2日ほど前、FB上のポストをみて驚きました。まだ3月も半ばだというのに、もうブドウの木に発芽が確認された、というのです。
これは発芽が大幅に早かった去年と比較してもさらに1ヶ月ちかくも早い発芽になります。1981年から2010年の長期観測による発芽時期の平均が4月末であることからみると実に1ヶ月半も早い発芽になります。今年の冬は非常に暖かかったのが原因なのは間違いありません。
早い発芽がもたらすもの
さて、この発芽の時期というものはいろいろと大きな意味を持ちます。
ワイナリーは通常、長年の経験に基づいて一年の行動予定を大体のところで立てているものです。ですので、その予定が突然一ヶ月以上も早まってしまうと仕事の段取りが大きくくるいます。これは非常に困ったことです。
ただ、それよりも遥かに大きな問題なのが、気温の低下による冷害の発生です。この時期はまだまだ突発的に夜間の気温が下がる日が多いため、このタイミングで新芽が出てしまうとせっかく発芽した芽が冷たい空気によってダメージを受けてしまう可能性が非常に高まってしまうのです。冷気によってダメージを受けた芽はそれ以上成長しなかったり、成長しても早々に枯れてしまったりします。
迫る冷害のリスク
かくいう今回も、今週末は気温がマイナスになる予報が出ている状況です。
昨年も似たような状況で冷害が発生。被害が大きく、地域によっては秋の収穫量を大きく落としました。このような問題は世界規模で発生しており、昨年のフランスは冷害を理由に春先にその年の値上げを決定した場所があったくらいです。実際問題、このようなことが原因で経営に影響を受けているワイナリーが多いのが現状なのです。
気候変動の影響はワイン業界においても無視できない問題となっています。
冷害への対策に関してはこちらの記事も併せて御覧ください。