ろ過していれば大丈夫? | 清澄剤の残留とヴィーガンワイン
ワインといえばブドウから造られているので、菜食主義の方であっても安心して飲めるもの。 この考え方は必ずしも正しくはないことをご存じの方は多いと思います。 なぜ正しくないのか。 ワインの原料はブドウであっても、ワインを造る工程の中で動物性由来の材料を利用している可能性があるからです。動物由来の材料の多くは”清澄剤”と呼ばれる種類のものに使われており、その代表例が卵白であり、カゼインです。 こうした材料はヴィーガンにとっての問題としてだけではなく、より深刻なアレルギー物質としてたびたび取り沙汰されています。 …
ブリティッシュ・スパークリングワイン | ブドウ栽培北限の国の戦略
ワインの勉強をしているとほぼ確実に耳にするであろう、”ワイン用ブドウ栽培の北限”と呼ばれる地域が最近、従来北限と言われていた国よりもさらに北にシフトしつつあることを以前の記事で書きました。これは主に世界中に影響を及ぼしている気候変動に伴う温暖化が原因となっており、最近における新たな北限はイギリスであったりスウェーデンであったりしています。 一方でこれら、新たなワイン用ブドウ栽培における北限の国々におけるブドウの栽培は楽なものではありません。ブドウを栽培できることと、ワインとして満足できる品質を確保できるこ …
数字からみる南アフリカワイン | なぜ南アフリカワインは安くて美味しいか
南アフリカワイン。 安くて美味しいワインとして今や欠かすことのできない存在です。一時期は「安くて美味しい」といえばチリワインが代名詞でしたが、最近は南アフリカがこのカテゴリーの筆頭に挙げられることも増えてきたように思います。 南アフリカワインを語る時によく耳にする三拍子が次のようなものではないでしょうか。 フルーティーで果実味がしっかり感じられる 甘さもあるけれど酸味もしっかりしている コスパがいい さらにこれにセットで、ワイン用ブドウの栽培に適した気候、地球最古の土、低コストでプレミアムワインを造る最適 …
二日酔いを避けるために。アルコールの分解を知ろう!
日本でもドイツでも年末年始は普段に増してアルコールを飲む機会が増えます。機会が増えれば飲む量も自然と増えるもの。 今回はそんなアルコールの分解と、上手に二日酔いを避けるための方法についてです。 アルコールはどう分解されるのか ワインをはじめとしたアルコール含有飲料を飲むことによって体内に摂取されたアルコールは基本的に肝臓で最終的に水と二酸化炭素にまで分解され、尿として対外に排出されます。この時に実際にアルコールを分解する役割を負っているのが肝臓内に存在する各種酵素です。 なお、アルコールの分解は加水分解反 …
持ち込みワインボトルの冷やし方とその温度
徐々に気温が暖かくなってきて、春を感じる過ごしやすい季節になってきました。花が開いて世界が明るくなり出すと、お酒を飲む機会も増えてくるもの。 お花見、BBQ、ホームパーティーやワイン会。手持ちのワインを持ち寄ってみんなで楽しく飲みたい、そんな気持ちも盛り上がってきます。 そうした楽しいイベントが仕事の後だったり、日中から外出する予定のある日の夕方以降だったりすると気になるのが、ワインの温度。持ち出すときにはきちんと冷えていたワインも、移動や業務時間中に適切に冷やすことができず温まってしまうことはよくありま …
ワインボトルの保管方法 | 縦置きと横置き、どちらが正解なのか
ワインを保管するときにおそらく誰もが一度は疑問に思うこと。それがボトルの置き方でしょう。 ワインのボトルは横置きにしなくてはいけないのか、縦置きにしてはいけないのか。 少し調べてみると、コルクで密閉しているボトルに関してはコルクの乾燥を避けるために横置きにするべき、という説明を多く見かけます。一方でスクリューキャップのものやプラスチック系の樹脂を使った合成コルクを使用しているボトルでは乾燥による劣化が生じないので横置きの必要はないとされています。 こうした、ある意味における世の中の常識とも思われている保管 …
山と川は必要か?ブドウ畑の立地条件
先日、当サイトの記事を読んでくださっている方から「ブドウ畑やワイン生産者における山や川の重要性」についてご質問をいただきました。せっかくですので今回はこのテーマについて筆者の個人的な見解に基づくものになってしまいますが、解説したいと思います。 この記事では といった疑問にインデックスという概念からお答えします。 山や川の役割とはなんなのか、ということをこの記事で理解していただき、ソムリエ試験のための勉強の補助としていただければ幸いです。 [circlecard] 前提条件!山や川は動かせない まず最初にご …
