業務日誌

ドキドキのトレーラー牽引、そしてまさかの剪定作業再び

04/17/2019

  • 場所: Wallhausen (ヴァルハウゼン)
  • 天候: 曇り
  • 気温: 17℃くらい

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器材の洗浄とドキドキのトレーラー牽引

昨日の慌ただしい朝から一転して、今日は静かなスタート。

まずは昨日使いっぱなしになっていた、剪定した枝を破砕するための器材を洗浄することから仕事を始めた。

「器材」といっても実際はトラクターにくっつけているアタッチメントなので気軽に手に持って洗うなんてことは当然出来ない。なのでトラクターにくっつけたまま洗浄しても問題のない場所まで移動し、上げられる最大の高さまでトラクターの牽引用フックを持ち上げた状態で高圧洗浄機を使って洗浄する。

装置の内部に関しては器材の下から高圧洗浄機のノズルを突っ込んで洗浄。

まぁ、泥や小石や引っかかっていたブドウの枝の破片が飛ぶわ飛ぶわ。朝から軽く泥んこ遊びをした心境になれる。

一通りの洗浄が終わったらこの器材はこれからしばらく出番はない  (はず) なので、トラクターから外してパレットに載せ、保管用の棚にフォークリフトで収納。ここまででなんだかんだで1時間弱ほどかかった。

大型トレーラーを牽引し、森へ

剪定枝の破砕用アタッチメントをしまったら、今度はそのままトラクターにトレーラーを接続。

かなりデカいトレーラーで中には敷地内の何処かで切られたらしい樹の枝や細い幹の部分が山盛り。これをとある森の中に捨てに行く。これは少なくともワイナリーの仕事ではないのだけれど、そんなことは関係ない。

ちなみに捨てに行く森は私有地なので問題もない。

ただ、これがかなりのドキドキ。

この大きさのトレーラーは昨年の夏場に畑に水を入れるために3トンほどのタンクを積んだ状態でやはりトラクターで山道を引っ張っていったことはあるのだが、その道には路駐の自動車はほぼなく、道もそんなに曲がりくねってはいなかった。

ところが今回は目的地が違っていて、そこに行くまでには一部路駐の車満載の市街路を越えていかなければならない。道はそれなりにカーブが多いおまけ付き。

しかもトレーラーに満載で一部はみ出した樹の枝のおかげで車幅が微妙にトレーラーのサイズよりも大きくなっている。トレーラーの後ろの方は全く見えない。

他人の家や車に擦ってしまったらごめんなさいでは当然済まない。

これでドキドキしない方が不思議だと思う。

このサイズのトレーラーをトラクターで牽引しつつ狭い道で取り回すのはまだ苦手

とはいっても拒否権はないので坂道を登りつつ、家を避け、車を避け、対向車をやり過ごし、カーブを曲がって目的地へ。なんとか無事に樹を捨てた帰り道がなんと気楽なことか。サイドミラーから見える背後の視界が広いというのは本当に素晴らしい。

そんなわけで30分ほどかけて往復して、無事にトレーラーをトラクターから外す。

今後、このトレーラーを引っ張って森まで往復するということが筆者の仕事リストに追加されることはほぼ間違いないだろう。

今シーズン最後の剪定作業へ

森から帰ってきたところでお次の仕事。

それがなんとまさかの剪定作業

本来であれば、この時期に剪定作業をするのはすでに遅すぎる

そんなことは我々もわかっていて、原則的にはここまで暖かくなる前に剪定を終えていた。そう、原則的には。

今日切ることになった畑は、ブドウの樹齢が高いことに加えてかなりの急勾配の畑であるために生育条件が悪く、植え替えを検討している畑だった。実際にそれなりの頻度でブドウの樹が枯死してしまっており、列がところどころ虫食いのように空白地帯になってしまっていた。

植え替えを行う可能性があったためにひとまず剪定は行わないままにおいておかれていたのだけれど、この時期になって切ることにしたらしい。

この時期の剪定は切った枝をワイヤーから引き抜く際にすでに柔らかくなり開き始めた芽を傷つけてしまう可能性が高くなる。このためあまり歓迎したい作業ではないのだけれど、樹を抜かないのであれば切らずに放っておくわけにもいかない。

ということで、油断したら立っているだけでも足が滑る急勾配に張り付いてブドウの枝を切り、ワイヤーから引き抜く作業を開始。

途中で切れてしまっていた誘引用のワイヤー2箇所とアンカーワイヤー1箇所を修理しつつ、1人で5時間ほどかけて約30 a (アール) の剪定作業を完了

誘引は明日以降に回すことにして本日の業務終了。

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  • この記事を書いた人

Nagi

ドイツでブドウ栽培学と醸造学の学位を取得。ドイツのワイナリーで醸造責任者を歴任。栽培家&醸造家(エノログ)。 フリーの醸造家兼栽培醸造コンサルタントとして活動中

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