用語集

カーボニックマセレーション | ワインの用語集

表記

Carbonic maceration (英), Kohlensäuremaischung (独), Macération carbonique (仏), 炭酸浸漬 (日)

意味

通常ブドウを破砕して流出してくる果汁に果皮を浸漬するマセレーションとは異なり、ブドウの粒を破砕せず果汁に浸漬されない状態で無酸素環境下にブドウを静置することで抽出を行う醸造手法。酸素の代わりに炭酸ガスで容器内を充填することからカーボニックマセレーションと呼ばれている。

ブドウの周囲から酸素をなくすことで果粒内における酵素的反応が促進され、果皮から主に色素であるアントシアニンの抽出がブドウの粒の内部に対して行われる。ボージョレ・ヌーヴォーの醸造手法としてよく知られている。通常のマセレーションとは違い果皮からは軽度のフェノール類の抽出しか行われないため、渋みが少なくフルーティーで軽めのスタイルのワインとなりやすい。

なおカーボニックマセレーションでは酵母は動いていないため、アルコール発酵はほとんど行われない。このためマセレーション後に圧搾し、アルコール発酵を行う必要がある。

カーボニックマセレーションでは炭酸ガスを人工的にタンク内に充填するのに対して、炭酸ガスの人工的な充填を行わず、一部の破砕された粒から出た果汁の発酵によって生じる発酵ガスを利用して行われる同様の手法をセミ・カーボニックマセレーションという。

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技術を解説 | カーボニックマセレーション

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  • この記事を書いた人

Nagi

ドイツでブドウ栽培学と醸造学の学位を取得。本業はドイツ国内のワイナリーに所属する栽培家&醸造家(エノログ)。 フリーランスとしても活動中

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