ワインとアレルギー
ワインには意外と多くのアレルゲンが含まれている可能性があることをご存知でしょうか。 頭痛の原因となる可能性のあるアセトアルデヒドや生体アミンはワインの種類やその醸造方法を問わず、どのようなワインにでも含まれている可能性があります。一方で、一部の条件に当てはまるワインにのみ含まれる可能性があるのが、カゼインや卵白です。 ワインといえばブドウだけから造られているので、アルコール以外にアレルギーの心配はないと思われがちです。 ところが事実はこのような認識からは少し離れたところにあります。この記事ではまだ一般的に …
酸化防止剤が頭痛の原因というのは本当か | ワインあるある
最近は耳にすることが幾分か減ってきている気もしますが、ワインに含まれる酸化防止剤、つまり亜硫酸や亜硫酸塩と呼ばれる添加物がワインを飲んだ際に生じる頭痛の原因だとする言説があります。 まことしやかに囁かれ未だに信じている人も多いであろうこの説ですが、本当に正しいのでしょうか? 今回はワインを飲む際に生じる頭痛の原因についてまとめるのと併せて、それらと酸化防止剤との関係についてまとめます。 そもそも酸化防止剤とはなんなのか まずはおさらいです。 ワインに添加される酸化防止剤とは一般的には二酸化硫黄と呼ばれる化 …
グリューワインの知られざるあれこれ
前回はグリューワインの歴史や作り方を見てきました。 ほっとするような温かさと、ちょっとピリッとするスパイスの風味を感じつつもほのかな甘さで思わず一息ついているとふと疑問に思うことがいくつかあります。グリューワインのアルコール度数ってどれくらいなのか、いつ飲むものなのか、そもそもグリューワインってワインなのか?今回はこんな疑問の数々に焦点を当てていきたいと思います。 グリューワインは”ワイン”なのか? グリューワインはワインをベースにしてはいますが、複数の香辛料や砂糖、もくしはハチミツによって味を整えられた …
アルコールとワインの味や香りの感じ方の関係
ワインのテイスティングをするとき、皆さんはどの要素に最も注目しているでしょうか。多くの方が味わいよりもより香りに中心をおいたテイスティングをされているかもしれません。また造り手の方であれば、残糖量や酸量といったワインの構成要素そのものにより注目されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ところでワインのテイスティングで人気の方法の1つにブラインドテイスティングがあります。事前にワインの情報を開示されないままワインを味わってみて、そのワインの素性を探っていくやり方です。このテイスティングでは産地やヴィ …
スパークリングワインとベースワイン
夏の暑い日に暑気払いとして飲みたくなるのは白ワインの炭酸割りですが、食前酒としてなら断然、スパークリングワインです。 スパークリングワインとしておそらく世界で最も有名なのはシャンパンとも呼ばれるシャンパーニュですが、世界中には沢山のスパークリングワインが存在しています。 スパークリングワイン、つまり、炭酸ガスを含んだ発泡性のワインの1番の特徴はこの発泡性。冒頭の白ワインの炭酸割りは通常の白ワインを炭酸水で割ることで後付けで発泡性を持たせますが、スパークリングワインでは醸造方法、つま …
ワインと土壌とテロワール | 粘板岩の色とワインの個性
ワインの持つ個性を説明する時、よくテロワールと関連付けて話をされます。 そうしたテロワールを構成する要素の1つが、土壌です。 土壌にはいくつもの種類があります。 粘土や石灰岩と並んで土壌の一角を占めているのが、シーファー (Schiefer) です。日本語では粘板岩、英語ではスレート (slate) やシスト (schist) と呼ばれます。 シーファーの土壌はドイツに多く、ワイナリーではシーファーの種類ごとにワインを分けて仕込んでいる場合も多く見られます。そう、シーファーには種類があります。 シーファー …
ブドウ畑が直面している見落とされた危機|フィロキセラ禍の再来を防止する取り組み
気候変動やそれに伴う温暖化は、ワイン造りにかつてないほど大きな影響を及ぼしています。短く温かい冬はブドウの萌芽時期を早め、遅霜や雹による被害は拡大し続けています。降雨時期と降雨量の変化はブドウの病気を広げる一方で灌漑を必須のものとし、暑すぎる夏は日焼けや着色不良を引き起こしています。糖度が上がっていく中で、下がらない夜温が酸量を低下させ、果汁のpHは上がり続けています。 気候変動、もしくは地球温暖化という話のなかで耳にする多くは、ワインの品質の変化に関する内容です。しかし実際には、そうした地球規模の変化は …
