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テイスティングのキーポイント?ティピシテを考えてみる

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ソムリエ試験をはじめ、ワイン関連資格を取る際にほぼ欠かすことが出来ないのがテイスティングではないでしょうか?

特にそのワインに関わる情報を開示されないまま目の前のグラスを利いてブドウの品種や産地、年代をはじめ味や香りに言及するブラインドテイスティングなどはその典型です。

 

ブラインドテイスティングを行う場合、みなさんはどうやってそのワインの品種や産地を特定していっているでしょうか?

過去に飲んだことがあり、記憶に鮮明に残っているワインがドンピシャで出題されればその経験に則って回答することもできるかもしれません。しかし、多くの場合はグラスから拾える様々な情報を知識として学んで記憶している内容に照らし合わせることで選択肢の幅を狭めていき、最終的に最も近しい可能性を選び取っているのではないかと思います。

 

この選考過程の中で比較検討されるマスターともいうべき知識を、typicité (ティピシテ) と言います。

今回はこのtypicitéというものを見ていきたいと思います。

 

ワインの品質を決定づけるのはtypicitéか

ジェイミー・グッド著の「ワインの味の科学 (原題『I Taste Red』、伊藤伸子訳)」という本の中の「風味と知覚の個人差」という章内に「超有名な批評家たちの論争」というくだりがあるのですが、ここの欄外のトピックスに面白い記述がありました。

 

ジャンシス・ロビンソンが考える、ワインの品質の重要な要素はティピシテ(その土地、その品種らしさ)のようだ。そのため魅力的な味のワインでも、サン=テミリオン産のワインの味はこうあるべきという通念に沿った味でなければ、点数を低くつけることがある。(後略)

ジェイミー・グッド著「ワインの味の科学」108頁

 

「点数を低くつける“こと”がある」という記述があることから、ジャンシス・ロビンソンが何もワインの品質のすべてを「らしさ」だけで決めているわけではないでしょうが、ある意味で一つの足切りラインのようになっている可能性の高さが伺える文章ではあります。

 

typicitéとして認識される要件はそのワインが個別に持つ魅力を上回る重要性がある、というのですから、その持つ意味は非常に重いです。



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