先日の記事、存在感を増すSouvignon Blancで、以前はドイツで栽培される品種としてあまり聞かれることのなかったSouvignon Blancが最近その地位を上げてきている、ということを書きました。
実際にその後に訪れた、4月末にマインツで開かれたVDP主催の試飲会ではヴュルテンベルクをはじめとして複数の産地のワイナリーから、合計で29種類のSouvignon Blancで造ったワインが出展されていました。VDPに加入するワイナリーからこれだけの数の出展があったということに、Souvignon Blancがドイツでも着実にその生産量を増やしてきているということを改めて感じさせられました。
世界的評価の高まるSauvignon Blanc
そんな最近ドイツで上り調子のSauvignon Blancですが、海外での評価も徐々に高くなってきています。
この5月3日にイギリスのメディアであるINDEPENDENTが15 best sauvignon blanc winesという記事を発表したのですが、この内の2本にドイツのSauvignon Blancが選出されたのです。
今回選ばれたのは、PfalzのEmil Bauer & Söhne Asshole Sauvignon Blanc 2016とNaheのAnette Closheim Savvy Sauvignon Blanc 2016の2本。特にPfalzのEmil Bauer & Söhne Asshole Sauvignon Blancはブラインドテイスティングにおいて数々のニュージーランドのSauvignon Blancよりもいいと評価されたとこの記事には書かれています。これらのことは、少し前までは考えられなかったことです。
ドイツといえばRieslingというイメージは極めて強いですし、実際にドイツは大々的に世界にRieslingのイメージを拡散していこうとしていますから、こういった印象は決して的外れなものとは言えません。しかし、やはり前述のVDP主催の展示会で飲んでみて驚いた、MoselのMaximin Grünhausが出展していたSpätburgunder (Pino Noir)の赤ワインのように、ドイツにおけるワインを取り巻く環境が徐々に変わってきていることもまた、間違いのないことなのです。
興味深い“best“ Sauvignon Blanc
ところで、今回INDEPENDENTが発表したbest sauvignon blancのリストはドイツのものがリストアップされた、という以外にも興味深いものでした。
というのも、sauvignon blancといえばほぼ確実に名前の上がる産地であろう、ニュージーランドのワインが1本も選ばれていなかったのです。代わりに選ばれたのが、チリやスロベニア、ルーマニア、南アフリカなどのものでした。オーストラリアのものも選ばれてはいましたが、マーガレットリバーからのもの1本のみに留まっていました。
これだけをもって世界におけるニュージーランド産sauvignon blancの地位の地盤沈下を指摘することは当然出来ませんが、このブドウ品種に対する世間の目が変わってきているらしいことを推し量ることは出来ます。
このような変化の潮流を目にすると、今後、ドイツにおけるSauvignon Blancのポジションの確立ということも含めて、ワインを取り巻く環境が今よりもさらに大きく変わっていくのだろうことを思わずにはいられません。
参考
関連記事 (外部記事)
⇒ 15 best souvignon blanc wines (INDEPENDENT)