Foto: Rebschule Freytag
概要
Pinot Grigio、Ruländer (ルーレンダー)の名前でも知られる、灰色がかった赤から紫色の果皮を持つ白ワイン用品種。
Pinot Noirの突然変異種であるが、その歴史は古い。1375年にはすでにカール四世によってハンガリーに持ち込まれていたと言われている。品種としては1711年にドイツの野生化したブドウ畑で再発見された。
特徴
Foto: Rebschule Freytag
丸形から多少長円形気味の粒で構成された、中ほどの大きさで長円形の詰まり気味の房が特徴的。灰青色から紫がかった果皮の色が名前の由来となっている。
古いクローンでは房は粒が詰まったコンパクトなものであるため、Botrytisに対するリスクが高く、またBotrytisへの感染をきっかけとしたPenicilliymなどの菌への二次感染のリスクも高い。
収量は多めで熟成はPinot Blancと比較して多少早め。
ワイン
熟度に応じて幅広い香りを持つワインとなる。代表的な香りとしては、パイナップル、クルミ、ナッツ類、ドライフルーツ、干しブドウ、洋ナシ、シトラスなど。酸は控えめ。
熟度が低いうちは軽く、フルーティーなワインとなるが、熟度が高くなってくるとよりパワフルで抽出物の多いタイプのワインとなる。
植栽適正
風通しのいい黄土質の土壌を好むが、石灰質を含む土壌にも向いている。
古いタイプのクローンでは花振いのリスクは低いが、房が詰まっているためBotrytisへの感染リスクが高まる傾向にある。新規のタイプのクローンでは花振いの状態が天候に左右されやすくなるものの、これによってバラ房となりカビ系の病気への耐性が高くなっている。
主なクローン
- H1
- Gm112, Gm2-15, Gm2-21, Gm2-26
- Gm1-31, Gm1-32
- SMA505, SMA514
- Fr2007, Fr2006, Fr2004 など