業務日誌

トラクターを使って草刈り作業

04/30/2019

  • 場所: Wallhausen (ヴァルハウゼン)
  • 天候: 曇りのち雨
  • 気温: 15℃

本日の業務内容

  • Mulcherを使っての草刈り
  • 出荷作業
  • イベント準備

草刈りもトラクターで

Mulcherと呼ばれるトラクター用のアタッチメントがある。Mulcherというのはドイツ語での名前で、英語ではrotary cuttersという。

この名前が示すとおり、装置の下面がむき出しになっておりその中に回転する刃が設置された構造となっている。

なにをするための機械かといえば、ブドウ畑などで雑草を刈るための装置だ。

Mulcherにはトラクターの前につけるタイプのものと後ろにつけて引っ張るタイプのものがある。

トラクターの前に付けるタイプのMulcherは斜面などで使い勝手が悪いこともあり、ブドウ畑で使うのはもっぱらトラクターの後ろにつけて引っ張るタイプのものとなる。

構造上、トラクターが走れない細かい場所の草を刈ることは基本的には出来ないが、トラクターが走れる範囲内ではかなりの速度で一気に草を刈っていくことが可能となるため、小さな芝刈り機や手持ち式の草刈り機を使って草を刈るよりも大幅に時間を短縮することが出来る。

新しく出来るようになったことがまた1つ

今日はこのMulcherを使った新しい作業をすることになった。

まずはトラクターにMulcherを装着することから始めたのだが、きちんと正確に装着し、刃を回転させるためのシャフトをつないでも何故か回転が正確に伝わらない。

何度か接続をやり直しながらいろいろ試してみた結果、どうやらトラクター側で回転用のシャフトを動かすときに微妙なクセが出てしまっていて、動力をつなぐ際にクラッチを調整しながら操作すれば解決できることが判明した。

まずはいきなりブドウ畑に出るのではなく、ワイナリーの敷地内で練習を実施。これはMulcherの練習というよりも、今回Mulcherを装着したトラクターがGrubberなどでいつも使っていたFendtではなく、Eicherという別のメーカーの古いタイプの車体に代わっていたのでその回転半径など取り回しに慣れることが目的だった。

そして作業はブドウ畑へ

今回トラクターを走らせる列、つまり草を刈る列は前回のGrubberを通した列の隣の列となる。

これは基本的には下草を管理している列で、昨年の収穫後に種を蒔くことで狙った草を生やしている列になる。(下草管理のための種蒔きについては「種蒔きの季節」や「ブドウ畑の緑化管理」の記事を参照)

今回の作業の目的は、狙って生やしておいた下草を刈ること、というわけだ。

実際にブドウ畑で作業を開始してみると、Grubberの時と大きな違いはないため特に難しく感じるようなことはなく作業を進められた。

ただMulcherはGrubberよりも幅も広く長さも長いため、列の中での運転中はブドウの樹や柱などの器材にMulcherを当ててしまわないように注意する必要があることに加え、列から出る際にアンカーワイヤーを切ってしまわないように取り回しには少し注意が必要になる。

あとは作業中は十分にアクセルを踏んで刃の回転数を落とさないようにすることくらいだろうか。

とはいっても今までの慣れは十分に通用するらしく、作業は特に滞りなく進めることが出来た。

左: Mulcherを通す前 / 右: Mulcherで下草を刈った後
Grubberとは明確に違うことがわかる

午後は倉庫で作業

楽しくトラクターを走らせられたのは午前中のみで、午後からは大口注文に対応するための出荷作業と、今日の夜および5月1日に控えた大きなイベントの準備に手を取られることになった。

特に5月1日のイベント用に用意することになったおよそ30年前のワインを、ケラーの中にあるSchatzkammer (シャッツカマー、宝蔵)と呼ばれる保管庫から探し出してきて清掃する作業がとんでもなく手がかかる。

ホコリなどの汚れが激しい上にエチケットも紙が風化してきているため、少し圧力がかかるだけでもエチケットが傷んでしまいかねない様相。当然、エチケットは水拭きは出来ない。

そこでまずはブラシを用意してエチケットからボトルの表面から目立つ汚れを掃き落としつつ、エチケットが破損してしまっているボトルを選り分ける。

その後は濡らしたフキンやスポンジでボトル表面とエチケット表面を可能な範囲で清掃する作業に入ることになっていたが、ブラシをかけるだけで時間がいっぱいになり、拭き掃除は明日に回すことに。

これをもって本日の仕事を終了した。

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  • この記事を書いた人

Nagi

ドイツでブドウ栽培学と醸造学の学位を取得。本業はドイツ国内のワイナリーに所属する栽培家&醸造家(エノログ)。 フリーランスとしても活動中

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