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概要
カビ菌耐性品種(Piwi品種)の一つ。1975年にドイツのフライブルクにあるワイン研究所にてNobert Beckerによって交配品種として生み出された白ワイン用品種。交配はMerzling x Gm6494 (Saperavi Severnyi x St. Laurent)でPiwi品種同士の掛け合わせとなる。MerzlingがSeyve-Villard 5276 (Seyval Blanc) x (Riesling x Pinot Gris)の交配品種であるため、遺伝的には Vitis amurensis, Vitis lincecumii, Vitis rupestris そして Vitis viniferaの系譜を持つ。
Baron, Cabernet Carbon, Divico, Divona, PriorといったPiwi品種の親でもある。
Bronnerの名前はバーデンにおけるワインの先駆者として知られるJohann Philipp Bronnerに由来。イタリア、ドイツ、ベルギー、オーストリア、スイスで栽培され始めている。
特徴
ベト病、ウドンコ病および灰色カビ (ボトリティス) に対して高い耐性を持っている一方で乾燥に対して敏感なため、適切な水分供給が必要となる。熟成速度は中程度から多少の晩熟品種で比較的大きな房をつける。房の重量は280~300グラム程度にまで及ぶ高収量品種である。
一般的な年であれば防除のための薬剤散布は不要とされる。樹勢は強め。
ワイン
香りは比較的ニュートラルな傾向を示す。リンゴ、洋ナシ、アプリコット、マルメロなどの香りとマイルドな酸を持ち、Pinot Blancに似たワインとなる。一方で良好な品質のワインとするためには収穫熟度を上げることに加え、収量を多少、調整することが望ましい。
熟度が不足しているとフェノール系の収斂感や苦味を強く感じることが多くなる。
植栽適正
Pinot Blancと非常に似た植栽適正を示す。一方で乾燥した土地には不適。
一般的なPinot系品種と比較すると生長は一週間から10日程度遅く、このため遅霜の被害は受けにくい。暑かった年でも収穫時における総酸量に変動が少なかったことから、年間平均気温の高めの土地でも栽培可能な品種であると期待されている。
主なクローン
- Fr 320