概要
ローマ時代の文献にすでにその存在を確認することのできる、世界中で最も古くからある赤ワイン用ブドウ品種の一つ。ブルグンダー種。ブルゴーニュを起源とする野生品種の一つと考えられている。
冷涼な地域や海の近い地域に広く分布している。成熟は遅い。Pinot BlancやPinot Grisなど多くの品種の祖先であることが判明している。
特徴
変異しやすい特徴があり、クローンによって極めて多岐に渡る外観の房をつける。その範囲は小さくコンパクトなものから、バラ房気味で中程度の大きさのものまで様々である。
房は多くの場合円筒形をしており、粒は丸型からオバール形状、果皮は薄く、青みがかった紫色。
ワイン
熟度や醸造手法によってイチゴやチェリー、熟したプラム、カシスまで多岐に渡る香りを持ったワインを造ることができる。またローズマリーやミント、アーモンド、モカなどのニュアンスを含むことも多い。
完熟するとナッツのような苦味を持つ。過熟してしまうと繊細な香りがなくなる場合がある。
植栽適正
土壌の特徴や微小気候に対して非常に繊細で、植栽の立地を選ぶ品種。
果皮が薄いためカビ系の病気にかかりやすい反面、乾燥に対しても弱く、夏の間にも十分な水分の供給を受けられる必要がある。風通しのいい、多少地熱を持ちやすい土壌での栽培がとくに適している。
半ばから強めの樹勢を持つ。成熟の速度はクローンによって大きく差があり、同じ畑で栽培していてもクローンによって収穫時期は7日から10日ほど異なる場合がある。
主なクローン
- F 105
- Gm 18, Gm 20
- Fr 52-86
- Wi 5/6
- F 105 Classic
- SMA 185, SMA 191 など