- Nagis Wineworld >
- Nagi
Nagi
ドイツでブドウ栽培学と醸造学の学位を取得。本業はドイツ国内のワイナリーに所属する栽培家&醸造家(エノログ)。 フリーランスとしても活動中
Foto: PIWI International (https://www.piwi-international.de/de/) Cabernet Blanc、Cabernet Jura、Muscaris、Souvignier gris。 これらの単語に聞き覚えはあるでしょうか? Cabernet~やMusca~、Souvi~という辺りからなんとなくワイン用のブドウ品種っぽいと思われた方も多いかもしれません。そうです、これらはすべてワイン用のブドウ品種の名前です。 現在はあまり聞くことはないとは思いますが ...
ワイン好きの皆さんの中には、発酵中のワインの状態を醸造所で直接、もしくは写真などを通して見たことがある方も多いのではないでしょうか? かく言う私のTwitterでもこんな写真を投稿したことがあります。 新しい記事をお待ちいただいている方、申し訳ありません今のところ、酵母の世話で手一杯で自分のことは洗濯も買い物にも行けない状態です気長にお待ちいただければと思います pic.twitter.com/HDNK5OFajh— Nagi@ドイツでワイン醸造家 (@Gensyo) September 26, 2019 ...
飲んでいるワインを表現する方法、言葉使いは本当に人それぞれです。 最近ではワインから受けたイメージを言葉にするのではなくそのまま絵にして表現する、という方法も取られています。 ただワインの表現方法としてはまだまだ言葉を使って行うことが一般的ですし、そういった中で出会う頻度の高い単語というものは存在しています。その筆頭にあるのが「ミネラル」という単語ではないでしょうか? この「ミネラル」という単語をワインの表現として使うことの是非については非常に多くの議論があります。筆者個人としては使うことを極力避けている ...
概要 Pinot Grigio、Ruländer (ルーレンダー)の名前でも知られる、灰色がかった赤から紫色の果皮を持つ白ワイン用品種。 Pinot Noirの突然変異種であるが、その歴史は古い。1375年にはすでにカール四世によってハンガリーに持ち込まれていたと言われている。品種としては1711年にドイツの野生化したブドウ畑で再発見された。 特徴 丸形から多少長円形気味の粒で構成された、中ほどの大きさで長円形の詰まり気味の房が特徴的。灰青色から紫がかった果皮の色が名前の由来となっている。 ...
概要 アロマティック系品種として知られている白ワイン用品種。Pinot Grisと同様に灰色を帯びたようなピンク色の果皮をしているため、レッド・トラミネルなどとも呼ばれる。ドイツのプファルツ、南チロルやアルザスでの栽培量が多い。 11世紀ごろから栽培されている品種であり、プファルツを経由してフランスのアルザスやジュラに広まったと言われている。 名前の由来はドイツ語で香辛料を意味するGewürzと南チロルの街名であるTraminからきているとされる。Savagnin Blanc (Traminer) からの ...
ソムリエ試験をはじめ、ワイン関連資格を取る際にほぼ欠かすことが出来ないのがテイスティングではないでしょうか? 特にそのワインに関わる情報を開示されないまま目の前のグラスを利いてブドウの品種や産地、年代をはじめ味や香りに言及するブラインドテイスティングなどはその典型です。 ブラインドテイスティングを行う場合、みなさんはどうやってそのワインの品種や産地を特定していっているでしょうか? 過去に飲んだことがあり、記憶に鮮明に残っているワインがドンピシャで出題されればその経験に則って回答することもできるかもしれませ ...
世界における最高級ワインはなにか、と聞かれたら何と答えるでしょうか? ボルドーやブルゴーニュの赤ワイン? アメリカを中心としたカルトワイン? 多くの人に愛されるシャンパン? それとも今を時めくナチュラルワインでしょうか? ことドイツにおいては法的な格付け上、最高級ワインといえばTBA (Trockenbeerenauslese、トロッケンベーレンアウスレーゼ)、つまり貴腐ワインです。一方でこのような法的な格付けの裏付けがなかったとしても、毎年行われるワインオークションで最高値を付けるのはいつでもTBAであ ...
記事をお読みいただく前に この記事では説明の都合上、学術用語としての“発酵”と一般的なアルコール生成手段としての意味での“発酵”が同一文章内に特に断りなく混在して使用されています 何度か発酵についての記事を書いてきました。発酵とはぶどうジュースがワインになるために絶対に欠かすことのできない、とても重要な工程です。 発酵にはいくつか欠かすことのできない要素があります。そのもっとも代表的な存在が、酵母です。 一方で、ワインに対して酸素が大敵であることは周知の事実です。酸素 = 酸化というイ ...
先日の9月12日に筆者が勤めるワイナリーで2019年シーズン初となるブドウの収穫がありました。ブドウの成長が異常に早く、それに伴い例年よりも1か月近くも収穫が早まった2018年ほどではないものの、2019年もやはり長期平均の視点から見ればかなり早いシーズンの幕開けとなりそうです。 このようなブドウの成熟の早期化の背景には年間平均気温の上昇があります。 地球全体での気候変動が叫ばれて久しいですが、実際にブドウの成熟過程を通して日々その変化を目にしているとその影響の大きさがまさに身をもって実感できます。 そし ...
前回の記事で嫌気環境下における醸し手法の一つとしてMacération carbonique (マセラシオン カルボニック / カーボニックマセレーション)というものを紹介しました。 ただこの手法は若干、特殊なものに分類されており一般的な嫌気環境下における醸しの方法とは言いにくい部分があります。 その一方で、より一般的な嫌気環境下における醸し工程中であっても多かれ少なかれMacération carboniqueが並行して行われている、もしくは意図したわけではなくとも生じている、なんてこともあります。つま ...