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アルコールフリーワイン

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ワインを売る立場でお客さんと接していると、そこまで多くはなくとも多少の驚きを感じる程度の頻度でアルコールフリーのワインについての質問を受けます。

筆者個人としては、日本にいた頃から”アルコールフリー梅酒”とか”アルコールフリービール”というものを目や耳にすると、口には出さないまでもそれはもう梅”酒”でもビールでもないだろ、という感想を持っていたこともあり、このアルコールフリーワインというものに対する需要に対しても、それならブドウジュースでいいんじゃないか?というある意味で失礼な感想を心の中で呟いたりしていました。

 

しかし、実際にはこの”アルコールフリー”というやつはワインでもビールでも最近の市場においては無視できない勢いを持っています。ワインはまだそこまで多くはないものの、ビールなどはビール大国であるはずのドイツにおいてさえ、スーパーの棚でそれなりの面積を確保しているほどです。アルコールフリービールを飲むなら、麦茶でも飲んだほうがいいんじゃないか、なんてことを言う人間は、徐々にその立場を隅っこの方に追いやられていく運命にあるのです。

 

 

アルコールフリーワイン = ブドウジュースか?

アルコールフリーワインとは、当然ながらアルコールを含まないワイン、という意味です。実際には製造方法やその管理方法によって0.05%程度のアルコールが残留しているようですが、基本的にはこの値を下回っていれば表記上は”アルコールフリー”をうたえるようです。

 

そして、このようにごくごく微量の残留アルコールを含むことからも、アルコールフリーワインはブドウジュースではありえません。なによりも、一度発酵過程を踏んでいる、という事実が名称的な部分はともかくとして、これらの液体が含有しうる成分という意味での内容的にこの両者を大きく隔てています。発酵過程を経ることで、香り成分を中心に複数の成分が生成されているためです。

 

参考

発酵における香り成分の変化についてはこちらの記事も参考にしてください

>>香りの種類とその区分

 

 

上記で、わざわざ”名称的には”という言葉を入れたのには理由があります。

それは、少なくともドイツのワイン法では”ワイン”というものが含まなければならない最低のアルコール度数が規定されているためです。

 

当然ながらアルコールフリーワインはこの数値を満たしませんので、法律的な意味で製品名を”ワイン”とすることは出来ませんし、この事実を持ってこの液体がワインとして定義されるものには該当しないことは明らかです。この意味において、”アルコールフリーワイン”とはワインから作られたワインではない飲料、というカテゴリーに属することになります。そして、この飲料をジュースと呼称していいのかどうかに関しては、ジュースというものを規定する別の法律なり規則を参照する必要があります。

 

 

アルコールフリーワインに重要なもの

呼称方法に関する細かい点はおいておくとして、”売れる”アルコールフリーワインというものにはある程度の規則性があるようです。これは雑誌の記事(der deutsche weinbau 21/2018 "Sagen Sie, welche Erfahrungen haben Sie mit alkoholfreiem Wein?")を参照したものとなりますが、以下の2点が特に典型的なポイントとして挙げられています。

  • 甘くないこと
  • アロマ系品種から造られていること

 

またこれらの他にも、ロゼがより適している、酸度は低めが良い、赤ワインの場合にはタンニンが少なめであること、などもあるようです。

一方でやはり甘いアルコールフリーワインはブドウジュースの印象を強く持つ顧客が多いらしく、売上的に良くない、というのはまぁその通りだろうな、と思われされるところでもあります。

 

筆者自身がアルコールフリーワインの製造に関わることはまずないとは思いますが、市場が伸びていることもあり、マーケティング的には今後より重要性を増してくる可能性のある商品カテゴリーと言えそうです。




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