仕事の流儀

なくなる余裕

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昨日の記事、”芽掻きの時期はまだ続く”で複数の作業が並行して行われていることを書きました。

 

この記事ではあくまでも準備として扱っていたのですが、一部の畑ではすでにぶどうが筆者の身長(約180cm)以上の長さまで成長している樹がちらほらと見え始めたことから、急遽、作業を行っていた畑を変えてワイヤー上げの作業を開始しました。しかもこの畑ではぶどうの品種が比較的成長の遅いものでもあったことから、芽掻き作業も後回しにしており、大慌てで芽掻きも行うという一日になりました。

 

成長が約2週間速い

今年のぶどうの成長の速さには目を見張るものがあります。

 

もともと今年の冬はとても温暖で、2月に異様なまでの冷え込みがあった以外は完全に暖冬、と言っていいような状況でした。このため、ぶどうの剪定を行うような時期からすでに今年のぶどうの成長が速くなるであろうことは予想できていたのですが、それでもこれほどまでに速くなるとは流石に予想外です。現時点でのぶどうの成長状況は、一般的な平均と比較して約2週間程度速いと思われます。

 

通年であればこの2週間の間に芽掻きの作業を完了して、落ち着きをもってぶどうの成長状況を観察しつつワイヤー上げに取り掛かれているのですが、今年に関してはそんな余裕はどこにもありません。芽掻きも終わらないままに、ワイヤー上げの作業にかからなければならないのが現状です。

 

ワイヤーはなんのため

垣根仕立てのぶどう畑に行くと目にするのが、ぶどうの樹から伸びる枝を複数本のワイヤーで挟み込んでいる風景です。今日などはこの”枝をワイヤーで挟み込む”作業を行っていたわけですが、これはなんのために行われているのか、ご存知でしょうか?

 

ぶどうの枝というものは非常に脆く、折れやすいです。特に枝の半ばからポキっと折れるというよりは、枝の付け根のところからポロッととれるような折れ方をします。この枝の付け根はとにかく脆く、風が吹いて枝が少し煽られたり、動物やトラクターによってちょっと引っ張られたりしただけでも簡単に折れます。このため、ぶどうの枝が折れることを少しでも防止するためのガイドとしてワイヤーが使われているのです。

 

ぶどうの枝をワイヤーの範囲内に入れてやることで枝が単体として風に煽られにくくなりますし、トラクターなどでの作業中に枝を引っ掛けてしまうようなことも防止できるのです。

 

ただこの一方で、ワイヤーの範囲に収めようとすることで葉や枝の密度が高くなり、風通しが悪くなってしまったり、お互いの距離が近くなることでカビなどの病気感染が拡大しやすくなってしまう、というような欠点もあります。またワイヤーはぶどうの成長にあわせてその高さを変えていく必要があるのですが、このワイヤーの高さを変える作業中に枝をワイヤーに引っ掛けてしまってかえって折ってしまうような場合もあります。

 

 

ある程度枝が成長してくると、それ以降にその枝が折れてしまうことは明確な痛手となります。ぶどうの枝を守っているワイヤーでその守るべき枝を折ってしまわないように、以後のワイヤー周りの作業では、注意と慎重さが必要となってくるのです。


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