ドイツに住んで、ワイン関係の立場にいるとちょくちょく日本からの観光客の方からこんな質問をいただきます。まぁ、一般的な日本人からすればドイツと言えばビールにソーセージ、そしてサッカー。ワインのイメージなんて殆ど無いですよね。ええ、分かります。ワインと言えばフランス、イタリア、スペインそしてチリじゃないの?と思うその気持ち。
世界上位のワイン生産国、ドイツ
でも、ドイツって実はそれなり以上の大きさのワイン生産国です。
OIV (International Organisation of Vine and Wine)によると2014年のドイツにおけるワインの生産量は920万ヘクトリットルとなり、世界10位のワイン生産国となっています。”ヘクトリットル (hl)"というのはこの業界では一般的に使う単位で、100リットルのことです。1ヘクトアール(ha)=100アール、というのと同じです。そして、このヘクトアールという単位で表すブドウの耕作面積でみると、ドイツは10.2万ヘクトアール、世界14位です。
高い生産効率
耕作面積は世界14位なのにワインの生産量は世界10位。ドイツがどれだけ効率的にワインを作っているのかが分かる数字だと思います。この傾向はフランスでも同じで、フランスでは79.2万ヘクトアールで4670万ヘクトリットルのワインを作っています。比べてみると、1ヘクトアール辺りの生産量はフランスが約58ヘクトリットル程度なのに比べてドイツは約90ヘクトリットル。ここから読み取れることはいろいろありますが、とりあえず、より生産量を絞っている分フランスのほうがドイツよりも高品質だ、というのは少々早とちりな判断ですのでご注意くださいね。
ワイン消費大国でもあり、ワインの輸出大国でもあるドイツ
ちなみに、ドイツのワイン消費量は年間2000万ヘクトリットルで世界4位です。自国での生産量の倍の消費量を誇る、ワインの消費大国でもあります。ちなみにこの数字、国民一人あたりになおすと年間約29リットル、ワインボトルにして約39本を飲むことになります。
ここで面白いのが、ドイツは世界第7位のワイン輸出国でもある、ということ。自国での消費が生産の倍ちかくあるのに、生産量の約40%強を輸出しています。そして、自国の生産量を遥かに上回る、1500万ヘクトリットルを輸入しています。つまりドイツ人は自国における消費の75%近くは輸入ワインで行っている、ということですね。
ドイツにおけるワインのトレンドは?
では、ドイツ人はどんなワインが好きなのでしょうか?
ドイツのワインは甘いもの、とお考えの方も多いですが、消費のトレンドは辛口です。そして、ドイツには素晴らしい辛口のワインも数多く存在しています。ドイツワインでいうカビネットは甘いワインのこと、とお考えの方はぜひ次にあげる関連記事も併せてご覧になってみてください。
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