概要
1929年にドイツのWürttemberg (ヴュルテンベルク) でTrollinger (トロリンガー) とRiesling (リースリング) の交配品種として作られた。大本はWießer Herold (ヴァイサー ヘロルド) と名付けられたが、その後に詩人Justinus Kerner (ユスティヌス ケルナー) の名前にちなんでKernerと改名された。
ドイツでは1970年代に非常に人気を誇った品種であり、Pfalz (プファルツ) からドイツ全土に耕作地が広がった。1992年がKernerの栽培面積がピークになった年であり、ドイツ全土で7800ヘクタールを記録したがその後は減少を続け、2017年時点では2600ヘクタールとなっている。
耕作が多い地域はRheinhessen (ラインヘッセン) と Pfalz (プファルツ) であり、いずれも800ヘクタール程度の面積で栽培が行われている。
現在では日本を含め、南アフリカ、スイス、南チロルなど世界中で栽培されている品種でもある。
特徴
果実は中程から大きめのサイズであり、果皮は厚め。果皮の色は黄緑だが熟度が上がると茶色がかった黄色い色に変わる。
樹勢は半ばから強めを示す。副梢の量も多いため、樹勢および樹形管理のための作業量は多くなる傾向にある。
熟成期間は長く、晩秋までかけて熟成させることが可能。この長い熟成期間によって果汁糖度はRieslingよりも高い水準まで持っていくことが出来る。
ワイン
辛口のものからシュペートレーゼやアウスレーゼといった甘口のものまで幅広いワインを造ることに適している。
熟した果実から造られたワインは控えめで繊細なRieslingと似通ったところのある、香りを含んだワインとなる。酸量は多め。
一方で完熟した果実から造ったワインではナッツやマスカットのような香りを示す。
植栽適正
保水量の多い土壌から乾燥気味の土壌まで幅広い条件の土壌に対して適正を持つ一方で、うどん粉病 (Oidium) に対して耐性が低いため霧の発生しない風通しのいい立地での栽培が向いている品種。
耐寒性は高く、芽吹きも遅いため遅霜被害を受けにくいという特徴がある。
主なクローン
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