけ早い気がしてもうしばらく自宅のセラーで寝かせることにした。 その後半年経ったある日の食卓。 本当はもう少し寝かせておいた方がいいと分かっていながらもついつい我慢できずに取り出してきたのがこのワイン。まだ早いんだろうなぁ、と頭の片隅で考えながらもコルクを抜いて、さぁお楽しみの時間!と思ったらなんだか違う。 まるで何年も寝かせていたような、酸化したようなニュアンスがある。自分の保管方法が悪かったのだろうか?ち …
アイスワインを造るというギャンブル。果たして気温は下がるのか
異様なまでに暑く、乾燥した夏を経験した2018年のドイツ。そんな気候から一転して湿度の高い冬に、多くのワインメーカーが頭を抱えています。 最近は世界的にも辛口のワインが存在感を増してきているとは言っても、外から見たらまだまだ甘口ワインの印象が強く残るドイツのワイン。そんなドイツの甘口ワインの中でも毎年その生産の可能性が話題になるのが、アイスワイン(Eiswein)です。 アイスワインは凍らせるものではなく、凍ったもの そもそもこのアイスワインというワイン、”アイス”という名前が付いているがために凍らせるワ …
徹底解説 | スパークリングワインの造り方
シャンパンに代表されるスパークリングワイン。パーティーなど華やかなシーンでは欠かせない存在です。 この炭酸ガスを含んだ発泡性のワイン、一体どうやって造っているのか疑問に思ったことはないでしょうか? 造り方の説明はよく見かけますが、具体的な工程の流れをおさえて解説している日本語の記事は意外に少ないようです。具体的な造り方を知っているとそれぞれの方法で造られたスパークリングワインの持つ特徴も分かりやすくなります。 そこでこの記事ではそれぞれの製造手法の工程をおさえつつ、そこから生まれる特徴や違いを解説していき …
存在感増すSauvignon Blanc
2018年2月に行われたMUNDUS VINIの春の国際ワインコンクールには世界44カ国から6,770のワインが出品され、大賞33品、金賞1,102品、銀賞1,575品の合計2,702品がメダルを獲得しました。このうち290品がドイツからの出品であり、大賞が3品、金賞が105品、銀賞が182品という結果となりました。 ちなみに、メダル獲得数はイタリアの640品が最多であり、これにスペイン(590品)、ポルトガル(321品)が続きました。ドイツはポルトガルに次ぐ4位で、フランスは267品の5位でした。 ドイ …
ワイナリーのリスクヘッジ | 植栽密度を考える
ブドウ栽培をしていくうえで、単位面積あたりに何本のブドウの樹が植えられているのか、という点は畑全体をデザインしていくうえで重要な情報になります。とはいっても畑の形状は千差万別。しかも周囲との状況によって植え付けられるはずの場所に植え付けられず、区画によって面積当たりの本数がまちまち、なんてことは往々にして起こります。 そこで複数の畑の間での比較をしやすくするために使われるのが、植栽密度という単位です。これは、実際の畑に植え付けた本数を面積1haあたりに換算して求められるもので、区画間のバラツキなどに影響さ …
ブドウの開花と栽培面における意味
ブドウ畑における収穫量を決める重要なポイントは選定である、とよくいわれます。確かに剪定は重要です。ブドウの果実は枝になります。しかも1本の枝につく実の数は大体、決まっています。つまり、枝の数が予めわかっていれば、1本の樹から収穫できるブドウの量はおおよそ決まります。その年に1本の樹から何本の枝を伸ばすのかを決めるのが剪定という作業ですので、剪定がその年の収穫量の大枠を決める、というお話には納得です。 一方で、いくら剪定を通してその年の収穫量の大枠を決めていたとしても、そのまま素直に予定通りにさせない存在が …
ブドウとワインと気候変動 | 早い発芽のメリット・デメリット
今年はもうブドウの芽が開いた。 ここ最近、毎年のようにブドウが発芽したニュースを前年よりも早いタイミングで聞くようになりました。 2021年のドイツでは4月以降の気温が例年よりも低い状況が続いたためにブドウの萌芽が数年ぶりに長期平均よりも4日ほど遅くなりましたが、2019年は長期平均よりも9日早く、2020年に至っては16日も早い芽吹きが記録されています。 こうした早いシーズンの到来はドイツに限ったものではありません。 ブドウの芽が早く開く原因は多くの場合、気候変動の結果と説明されます。では、ブドウがより …
ブドウの収量制限とはなんなのか | 考え方、方法、そして注意点
ブドウに限らず果樹や野菜の栽培をしていると、ほぼ必ず出くわす言葉があります。 収量制限 この言葉に聞き覚えはないでしょうか?ブドウの場合においては特にグリーンハーベスト(green harvest)、などと言われたりもします。今回はこの収量制限というものについて解説をしていきます。 収量制限という取り組みは品質の向上を含めた多岐にわたる要素と非常に密接に関連しています。このため、意味をとり間違えてしまっている例も意外に多く見受けられます。 この記事では収量制限というものを少し厳密に規定し、その他の要素と区 …
成長点をいつ落とすか
ドイツ各地では南部地域を中心に相変わらず雹の被害が報告させており、悲惨としか言いようのない被害を受けた畑の写真なども目にします。特に枝が十分に長くなり、それにあわせてワイヤーを上げ、枝の整理も始めていたらしい畑でそのような被害があった写真をみると、本当に心が痛みます。 このような被害が出ている一方で、雹の被害を受けていない地域では順調すぎるほど順調にブドウは成長を続けており、枝の長さは2メートルをゆうに超えるほどになっています。 そうなると、ブドウ栽培者はいつ枝の先端を切り、高さを揃えるのかの判断をする必 …
ドイツはブドウ栽培の北限の地か…?
