Nagi

ドイツでブドウ栽培学と醸造学の学位を取得。本業はドイツ国内のワイナリーに所属する栽培家&醸造家(エノログ)。 フリーランスとしても活動中

ワイン

2021/3/30

ワインのボトルは何で閉めるか

棚に並んでいるワインのボトルを見ていると、実に様々な種類の栓を使ってボトルが密閉されていることがわかります。コルク、合成コルク、スクリューキャップなどなど。最近は技術の発展に併せてシリコン系のものも出てきています。 どんなワインにどんな栓を使うのか。 そこにどんな意味があるのか。 もしくはどんなワインにはどの栓を使えばいいのか。 ワインを楽しむ側も、造る側もそんな疑問を持ったことがあるのではないでしょうか? ふと気になってデータを調べていたところ、少し古いですが2017年にドイツで使われていた栓の種類とそ ...

業務日誌

2021/3/30

イースター前は静かな1日

[circlecard] アンカーワイヤーの修理は5分で終わる 明日からドイツではイースターの連休。 そんな連休前の仕事は昨日の自分の失敗の尻拭いから始まった。そう、昨日のトラクターを使っての施肥の途中で切ってしまったらしいアンカーワイヤーの修理だ。 昨日の夕方に同僚から電話で伝えられた場所に行ってみると、確かにアンカーワイヤーが切れている。ただ、どうにもそのワイヤーがある列にトラクターを入れた記憶がない。 なにかおかしいと思いつつ、切れたワイヤーの断面を見てみるとすでに酸化していて昨日今日切れた断面では ...

業務日誌

2021/3/30

トラクターは肥料の香りと共に

[circlecard] 小雨の中での誘引作業 今日は朝から雨だった。 ブドウ畑での作業に雨はつきもので、多少の雨なら構わずに畑作業をすることが多い。ただその一方で、雨が降るとその程度に関係なくできなくなる作業もある。 その代表例が各種薬剤の散布だ。 これに対して誘引作業というものは天候は関係ない。むしろ雨が降っていると湿度が高く、ブドウの枝も柔らかくなるので都合がいいとさえ考える。つまり、今日の朝一番の仕事は昨日剪定を完了した畑での誘引作業だった。 誘引作業自体は雨だろうと特に問題ないのだけれど、困るの ...

業務日誌

2021/3/30

ドキドキのトレーラー牽引、そしてまさかの剪定作業再び

[circlecard] 器材の洗浄とドキドキのトレーラー牽引 昨日の慌ただしい朝から一転して、今日は静かなスタート。 まずは昨日使いっぱなしになっていた、剪定した枝を破砕するための器材を洗浄することから仕事を始めた。 「器材」といっても実際はトラクターにくっつけているアタッチメントなので気軽に手に持って洗うなんてことは当然出来ない。なのでトラクターにくっつけたまま洗浄しても問題のない場所まで移動し、上げられる最大の高さまでトラクターの牽引用フックを持ち上げた状態で高圧洗浄機を使って洗浄する。 装置の内部 ...

業務日誌

2021/3/30

ボトリングからのトラクター作業

[circlecard] ボトリングから始まった1日 今日は朝からボトリング。 いつもより1時間早く職場に向かい、ホースやポンプといった器材を準備。ボトリングの装置自体は金曜日に場所を開けておいた倉庫の中に昨晩中に搬入されていたので、今日は熱湯を通して消毒しつつホースなどの接続をするだけですぐに作業を開始できる。 本日のボトリングのノルマは3種類のワインを合計で約9000リットル。内の1種類はちょっと特別なワインなため、使用するボトルもコルクもコルクキャップも、そしてエチケットも完全な別仕様。なので作業中 ...

栽培

2021/3/30

ワイヤーヒーター、新しい霜害対策となるのか

ここ20年ほどで欧州においてブドウが遅霜による被害を受ける事例が増えてきています。ドイツで見てみれば、1997年、2003年、2011年、2017年と4度もの大被害を記録しているのです。 今年も4月に入ってフランスやドイツのあちこちで夜間の冷え込みが強くなることが予想され、霜の被害を受ける可能性が高くなったことから畑で火を焚いたり送風機を用意したりという事例が報告されています。 こういった被害の背景にあるのは冬の気温の上昇に伴うブドウの発芽の早期化です。 ブドウの発芽の早期化については「早すぎる程に早いブ ...

業務日誌

2023/8/7

リアル倉庫番な一日

[circlecard] 効率はパズルのように 「倉庫番」といってどれだけの方に分かっていただけるかはわからないけれど、要は週明けに予定されているボトリングのためにほぼ一日中フォークリフトに乗って倉庫の整理をした一日だった、ということ。 現在勤めているワイナリーではボトリングのための充填設備を自分たちの建屋内には常備しておらず、ボトリングのタイミングに合わせて外部から運び込んでいる。 規模の小さなワイナリーではこのような場合にワイナリーの外に充填設備を設置して作業を行うような場所もあるのだが、それだと天候 ...

業務日誌

2021/3/30

日がな一日木を切った日

[circlecard] 畑のエイリアンを駆逐する どうにか所有するすべての畑で壊れた柱の入れ替えや切れたアンカーやワイヤーの修理が終わり、仕事は次のステップへと進むことになった。 とはいっても剪定した枝の誘引やワイヤーの引き下ろし作業は基本的に東欧方面からの季節労働者の方にお願いすることになったため、我々はまた別の作業に取り掛かることに。 この時期にやる作業としてはいくつかあるものの、今日はイレギュラーともいえる畑のエイリアン退治をすることになった。そう、どこから出てきたのかわからないけれど、畑のあちこ ...

不快臭 徹底解説

2022/7/7

ワインの天敵、硫化臭の正体と取り除き方

ワインの醸造をしていると、どんなに気をつけていても何らかのエラーが発生してしまうことがあります。 そんなエラーの中でも特に発生頻度の高いものの一つが、硫化臭です。 硫化臭はいわゆる腐ったタマゴの匂いであり、臭いの種類としてとても目立つものでもあります。ボトルを開けたときにこの臭いが出てしまうとそれだけでワインに対するイメージを低下させる可能性の高いものでもありますので、ワインを造る側としては絶対に避けたいオフフレーバーの一つです。 そんなワイン造りにおいて厄介な硫化臭ですが、予防する手段、発生してしまって ...

ランキング

2021/3/30

ドイツのベストワイナリー

規模の大きなところから小さなところまで、星の数ほどワイナリーが存在するドイツ。その多くは本当に小規模な家族経営によるもので、すべてを網羅することはほぼ不可能です。 一方でそんな数多あるワイナリーの中でも有名どころというものはやはり固定する傾向にあり、誰による、どんな評価やランキングを紐解いてみても必ず出てくる名前、というものも存在しています。 今回はドイツでも有名なワインガイドの一つが掲載しているドイツワイナリーのベストランキングをご紹介します。 今後、ドイツワインを選ぶ際の参考にしてみてください。 ドイ ...