概要
世界中で200,000 haを超える耕作面積をもつ、世界で最も栽培されている品種。フランスのボルドーを原産地とする、Cabernet Franc (カベルネ・フラン)とSauvignon blanc (ソーヴィニヨン・ブラン)との自然交配種。
小粒で厚い果皮を持つため、ワインにすると色が濃く、タンニンの強い味わいとなりやすい。
特徴
房は長めな一方で、粒は小さいか中程の大きさ。丸い形状をしており、果皮は色が濃く厚い。果肉は固め。
厚い果皮から抽出されるタンニンが特徴的。また、果実の熟度によってピラジンの含有量が変わり、それに伴って香りの種類もピーマンのような野菜的なものからジャムのようなニュアンスを持ったカシスの香りまで変化する。
樹勢は強いが、成熟は遅め。
ワイン
非常に色の深い赤から紫にかけた色合いに、カシス、ピーマン、黒胡椒、ヒマラヤスギ、ナデシコなどの香りを持ったワインを造ることができる。
収穫年や瓶内熟成の期間によってタンニンのニュアンスが明確に変わるが、同時に長期熟成に適したポテンシャルを持つワインとなることが多い。バリックや木樽での醸造に適している。
植栽適正
軽めの砂利や石英、粗い砂系の土壌に適正を持っている。逆に秋口に雨の多い、粘土や石灰の多い土地では完全に成熟させることが難しい。
樹勢が強いため、植栽土壌だけでなく樹勢の弱い台木の選択や短めに行う剪定などでも対応が必要。
主なクローン
- INRA 15, INRA 216, INRA 217, INRA 218, INRA 219
- INRA 169, INRA 191, INRA 337 など