ワインの勉強を始めると、多くの方が”世界のワイン用ブドウは北緯30 – 50度、南緯30 – 40度の間で行われている”と習うのではないでしょうか? そしてそのままドイツワインを扱う章に入ったところで、”ドイツのブドウ栽培地は北緯47 – 52度の範囲内に位置し、これは世界のブドウ栽培地の中でも北限にあたる”と聞いたのではないでしょうか? 北に移動した、ブドウ栽培の北限 この情報は残念ながら、すでに時代遅れのものと言わざるを得ません。 世界的な気候変動と温暖化の影響を受けて、ブドウの栽培地は …
甘口ワインを造る3つの方法
ワインには多様な味わいがあります。辛口のワインが注目されることが多いですが、そうした中でも甘口ワインは昔から変わらない人気を誇るジャンルです。質のいい甘口ワインは口に含むと甘さやフルーティーな香りが広がり、酸とのバランスのなかで心地よい余韻を残します。それは辛口ワインで感じることのできるものとはまた違った多幸感をともなった感覚です。 甘口ワインを飲むのが好きな方は、その甘い味わいがどのようにして実現されるのか気になるのではないでしょうか。実は、甘口ワインを造る方法はいくつかあります。この記事では、甘口ワイ …
ワインの添加剤と補助剤
醸造に関わらない方にとってはあまり身近な話ではありませんが、ワイン造りの過程において果汁中、もしくは発酵が終わった後のワインに入れられるものは次の2つに大別されます。 傍から見る分にはどちらも果汁中、もしくは発酵後のワインに「添加」されるものであるため大した違いはないように思われるかもしれません。しかしこの両者の間には非常に大きな違いがあります。 添加剤と補助剤の違い 添加剤と補助剤、一体何が違うのでしょうか。 この両者の違いは最終的なボトルの中に「残る」か「残らない」かの違いです。最終的にボトル内に何ら …
ロゼ?ワインのいろいろ、知っていますか? 其の壱
醸造的な意味から厳密なお話しをすると、ロゼはロゼであっていろいろは基本的にないのですが、それでも2つ、3つはヴァリエーションが存在していますし、さらには醸造的な条件を知らなければロゼとなんの違いもない、むしろ、飲む側のイメージとして持っているロゼに合致しているように感じるものなんてものもあります。この辺り、ドイツの厳密さというか、細かさを感じなくも無いところです。飲む側からすれば、美味しいと感じるかどうかが全てなので、この細かさに意味があるのかはちょっと疑問、という印象も無きにしもあらず、なんですが。 今 …
ワインの味覚研究 | 苦いワインはなぜ苦い
ワインを飲んで「苦い」と感じたことはないでしょうか。日本酒を飲んで「苦い」と感じたことは? お酒を飲んでいると時々感じる苦味。どうして苦いのか考えたことはあるでしょうか。もし、より熟度の高いブドウから造ったワインの方が苦くなる可能性があるといわれたらどう思うでしょうか。 苦味という「味」には実は多くの種類があります。コーヒーを飲んで感じる「苦味」とビールを飲んで感じる「苦味」は同じ苦味という味覚ですが、その種類は違います。コーヒーの苦味はカフェインによって感じる苦味で、ビールの苦味は主にα酸の1種であるフ …
ロゼ?ワインのいろいろ、知っていますか? 其の弐
前回、ロゼであってロゼでない、ドイツのこだわりの名称としてRotling (ロートリン) をご紹介しました。今回はロゼであるのにロゼでないように扱われるヴァイスヘルプストとブラン・ド・ノワールをご紹介したいと思います。 ロートリングに関する記事はこちら ヴァイスヘルプストとブラン・ド・ノワール 次にご紹介するのがWeißherbst (ヴァイスヘルプスト) とBlanc de Noir (ブラン・ド・ノワール) です。これらはRotlingとは違い、今度はロゼのヴァリエーションの名前となります。 ヴァイス …
ワイン醸造の暗部?補糖は悪なのか | シャプタリザシオンをめぐって
日本酒における醸造用アルコールの添加、ワインにおける補糖。 これらは随分と敵視されていることが多いように感じます。行ってみれば醸造酒の暗部、アンタッチャブルな領域、という印象でしょうか。 おそらく日本酒にしてもワインにしても、本来は栽培や醸造の結果として得るはずの糖度やアルコールを外部から補填することに対して、その目的および理由の如何を問わず、なんらかの悪印象を受けている結果からきているのだろうと思います。 もしくは一部の国地域において高品質ワインを謳うカテゴリーで補糖が禁止されている点をもって、補糖する …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#35 | ワインと温度
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) X: https://x.com/hima_wineサイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) X: https://x.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第35回のテーマはワインと温度。 ワイン造りの現場ではブドウを収 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#37 | ワインの多様性を語ろう – そのワイン、本当に「ワイン」ですか?
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) X: https://x.com/hima_wineサイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) X: https://x.com/Gensyoサイト: Nagi wines Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#16 | 甘口ワイン Deep解説
https://www.youtube.com/watch?v=N6K5gBKPHHA 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#33 | ワインとアルコールの意外な関係。アルコールの影響の範囲を考える。
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第33回のテー …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#3 | ワインと栽培
https://youtu.be/S_zzTaGs4B4 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#22 | ワインの畑 徹底解説
https://www.youtube.com/watch?v=O9hVTlhyZDc 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …




































