2018年2月に行われたMUNDUS VINIの春の国際ワインコンクールには世界44カ国から6,770のワインが出品され、大賞33品、金賞1,102品、銀賞1,575品の合計2,702品がメダルを獲得しました。このうち290品がドイツからの出品であり、大賞が3品、金賞が105品、銀賞が182品という結果となりました。
ちなみに、メダル獲得数はイタリアの640品が最多であり、これにスペイン(590品)、ポルトガル(321品)が続きました。ドイツはポルトガルに次ぐ4位で、フランスは267品の5位でした。
ドイツのメダル獲得はRieslingが圧倒的
ドイツでメダルを獲得したワインの約33%がリースリングであり、シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)がこれに続いての13%でした。受賞した品種を見ていくと、これにヴァイスブルグンダー、グラウブルグンダー、レンベルガーと続いていくのですが、そんななかで一つ、とても目を引く品種がありました。それが、Sauvignon Blancでした。
Sauvignon Blancのメダル獲得とその驚くべき内容
今回のコンクールでSauvignon Blancで作られたワイン9品がメダルを獲得したのですが、そのうちの7品が銀賞、2品が金賞という結果でした。ただ、この金賞のうちの一つがスーパーのような小売業向けベスト・ドイツ白ワインに選ばれていたのです。
スーパーマーケットなどの小売業といえば、もっとも消費者にリーチしやすいポジションです。ここでベストとして選ばれるということは、取りも直さず消費者にもっとも受け入れられやすいワインということでもあります。ドイツのワインでありながら、リースリングでもシュペートブルグンダーでもなく、Sauvignon Blancがこの賞に選ばれたことには驚きを隠せませんでした。
ドイツ国内におけるSauvignon Blancの位置づけ
Sauvignon Blancはぶどう栽培、ワイン醸造という面において、ドイツではそこまでメジャーな品種ではありません。ドイツ国内の統計によれば、2014年におけるこの品種のドイツ国内における耕作面積はワイン用ぶどう耕作面積全体の0.8%にあたるわずか849haに過ぎません。
ただ、一方でこのような今までドイツではそれほどの存在感を持っていなかった品種の耕作面積が増えていることもまた事実です。一番大きな原因が、気候変動の影響でこれらの品種の生育条件がドイツ国内でも整いつつあることであることは間違いがないでしょう。
耕作品種は変わるのか?
ドイツはリースリングを国際的により売り込んでいくマーケティングを展開しており、この品種の耕作面積は今でも微増傾向にあるのですが、一方で、今までドイツでは見かけなかった品種が増えていくことはとても興味深いことでもあります。
”ドイツはぶどう栽培の北限の地か・・・?”でも書いたことですが、世界のぶどう栽培は今、変革期に差し掛かっているのかも知れません。
今回のコンクールの結果はこちらから確認できます。