除葉の時期とその効果 | 開花前の除葉がもたらす色への影響
ワイン用のブドウ栽培で重要な作業の1つに除葉があります。 除葉とは読んで字のごとく、ブドウの樹から葉を除去する作業のことです。 葉は植物が光合成をするための重要な器官。にも関わらずその葉を取り除いてしまうなんて、と思われるかもしれません。しかしこの作業はブドウの栽培をするうえで重要な意味を持っています。 除葉についてはいろいろな議論がされています。手で行った方がいいのか、機械でやってしまった方がいいのか。どれくらいの量の葉を除去するのが適切なのか。そして、いつやるべきなのか。 こうした議論のいくつかはすで …
ぶどう畑の苦難
すでに何度もこのBlogでも書いてきましたが、今年のドイツは本当に暑く、まだ5月だというのに日中の気温が30度を上回る日が続いています。場所によっては洪水が起きるくらいに大雨が降っている一方で、ラインガウ近辺では雨が極端に少ないわりに湿度が高い、雨が降りそうで降らない毎日です。 こんななか、ぶどうは順調すぎるほど順調に成長しています。順調、というと聞こえは良いのですが、実際には速すぎる、というのが実感でもあります。ぶどうの高さはすでに2mを超えるほどになり、ワイヤーは柱の一番高い位置に設定する必要が出てき …
バイオスティミュラント | なぜ効くのかを説明しなくてよい資材
ブドウ栽培に限らず、農業や園芸の資材棚でバイオスティミュラント(Biostimulant)という言葉を見かける機会が増えました。学術文献では生体刺激剤と訳される資材です。売り場に並ぶ説明は、植物を元気にする、活性化させる、といった書き方が多いです。栄養を与えたいときには肥料があり、病気を防ぎたいときには農薬があります。肥料と農薬の間に置かれたこの資材が何をするものなのかは、その文言からは読み取れません。 読み取れないのは書き方が悪いからではありません。制度がそこを説明させていないためです。バイオスティミュ …
山と川は必要か?ブドウ畑の立地条件
先日、当サイトの記事を読んでくださっている方から「ブドウ畑やワイン生産者における山や川の重要性」についてご質問をいただきました。せっかくですので今回はこのテーマについて筆者の個人的な見解に基づくものになってしまいますが、解説したいと思います。 この記事では といった疑問にインデックスという概念からお答えします。 山や川の役割とはなんなのか、ということをこの記事で理解していただき、ソムリエ試験のための勉強の補助としていただければ幸いです。 [circlecard] 前提条件!山や川は動かせない まず最初にご …
ワイン用ブドウの三大疾病 | べと病の原因と対策
雨の多い年にブドウの栽培農家が特に警戒する病気があります。ベト病です。 ワイン用ブドウに関わらず植物の栽培をしていると避けることが出来ないのが、病気との戦いです。ブドウ畑ではいろいろな病気と出会いますが、その中でも代表的なものがベト病、ウドンコ病、そして灰色カビ病です。 どの病気も特別な病気というわけではありません。毎年とまでは言わないまでも、数年おきには被害が出ている、インフルエンザのような、よくある病気です。 しかし症状が悪化した時の被害は甚大です。年によっては収穫が全く得られなくなってしまうことさえ …
ブリティッシュ・スパークリングワイン | ブドウ栽培北限の国の戦略
ワインの勉強をしているとほぼ確実に耳にするであろう、”ワイン用ブドウ栽培の北限”と呼ばれる地域が最近、従来北限と言われていた国よりもさらに北にシフトしつつあることを以前の記事で書きました。これは主に世界中に影響を及ぼしている気候変動に伴う温暖化が原因となっており、最近における新たな北限はイギリスであったりスウェーデンであったりしています。 一方でこれら、新たなワイン用ブドウ栽培における北限の国々におけるブドウの栽培は楽なものではありません。ブドウを栽培できることと、ワインとして満足できる品質を確保できるこ …
ワインの発酵期間
誰もがそんな事は知ってるよ、とおっしゃるかもしれませんが、ワインはブドウの果汁を発酵させて造られています。 発酵という工程は醸造酒と呼ばれるアルコール飲料にとって欠かすことのできない、もっとも重要なものです。逆にいえば、原料になるブドウを発酵さえさせられれば他には何もなくてもワインは出来上がります。 発酵について語ろう https://nagiswine.com/fermentation-01/ そんなワイン造りの中心部分を担う発酵ですが、今日摘んできたブドウが明日には発酵を終えてワインになるわけではあり …
アスコルビン酸の添加がワインに及ぼす影響