ワイン用ブドウの剪定|基礎と歴史からみる樹液流と長寿化という視点
ブドウ畑で行われる極めて重要な仕事の1つが剪定です。剪定とは伸びた不要な枝を切り落として必要な枝だけを残す作業を指し、主に冬から春先にかけて行われます。 剪定の歴史は古く、古代ローマ時代にはもうこの作業の必要性が明確に述べられていたといいます。ブドウはつる性植物であるため、放っておくと際限なく枝を広げていってしまいます。そんなブドウを畑という限定された空間のなかで栽培していくためには、剪定は欠かすことのできない必須の作業なのです。 剪定時期をめぐる議論。ブドウの枝はいつ切るべきなのか – Nagis wi …
目に見える違いは取り除くべき違い | 栽培の心構え
先日の「ワインは畑ごとに味が違う、は本当か?」と題した記事で、ワインの味はブドウの実一粒単位で味が違うところをたくさん重ね合わせることでその違いを平均化しながら表現したものですよ、と書きました。 こちらの記事をTwitterでシェアさせていただいたところ、拡散してくださる方も何人かいらっしゃり、結果多くの方に読んでいただくことが出来ました。拡散してくださった皆様、どうもありがとうございました。 もしまだ読んでないよー、という方はぜひ一度目を通してみてください。 ところで、前回の記事ではこの「違い」が具体的 …
成長点をいつ落とすか
ドイツ各地では南部地域を中心に相変わらず雹の被害が報告させており、悲惨としか言いようのない被害を受けた畑の写真なども目にします。特に枝が十分に長くなり、それにあわせてワイヤーを上げ、枝の整理も始めていたらしい畑でそのような被害があった写真をみると、本当に心が痛みます。 このような被害が出ている一方で、雹の被害を受けていない地域では順調すぎるほど順調にブドウは成長を続けており、枝の長さは2メートルをゆうに超えるほどになっています。 そうなると、ブドウ栽培者はいつ枝の先端を切り、高さを揃えるのかの判断をする必 …
種蒔きの季節
例年よりも早めのぶどうの収穫が終わり、ケラーでタンクに入れられたジュースが順調に発酵を進めている今、ワイナリーでは休暇気分を味わっている場所も少なくありません。 しかしその一方で、すでに来年に向けた仕事もまた、始まっています。 ぶどう畑に緑を 以前、”ブドウ畑の緑化管理”という記事でぶどう畑における下草管理のことを書きました。 この時の記事でも触れたのですが、ぶどう畑における下草をコントロールすることにはいろいろな意味があります。それは、土壌中の栄養素の管理のみならず、単一植栽のモノトーンな畑における生物 …
早すぎる程に早いブドウの発芽
2日ほど前、FB上のポストをみて驚きました。まだ3月も半ばだというのに、もうブドウの木に発芽が確認された、というのです。 これは発芽が大幅に早かった去年と比較してもさらに1ヶ月ちかくも早い発芽になります。1981年から2010年の長期観測による発芽時期の平均が4月末であることからみると実に1ヶ月半も早い発芽になります。今年の冬は非常に暖かかったのが原因なのは間違いありません。 早い発芽がもたらすもの さて、この発芽の時期というものはいろいろと大きな意味を持ちます。 ワイナリーは通常、長年の経験に基づいて一 …
低コスト醸造が生み出すもの | 安いワインの含有成分を考える
前回の記事、「安いワインと頭痛の関係 | ワインあるある」では値段が手ごろなワインを飲むと頭痛を感じるのは実はこのカテゴリーのワインが「安い、うまい」を備えたワインだからこそ、という話を書きました。これはいわば飲酒量という、量の視点から見た場合のことでした。一方で、頭痛という体調への影響を及ぼす可能性を検討するには量だけではなく、質の面から目を向けることが必要です。 特に、頭痛だけにこだわることなくその他のアレルギー性の反応を対象とするのであればこの点は絶対に避けて通ることは出来ません。 今回の記事ではこ …
ワインにフェノールとタンニンを増やす是非 | 延長マセラシオン
ワインを造る時に使われる醸造技術の1つにマセラシオン (Maceration, マセレーションとも) があります。日本では「醸し」とも呼ばれる技術で、果汁やワインにブドウの皮や種を数時間から数日、長ければ数か月にわたって漬け込んでおく手法を指しています。 「スキンコンタクト」や「果皮浸漬」と呼ばれる手法も基本的にはこのマセラシオンの別名です。 いろいろな呼ばれ方をするマセラシオンですが、その目的は大雑把にいえば「抽出」です。ブドウの皮や種子からその中に含まれているいろいろな成分を果汁やワインの中に引き出す …
酵母ってなんですか?
