ブドウ畑を見ると、極めて整然とブドウの樹が植えられ、ある一定の間隔でそれらが管理されていることはすぐに分かります。しかし、では実際にブドウ畑を管理する上で必要となる数字、と言われて、いったいどのくらい思いつくでしょうか?
ブドウ畑を支配する数字の区分
畑を作る際に考えなければいけない数字は、大まかに2つの視点に区分できると考えています。
1つ目は、ブドウを作るための視点からくる数字。年間平均気温や年間降雨量とそれらの推移、日照時間、土壌に関する各種の数値などがここに当たります。
これに対して2つ目は、作業のための視点から求められる数字です。垣根の間隔や長さ、ブドウの樹同士の間隔、垣根の高さなどといったものがこの区分に該当します。
それぞれについて詳細に数え上げていくといくら紙幅があっても足らないので、重要でかつあまり思い当たらないであろう辺りを上に上げたものを除いてざっと列挙してみると、
- 土壌の3構成成分の混合比率
- 土中の窒素含有量
- 腐葉土の割合
- ブドウの樹のヘッドまでの高さ
- 樹一本からの枝の数
- 単位あたりの葉の表面積
- 果実の個数あたりの葉の枚数
- 垣根の間隔と高さの比率
なんてものが、本当にすぐに思い浮かびます。
さらにこだわるのであれば、垣根の間に植える草の種類の混合比率であったり、剪定時に落とした枝の量であったり、必要になる肥料の量や病気対策のための手段の必要量、さらにそれらの散布回数とその間隔などにいたるまでいくらでもあります。
醸造面ではさらに進む数字の支配
セラーに入れば入ったでやはりこういった数字による認識と管理は隅から隅まで行き渡っており、その幅は畑以上です。
どうしてもブドウの栽培は農業というイメージから経験や勘に基づいたもの、という考えを持っている人が多いようですが、実際には極めて科学的、合理的に考えられ、管理されているのです。