先日公開した記事「ワインのオフフレーバー | UTA / ATA」で、まだ若いはずの白ワインで熟成したようなニュアンスを感じたらそれはUTAと呼ばれるオフフレーバーの1つかもしれない、というお話をしました。 またこの際に、UTAを回避するための対策の1つとしてアスコルビン酸を添加する手法を紹介しています。 今回はここに関連して、アスコルビン酸のワインへの添加が及ぼす影響について見ていきます。 なぜアスコルビン酸の添加なのか そもそも、なぜUTAの予防にアスコルビン酸の添加が有効なのでしょうか。 アスコルビ …
何が違うのフィルターシート
画像引用: https://www.thomasnet.com/profile/10013647/ertelalsop.html 最近はノンフィルターのワインが話題になることが多くなっていますが、それでもやはり世界中で造られているワインのほとんどはフィルターを使ってろ過をしたワインです。 ワインのろ過に使うフィルターはいくつかありますが、そのなかでもダントツの複雑さをほこり、時として造り手さえをも混乱させるフィルターがあります。それが、シート型フィルターです。 シート型フィルター自体はコーヒーに使うペーパ …
ワイン醸造の抽出を科学する|動的平衡が意味する抽出の限界と最適化
ワイン、なかでも赤ワインを造るときに重要になるのが抽出という作業です。色の濃さから熟成のポテンシャルまで、すべてに抽出が関わっています。 ワイン造りにおける抽出とは、果皮や種子からそこに含まれている成分を果汁やワインの中に持ってくることを指します。赤ワイン用の黒ブドウであっても、丁寧に皮をむいて果肉だけを絞ると透明な果汁が出てきます。これを発酵させても赤い色にはなりません。ワインを赤い色に仕上げるためには、果皮に含まれる色素であるアントシアニン (Anthocyanin) を抽出する必要があります。 ワイ …
ワインの味覚研究 | 苦いワインはなぜ苦い
ワインを飲んで「苦い」と感じたことはないでしょうか。日本酒を飲んで「苦い」と感じたことは? お酒を飲んでいると時々感じる苦味。どうして苦いのか考えたことはあるでしょうか。もし、より熟度の高いブドウから造ったワインの方が苦くなる可能性があるといわれたらどう思うでしょうか。 苦味という「味」には実は多くの種類があります。コーヒーを飲んで感じる「苦味」とビールを飲んで感じる「苦味」は同じ苦味という味覚ですが、その種類は違います。コーヒーの苦味はカフェインによって感じる苦味で、ビールの苦味は主にα酸の1種であるフ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#27 | ワイン醸造のすべて
https://www.youtube.com/watch?v=Jlv9JRVw9JQ 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#2 | ワインと土壌
https://youtu.be/TR6KBoMKLv8 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#10 | SO2 (二酸化硫黄 / 酸化防止剤)
https://youtu.be/OMwS6tzC0zs 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#39 | 日本で自然派ワインを造れるか?醸造家と考えてみた。
ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第39回のテーマは日本で自然派ワインを造る方法についてです。 動画の概要 このYouTube動画は、ワインブロガーと醸造家が「日本で自然派ワインを造る難しさ」を深掘りする対談です。特に、日本の高温な気候がワインの品質と安定性に与える悪影響に焦点を当て、微生物の活動増加やワインのpH上昇といった課題が論じられています。彼らは、自然派ワインの明確 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#1 | いいワインとはなにか
https://youtu.be/Tybv0uQkHAE 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#3 | ワインと栽培
https://youtu.be/S_zzTaGs4B4 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …


































