熱波の影響で30℃後半の気温が続く暑いドイツですが、本日、さらにホットなニュースが駆け抜けました。
DWI(Deutsches Weininstitut / Wines of Germany) によると、本日8月10日にプファルツのヴァイゼンハイム (Weisenheim) という町で今年最初のブドウの収穫が行われたというのです。
[circlecard]
Erste Trauben für Federweißen gelesen
2019年の最初の収穫はRheinhessen (ラインヘッセン)で8月13日に行われました。今年はこれよりも3日速く、また場所もさらに南のPfalz (プファルツ)で行われました。
収穫されたのは去年と同じく早熟の品種として知られるSolaris (ソラリス)。用途もフェーダーヴァイサー用です。収穫時の果汁糖度は100エクスレ、およそ25Brixほどと昨年よりも高い状態での収穫となりました。
昨年より3日早く、一昨年より4日遅い初収穫
今年の収穫は7月末から続いている熱波の影響によるものか、昨年、2019年よりも3日速くなりました。一方で2018年は7月に入ってから数週間にわたって35度を超える暑い日が続いた年だったこともあり初収穫はRheinhessenで8月6日に行われていますので、これよりは4日ほど遅い初収穫となっています。
一方で収穫時の果汁糖度は2019年で75エクスレ、2018で90エクスレだったのに対して2020年は100エクスレですのでブドウの熟度は近年ではもっとも高い状態での収穫となりました。
2020年の本収穫はいつになるのか
2020年は春がとても暖かく、天気のいい日が続きました。これにより長期平均と比較しておよそ2週間速い芽吹きとなり、Rheingau (ラインガウ)などでは記録を取り始めてから2番目に早い発芽を記録しています。
現在はその後の気温の落ち着きなどを背景に、昨年と比較すると1週間程度早い生育状況となっており、地域による違いはあるものの8月末から9月頭には本収穫がはじまり、リースリングなどのような晩熟の品種でも9月の中旬から下旬には収穫がはじまるものと予想されています。
2020年はどんな年なのか
今年は5月の中旬 (5月10日~5月15日) にかけてBaden (バーデン) の北部からWürttemberg (ヴュルテンブルク)北部、Franken (フランケン)、Saale-Unstrut (ザーレ・ウンストルート)そしてSachsen (ザクセン)にかかる一帯で部分的に遅霜の被害がでました。特に東側にある2つの産地ではその被害が大きくなっています。
またドイツ全土で雨が少なく、乾燥による被害が拡大しています。これに加え熱波により気温が高止まりする状況がここにきて続いているため、全国的に日焼けの被害が拡大してきています。
しかしながら全体的には病気のリスクは低く、果実の健全性が守られている状態です。
このまま天候状態の大きな崩れがなければ、2020年は平均的な収量が確保できる年になるだろうとの見通しが立てられています。
フェーダーヴァイサーとは何なのか
フェーダーヴァイサー(Federweißer)は極めて簡単に言ってしまえば、収穫したブドウを絞ったジュースの状態から、発酵が完了しフィルターをかける前までの状態にあるまだ仕上げられていないワインのことをいいます。
ドイツではブドウの収穫祭のような意味合いでこのフェーダーヴァイサーを飲むお祭りがあったりします。
フェーダーヴァイサーに関しては、「Federweißer(フェーダーヴァイサー)ってなんだろう?」の記事で扱っていますのでそちらも参照してみてください。
-
Federweißer(フェーダーヴァイサー)ってなんだろう?
すでに一昨日、8月6日のことですが、ラインヘッセンでフェーダーヴァイサー用のブドウの収穫が始まった、というニュースが出ました。 ブドウの品種はソラリス。果汁糖度は90エクスレだったそうです。ちなみに9 ...
続きを見る
今回ご紹介した記事は以下のDWIのサイトにてご覧いただけます。