Trocken (トロッケン)という表記はドイツワインにおいては辛口のことです。なので、スパークリングワインのエチケットにこの表記があると、やはり辛口のことだろう、と思ってしまいがちですが、実はちょっと違います。
スパークリングワインのtrockenは残糖が多い
スパークリングワインにおけるTrockenの表記は、残糖でみれば普通のワインの中辛口から甘口にあたります。なので、辛口だと思ってTrocken表記のスパークリングワインを買ってみたら、思ったよりも甘くて驚いた、というのはある意味当然なのです。
スパークリングワインにおける味の表記に関する規定
ドイツ国内におけるスパークリングワインの味の表記は以下のようなルールに基づいてつけられています。
残糖 表記
< 6 g/l extra brut
< 15 g/l brut
12 - 20 g/l extra trocken
17 - 35 g/l trocken
33 – 50 g/l halbtrocken
> 50 g/l mild
一般的にスパークリングワインの残糖管理はテラリキュールと呼ばれるものを添加することで調整しますが、もし仮に発酵過程で残糖を管理しようとする場合には瓶内二次発酵方式においては残糖の管理は難しく、狙った残糖を残すには工夫が必要です。残糖をコントロールしたいのであれば、タンク内二次発酵が手法としては適しています。
消費者の方でもextra brutは少々飲みにくい、という人も多くなってくるので、どのような味で管理したいのかを事前に明確にしておくことは重要でしょう。
スパークリングワインの作り方に関してはこちらの記事も参考にしてください。
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買う側も、買ってみたら思っていた味よりも甘くて残念だった、ということにならないよう、ご注意を。