業務日誌

畑の整備も完了間近

04/24/2019

  • 場所: Wallhausen (ヴァルハウゼン)
  • 天候: 晴れ
  • 気温: 22℃くらい

連休明けは畑の案内から

先週の金曜日からドイツはイースターの休みに入り、昨日の月曜日まで4連休。この連休中はとにかく天気が良く、気温も25度近くまで上がるなど春を通り越してすでに初夏の雰囲気となった

この天気を受け、連休前はまだ固めだったブドウの芽も一気にほころび、休み明けの今日にはすでにほぼすべての畑で芽吹きを確認できる状態になった。

去年は3月末には発芽の記事を書いていたので、それに比べると幾分遅いようにも思えるが、長期平均と合わせればまだ数日から1週間程度速い生育状況となっている。

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そんななか、今日の最初の仕事は畑の案内。

うちのワイナリーでは人手が必要な作業に対して要所要所で外部からの派遣労働者を頼んでいる。彼らの多くはポーランドやルーマニアからの季節労働者の人たちで、毎回、チームの人員が少しずつ入れ替わる。

このため以前に作業をしたことがある畑であっても場所を知らないメンバーが入ることから、作業を開始する前にチームの内のリーダー的ポジションの人を連れてその日に作業をしてほしい畑の場所を案内する必要がある。仮にその畑で以前に作業をしたことがある人が再度来ていたとしても、間違いが無いように毎回必ず踏む工程だ。

派遣の人達の朝は7:30から始まるので、これに合わせて畑に向かい、一通りの畑を案内し、するべきことを指示して自分はそのままワイナリーへ。

ちなみに今回彼らにお願いをした作業は、ワイヤーを下ろして誘引用のワイヤーの下で一度固定する作業。難しくはないが、時間のかかる作業だ。

畑の整備も完了間近

ワイナリーについてからは同僚とまずは壊れて差し替えた柱の回収。

抜いてすぐはトレーラーにまだ差し替え用の新しい柱や各種道具を積んでいたので回収が出来ていなかった分をまとめて回収。あちらこちらの畑に行くようなので、回収した柱の廃棄作業も含めるとそれなりに時間がかかる。

ちなみに畑の改修作業については「春を目前にしたブドウ畑の大改修 | ワイナリーの仕事」の記事に書いている。

春を目前にしたブドウ畑の大改修 | ワイナリーの仕事

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なんだかんだで11時前までかかってこの作業を完了し、ワイナリーへ帰還。

そのまま同僚はトラクターで急斜面の畑に施肥する作業へ向かい、筆者は別のトラクターのセッティングを変えて畑の石集めへ向かう。

石は作業の大敵

今回の作業に向かったのは一昨年新しく植え替えをした畑。

植え替えをしてすぐはあまり畑にトラクターを入れたりしないためそれほど問題にならないものの、樹が成長するに従って無視できなくなるのが畑の石の存在だ。

畑の土を鋤き込む作業や雑草を刈る作業などなど、畑の土に関わる作業をトラクターで行う際に石があると器材を痛めてしまうだけでなく、飛び石などの原因となって作業の危険性が増すことになる。なので出来うる限り畑の石は除去する必要があるのだけれど、この作業、手作業以外にやりようがない。

ブドウの列に石を入れるバスケットのようなものを取り付けたトラクターを入れ、少しずつ進みながら石を一つ一つ人が手で拾い集めていく必要がある。

今回の作業をする若い畑は昨年の冬から少しずつこの作業を行っていたものの、剪定やら畑の改修作業やらと重要度の高い作業を優先して行っていた結果今に至るまで作業が終わっていなかった。

小さなものからかなり大きな石まで畑に溢れている。普通は2列、ひどい場所では1列でこの容器がいっぱいになる

今日こそはこの作業を終了させられるように思えたものの、途中で大きなトラブルが入ったために敢え無く途中で強制終了。

果たしてこの作業が終わる日は来るのだろうか。。。

中途半端な作業の代償は高くつく

石拾いを途中で止める原因となったのは、朝集めたはずの壊れた柱がブドウ畑の列内に残ってしまっていた畑があり、それが原因となってトラクターの後輪がパンク。畑にもトラクターにも被害が出たことだった。

これらの柱は通常は差し替えたその時点で列の上か下まで運び、それぞれ1箇所にまとめて置くことになっていた。それがあろうことか10本近く回収されずに列の中に残ってしまっていたことが今回の事故を招いた原因だった。

原因はわかっていて、なんとなく予兆もあったことだったにも関わらず、結果として見過ごしてしまったことが高くつくことになった。なにはともあれ、再度すべての列を歩いて未回収だった柱を回収。

道具がなかったため、修理が必要となる柱の入れ替え作業は明日に回すことになった。

トラクターで新しい作業を

柱の回収を終えてワイナリーへ戻ると、ボスから明日はBingenにある畑でトラクター作業をするように、との指示が入る。ただその作業、まだやったことのない作業だったため同僚に近くの畑で教えてもらうことになった。

作業自体は畑の鋤き込みなのでトラクター側での深さや位置調整、固定の硬さなどの設定を一通り教えてもらえば特に難しくはない。教えられた設定に畑の状況に合わせた微妙な調整を加えつつ、一つの畑を終わらせてみる。一部で乾燥がひどく土が固くなってしまっており、鋤が入らない場所もあったものの基本的には問題なく作業を行うことが出来た。

ただ厄介なのは明日作業を行う畑がどこも結構な傾斜をもっていることで、傾斜のなかで車体位置の調整や作業品質を維持することが難しい。

一方でこれは完全に慣れの問題なので、とにかくやるしかない、ということでもある。トラクターの作業は度胸。慌てずにやるしかない、と覚悟を決めたところで本日の作業を終了。

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  • この記事を書いた人

Nagi

ドイツでブドウ栽培学と醸造学の学位を取得。本業はドイツ国内のワイナリーに所属する栽培家&醸造家(エノログ)。 フリーランスとしても活動中

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