Nagi

ドイツでブドウ栽培学と醸造学の学位を取得。本業はドイツ国内のワイナリーに所属する栽培家&醸造家(エノログ)。 フリーランスとしても活動中

徹底解説 醸造

2021/3/30

徹底解説 | 赤ワインはなぜ赤いのか?

赤ワインはなぜ赤いのか? こんな疑問を持ったことがある人は多いのではないでしょうか? この疑問の回答を得るべく調べてみると、割と簡単に得られるのが以下のような情報です。 これは正しい回答です。 赤ワインが赤い理由は確かにアントシアニンを含んでいるからですし、このアントシアンの抽出を補助しているのがマセレーションと呼ばれる果皮も漬け込む醸造手法であることは100%事実です。 一方でこれが完全に正しい理解かというと、少々物足りません。 例えばこの情報だけで以下のような質問に答えられるでしょうか? これらの質問 ...

業務日誌

2021/3/30

乾いた地面をほぐす作業

[circlecard] 午前中は雑務を中心に 昨日は一昨日の800年記念祭の後片付けに1日費やしたにも関わらず、今日もまたその関連の作業から仕事が始まった。 まずはイベントの時に入った注文分の出荷作業。 ワインが売れてくれることはありがたいことだが、こうして出荷作業で時間と手を取られることは正直、あまりありがたくない。畑やケラーの担当からしてみれば痛し痒しなところだ。 商品補充はフォークリフトでサクサクと 出荷作業が終われば、次は売れてすかすかになったワイナリー併設のショップ (ドイツではVinothe ...

業務日誌

2021/3/30

宴の後は

[circlecard] 宴の後に残るもの 昨日の800年記念祭が終わった後、片付けを放棄して帰った我々が今朝になって目にしたものは当然ながら荒れた会場の後。 幸いなことに紙コップやプラスチックの皿といった使用後に捨てる系統の食器は一切使っていなかったのでゴミがそこかしこに溢れているようなことはなかったのものの、ワインや水、ジュースの空き瓶やグラス、食器類はそれなりにテーブル上に散乱している状態だった。 これらを黙々と片付ける、片付ける。 空き瓶を回収し、開封しなかったワインのボトルを倉庫に戻し、テーブル ...

業務日誌

2021/3/30

800年記念祭

[circlecard] 800年間所有し続けているブドウ畑 筆者が勤めているワイナリーはNahe (ナーエ) 地方にある個人所有のワイナリーだが、その歴史は個人所有のものとしてはドイツで最も古く、800年以上もの時間を過ごしてきている。 所有者は時代が時代ならとても有力な貴族の家系で、今でもお城を複数所有しているのだから一般庶民の筆者としてはその規模の大きさには驚きを通り越して呆れるしかない。 そんな当ワイナリーで、というよりも、ワイナリー所有者の家を挙げてのお祝いが本日行われた。 その内容は、Fels ...

業務日誌

2021/3/30

イベント前日は畑作業も後回し

[circlecard] 1日の最初はお遣いを 今日の最初の仕事は明日のイベントで使うためのグラス、2種類合計600脚のピックアップとクリーニングに出していたテーブルクロスの受け取りから始まった。 明日のイベントは見込み客数が450人を超えるとあってワイナリーにあるグラスだけではとても数が足りないため、ワイン関係のイベント用に各種器材をレンタルしている会社から借り受けることにしたらしい。 このグラスを受け取るために大きめのワゴン車で現地に向かう。 グラス自体はプラスチック製のラックに入れられているため多少 ...

業務日誌

2021/3/30

トラクターを使って草刈り作業

[circlecard] 草刈りもトラクターで Mulcherと呼ばれるトラクター用のアタッチメントがある。Mulcherというのはドイツ語での名前で、英語ではrotary cuttersという。 この名前が示すとおり、装置の下面がむき出しになっておりその中に回転する刃が設置された構造となっている。 なにをするための機械かといえば、ブドウ畑などで雑草を刈るための装置だ。 Mulcherにはトラクターの前につけるタイプのものと後ろにつけて引っ張るタイプのものがある。 トラクターの前に付けるタイプのMulch ...

業務日誌

2021/3/30

外国人の特別な事情

[circlecard] ビザのために外国人局へ 海外で生活しているとほぼ確実に切っても切り離せないのが、外国人局とのお付き合い。 滞在許可証や労働許可証といった我々外国人がその国で生活をしていく上で絶対に必要になる書類を管理しているため、ここからのお呼び出しがかかるとまずはよほどのことがなければ最優先で対応をする相手でもある。 今回筆者はそれまでお世話になっていた外国人局の担当区域外に引っ越しをした関係で、新しく住み始めた地域を担当している外国人局からお呼び出しがかかった。 このため今日はまずは朝一番で ...

業務日誌

2021/3/30

慣れるとトラクターは楽しい

[circlecard] ラベリングから始まる1日 今日の朝一番の仕事は急遽、必要になったワインのラベリングから。 このワインはまだリリースを控えているもので、ボトリングは終わっていても保管中にエチケット(ラベル)を汚さないためにまだラベリングしていなかった。 このワインが急遽、20箱ほど必要になったということでまずはこれらのワインのボトルにラベルを貼ることに。とはいってもラベリング自体は機械を通してしまうのでそれほどの手間はかからない。特にトラブルが生じることもなく必要量を完了して次の作業へ。 1人で杭 ...

業務日誌

2021/3/30

トラクター作業は怖くない

[circlecard] Terrasseでの除草剤散布 今日はビンゲンにある畑での作業指示が出ていたものの、まずはヴァルハウゼンの畑での作業から1日が始まった。 ヴァルハウゼンには通常の形式の畑の他に、急斜面を横断する形でTerrasseと呼ぶ形式の畑がある。このTerrasseはその形から通常の作業では対応できない、もしくは対応しにくい作業がある。 その一つが、除草剤の散布だ。 通常の、ブドウの樹の葉に対して薬剤を撒く作業は何ら問題がない。しかし、除草剤のように樹の根に近い部分に薬剤を撒かなければなら ...

業務日誌

2021/3/30

畑の整備も完了間近

[circlecard] 連休明けは畑の案内から 先週の金曜日からドイツはイースターの休みに入り、昨日の月曜日まで4連休。この連休中はとにかく天気が良く、気温も25度近くまで上がるなど春を通り越してすでに初夏の雰囲気となった。 この天気を受け、連休前はまだ固めだったブドウの芽も一気にほころび、休み明けの今日にはすでにほぼすべての畑で芽吹きを確認できる状態になった。 去年は3月末には発芽の記事を書いていたので、それに比べると幾分遅いようにも思えるが、長期平均と合わせればまだ数日から1週間程度速い生育状況とな ...