発酵に欠かせないもの、それが酵母です。 酵母とは微生物の一種で、およそ発酵とよばれる工程がともなう場面では非常によく利用されているものになります。ワインや日本酒における発酵はもちろん、パン生地の発酵などにも利用されます。あまり認知度は高くないようですが、チョコレートに必須のカカオ製造にも酵母は無くてはならないものです。一方で発酵は発酵でも、味噌、醤油、ヨーグルト、塩辛、漬物などに利用されている、いわゆる乳酸菌発酵は酵母ではなく、その名前の通り乳酸菌を利用したものとなります (味噌や醤油の発酵には酵母も利用 …
甘口ワインの造り方
年末年始が近づくにしたがって需要も増えてくるイメージがあるのが、甘口のワインです。 甘口のワインといってもその種類は様々。口に含んでほのかに甘さを感じるくらいのものから、貴腐ワインやアイスワインと呼ばれる極甘口のものまであります。またポートワインなどで知られる、フォーティファイドワイン (酒精強化ワイン)と呼ばれる変わり種のワインにも甘口のものが存在しています。 こうした特に甘いタイプのワインはデザートワインとも呼ばれています。 貴腐ワインやアイスワインはその希少性から比較的造り方も知られていますが、そう …
ブドウを凍らせる醸造手法
果物は新鮮さが命。ワインを造るにしてもそれは一緒。だからこそ、収穫したブドウは1分でも1秒でも早くワインにするための加工をするべき。 ワイン造りにはこんなイメージを持っている方も少なくないのではないでしょうか。今回取り上げるテーマはそんなイメージの180度逆をいくお話です。新鮮なブドウを敢えて凍らせる。今回はそんな醸造手法について見ていきます。 鮮度を維持するためではない凍結処理 果物や野菜を新鮮なうちに凍らせる、という考え方は日本で生活していればそれほど違和感を持たないのではないでしょうか。冷凍技術に優 …
ワイン醸造の暗部?補糖は悪なのか | シャプタリザシオンをめぐって
日本酒における醸造用アルコールの添加、ワインにおける補糖。 これらは随分と敵視されていることが多いように感じます。行ってみれば醸造酒の暗部、アンタッチャブルな領域、という印象でしょうか。 おそらく日本酒にしてもワインにしても、本来は栽培や醸造の結果として得るはずの糖度やアルコールを外部から補填することに対して、その目的および理由の如何を問わず、なんらかの悪印象を受けている結果からきているのだろうと思います。 もしくは一部の国地域において高品質ワインを謳うカテゴリーで補糖が禁止されている点をもって、補糖する …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#18 | ワインの栓
https://www.youtube.com/watch?v=n3zMZ20Y9eI 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#20 | ワインの劣化と欠陥
https://www.youtube.com/watch?v=DPSM7Aviq_o 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#27 | ワイン醸造のすべて
https://www.youtube.com/watch?v=Jlv9JRVw9JQ 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#38 | ワインは仕様でどう変わる?栓とフィルターの効果
聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) X: https://x.com/hima_wineサイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) X: https://x.com/Gensyoサイト: Nagi wines Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。 …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#9 | 発酵
https://youtu.be/aFW2RzrAOW4 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …
Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#6 | ワインと添加物
https://youtu.be/3vpP23Xs-YU 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …




































