栽培

ぶどうの日焼け

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ブドウも人と同じように日焼けすることはご存知でしょうか?

 

除葉について書いた記事(「除葉をどこまでやるか?」)でも簡単に触れていましたが、ブドウの果実にあまりに強い陽が当たるとブドウも日焼けをしてしまいます。日焼けくらい、と思われるかもしれませんが、日焼けをした果実が混ざってしまうとワインに焦げたようなニュアンスが入ってしまうため、特に繊細な香りの白ワインなどでは避けるべきことと認識されています。

日焼けとはどのような状況か?

人の肌が日に焼けたとき、色の濃さに段階が出るように、ブドウの実にとってもある程度の段階があります。これは言ってみれば、人肌のように少し赤くなったな、とか、すごく黒くなったな、というような状態と同じで、日に焼けた実はピンク色から徐々に赤くなり、その後に黒ずみながら干からびたようになっていきます。

 

完全に干からびてしまったようなブドウの実は絞っても何も出てこないため、収穫してすぐにプレスしてしまうような場合にはあまり影響を及ぼしませんが、抽出をかけるような工程を踏む場合には注意が必要になります。また、そこまで干からびきっていない果実であれば、プレスしてしまえばネガティブなニュアンスを含んだジュースが混ざることになってしまいます。

基本的にブドウの実の状態の程度は関係なく、日焼けしてしまった実は収穫時に選定し、混ざらないようにする必要があります。

 

 

日焼けの原因は何なのか?

日焼け、というくらいなので、原因は日光だと思われる人が多いのではないかと思います。

 

実際に「除葉をどこまでやるか?」の記事内でも直射日光が当たるとブドウの実が日焼けをしてしまうので、、、、という内容の文章を書いています。しかし、厳密に言うとこの「日焼け」が起きる原因は直射日光、つまり紫外線ではない、というのが最近の研究の結果です。では何が原因かといえば、温度です。ブドウの実が高温状況下にさらされることでこの日焼けと称されている現象が生じることになります。直射日光がだめ、というのも、直射日光が当たることでブドウの実の温度が上がり、その結果として日焼けが生じる、ということなのです。

 

この日焼けしたブドウが混ざることによって生じる味が「焦げた」ような、という表現をされることからも、日焼けというよりも炭化に近いようなイメージがより適切なのかもしれません。

 

 

ブドウの実に日が当たることは悪なのか?

では、日焼けを避けるためにもブドウの実にまったく日が当たらない状況を作るのがいいのか、といえば、実はそうでもありません。

 

これは特に赤ワイン用の品種で言えることなのですが、赤ワイン用のブドウ品種が色づく原因物質であるアントシアニンは紫外線に対する果実の防御作用の中で作られます。このため、より陽に当たるように育てられたブドウの方が色づきが濃くなるのです。同じピノ・ノワールでも日射量の多い南欧で作られたものと、日照時間の短いドイツのラインガウ辺りで作られたものとでは色の濃さに明確な差がでるのはこれが一つの原因です。

 

ただ、赤ワイン用の品種であってもアントシアニンがあるからと言って日焼けに強いわけではありません。あまりに暑い状況下では日焼けし、繊細なワインにはまったく似合わない焦げたようなニュアナスを生じる原因となってしまいます。赤ワイン用のブドウの栽培では、色を濃くしたいがために除葉の量を多くし、果実をより日に当てるようなことをする場合もあるのですが、これには注意が必要になります。

特に今年のように異様なまでに暑い夏にそれをやってしまうと、リスクの方が高くなってしまうことに注意をするべきでしょう。


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