昨日、8月13日にドイツで今年最初となるブドウの収穫が行われたとのニュースがDWI (Deutsches Weininstitut / Wines of Germany) より発表されました。
今回はそちらの記事を簡単にご紹介します。
Erste Trauben für Federweißen gelesen
”Erste Trauben für Federweißen gelesen (フェーダーヴァイサー用の最初のブドウが収穫された)” と題されたこちらので記事では、8月13日にRheinhessen (ラインヘッセン) のマインツから南、ニアシュタインにほど近いLörzweilerにてドイツ国内で今年最初となるブドウの収穫が行われたことが報じられています。
ブドウの種類は早熟で知られる品種のSolaris (ソラリス)。プレス後の果汁糖度は75エクスレ、およそ18~19 Brixほどだったそうです。
なおPfalz (プファルツ) では8月16日金曜日から同じくフェーダーヴァイサー用の収穫が公式に始まることとなっており、これを皮切りに来週以降、Pfalz、Rheinhessenに加えSachsen (ザクセン) にて多くのワイナリーが収穫を開始することも記事は伝えています。
去年と比べてどうだったのか
昨年2018年もドイツ国内で最初のブドウの収穫はやはりRheinhessenで行われました。
品種も同様にSolarisで、用途もまたフェーダーヴァイサー向けです。この点は去年も今年も変わりはありません。
一方で2018年は最高気温こそ今年に及ばなかったものの、7月以降数週間にわたって35度を超える暑い日が続き、ブドウの生育は非常に早く進みました。
この結果、2018年における最初のブドウの収穫は8月6日と過去にない早い時期に行わています。また収穫時のプレス後の果汁糖度も90エクスレ、およそ20 Brix強という極めて高い水準となっていました。
これに対して今年は7月に2度、熱波による猛烈な暑さがドイツを襲いましたが、それ以降は気温は比較的低い水準に落ち着いているため去年と比較すると収穫はおよそ1週間遅くなり、果汁糖度も多少低くなっています。
フェーダーヴァイサーとは何なのか
フェーダーヴァイサー(Federweißer)は極めて簡単に言ってしまえば、収穫したブドウを絞ったジュースの状態から、発酵が完了しフィルターをかける前までの状態にあるまだ仕上げられていないワインのことをいいます。
ドイツではブドウの収穫祭のような意味合いでこのフェーダーヴァイサーを飲むお祭りがあったりします。
フェーダーヴァイサーに関しては、「Federweißer(フェーダーヴァイサー)ってなんだろう?」の記事で扱っていますのでそちらも参照してみてください。
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Federweißer(フェーダーヴァイサー)ってなんだろう?
すでに一昨日、8月6日のことですが、ラインヘッセンでフェーダーヴァイサー用のブドウの収穫が始まった、というニュースが出ました。 ブドウの品種はソラリス。果汁糖度は90エクスレだったそうです。ちなみに9 ...
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2019年の本格的な収穫はいつ始まるのか
冒頭の記事でも書かれていますが、2019年の本格的なブドウの収穫は比較的熟成の早い品種であるMüller-Thurgauで9月半ばと予想されています。
7月くらいまでは今年も暑い日が多かったため去年ほどはいかないものの、やはり早期の収穫の開始が話題に上っていました。
しかし2度目の熱波の後からは暑さが落ち着き、雨が降る日が増えたことから気温が低めになることが多くなっています。この結果、畑のブドウはまだ成熟期を迎えておらず、一部の品種を除き実は硬いままとなっています。
今回ご紹介した記事は以下のDWIのサイトにてご覧いただけます。
英語版: First grapes for the production of new wine harvested in Germany