醸造

コンクリートはワイン造りを変えるのか

2022/12/4

コンクリートの中で発酵、熟成させるワインに注目が戻ってきています。 コンクリートは現代人にとってとても馴染みのある建築材料です。どちらかといえば建築物の外壁などに使われているイメージの強いコンクリートですが、ワイン造りにおいてはタンク用の素材です。 コンクリートで作られたタンクはかつても使われていました。そのためコンクリートはワイン造りの現場にとって特に新しい存在というわけではありません。ただ、最初に訪れたコンクリートの波はその後に登場したステンレスタンクに置き換えられる形で姿を消していきました。それが今 ...

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品質管理

ワインと生体アミンの関係を知る基礎講座

2022/11/6

生体アミンという単語に聞き覚えはなくても、ヒスタミン、チラミン、もしくはドーパミンという名前を知っている方は多いのではないでしょうか。 最近、ワインに関連して生体アミン (biogenic amine: BA) の話題を耳にすることが増えてきました。 生体アミンはオフフレーバーのような、ワインにおける欠陥の類とは少し違った場所に位置付けられている物質です。生体アミン自体はその人体有害性により食品安全の視点からすでに長期にわたって研究が進められてきています。ワインについてもかなり以前から研究は存在していまし ...

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二酸化硫黄

亜硫酸のはなし | 亜硫酸なのか、二酸化硫黄なのか、亜硫酸塩なのか

2022/10/19

ワインに入っている代表的な添加物である酸化防止剤。ある時には防腐剤といわれ、またある時には漂白剤といわれ、またまたある時にはワインを飲んで感じる頭痛の原因ともいわれています。 いかにもネガティブな印象を受ける情報が多い一方で、実は酸化防止剤ってこういうもの、という、その役割や重要さ、ワインに使われる範囲での量における人体有害性の低さを丁寧に説明している情報もまた多く存在しています。結局のところどうなのかといえば、感情的な好悪と一部のアレルギーを持った人に対して以外であれば、使い方をきちんと理解して使う分に ...

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品質管理

ワインの輸送と保管と温度管理 | 熱の影響を考える

2022/10/9

夏の暑い時期、ワインの配送はクール便指定にするのが半ば当たり前のことになっています。自宅に届いたワインの保管、可能な限りワイン用のセラーに入れておくことが推奨されています。 こうした「温度」に関係した取り扱い方法や注意事項がよく言われる理由は、ワインという飲み物がとても温度に対して敏感だからです。 温度に敏感とは具体的にはどういうことでしょうか。それは、高い温度がかかることで味や香りが容易に変わってしまう、ということです。こうした影響の出方は多くの場合、あまり好ましくない傾向を持っているため熱の影響を受け ...

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醸造

ワイン造りと清澄 | デブルバージュの意味と方法

2022/9/27

ワインの勉強を始めると普段の生活ではあまり耳慣れない言葉に出会うことがあります。その1つが「清澄」ではないでしょうか。 清澄という単語を辞書で調べてみると、「澄みきっていて清らかなこと。また、そのさま」(デジタル大辞泉より引用) と出てきます。ワイン造りの現場でこの言葉を使う時には主に、濁った状態の果汁やワインを何らかの方法で濁りのない状態、もしくは濁りの少ない状態にすることを意味しています。清澄剤とはこの清澄作業の際に補助剤として果汁もしくはワイン中に添加するもののことです。ちなみに濾過もこの清澄作業の ...

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醸造

ワイン造りの新常識! 酵素を知るための一問一答

2022/9/2

ワイン造りの現場で、酵素が注目を集めています。 酵素はヒトの生体活動から日々の生活にまで広く利用されています。消化酵素や酵素剤という単語を日常生活の中で耳にしたことのある方も多いと思います。さらに酵素は洗濯洗剤や鉱物の掘削にまで利用されています。まさになくなると生活が成り立たなくなる存在。それが酵素です。 そんな酵素がワイン造りの現場でどう利用されているのか。一問一答形式で解説していきます。 酵素は結局なんなのか そもそも酵素とはなんなのか。成分的な意味での答えは、ほとんどの場合はタンパク質、です。酵素は ...

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徹底解説

酵母のチカラ | ワインの熟成と滓の関係

2022/8/21

ワイン造りでは酵母の存在が欠かせません。酵母がいるおかげでブドウのジュースはワインになることができます。 ワイン造りの主役ともいえる酵母ですが、その活躍の場はアルコール発酵中だけに限らないことはご存知でしょうか。酵母はアルコール発酵という大役を終えた後も、滓となってワインの熟成に大きな影響を与えています。 例えばシュール・リー (Sur Lie) と呼ばれる醸造方法は、アルコール発酵後の熟成期間中もワインを滓と一緒にしておくことでワインが滓からの影響をより強く受けるようにするものです。シャンパーニュに代表 ...

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醸造

ブドウの香りとワインの香りはどうして違う | 揮発性化合物と前駆体

2022/8/4

ワインを楽しむうえで欠かすことのできない要素。香りは間違いなくその重要な要素の1つです。 ワインをグラスに注ぐ。いきなり口に含むことはせず、まずはグラスを鼻に近づけて立ち昇ってくる香りを楽しむ。時にはグラスを回してさらに香りの変化に集中する。そうしてからやっとワインを口に含んで味をみる。 この一連の流れはもはやワインを味わうときの儀式といってもいいかもしれません。 ワインには数百種類を超える種類の香りが含まれているといわれています。とんでもない量と思われるかもしれませんが、ヒトの嗅覚器官はその十倍、数千種 ...

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不快臭

1からわかる還元臭 | ワイン最大の欠陥臭を理解する

2022/7/28

ワインには時に不快臭や欠陥臭、オフフレーバーと呼ばれる好ましくない、時には明確に嫌な匂いがするものがあります。 数あるワインの不快臭の中でも代表的なものが、還元臭です。 誤解を恐れずにいえば、還元臭を含むワインとの出会いは日常茶飯事です。ワインの世界的なコンテストの1つであるInternational wine challenge (IWC) で2006年から2008年の間に欠陥臭があると判断されたワインのうちの実に26 ~ 29%が還元臭だったそうです。またOIVによる報告では、2015年の全世界におけ ...

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品質管理

ワインとタンパク質 | 濁りやアレルギーの原因への対処法

2022/7/3

ワインにはタンパク質が含まれています。意外と知らない人も多いことですが、事実です。 知ってるよ、清澄剤として添加するのでしょう?と言われる方もいらっしゃるかもしれません。その通りです。ただ、清澄剤に由来しないタンパク質もワインには含まれます。 ワインを飲めばタンパク質まで摂取できるのであれば健康的でいいじゃないか、と言いたいところですが、ワインにおいてタンパク質は厄介者です。入っていていいことは残念ながらほとんどありません。 ワインにとって大きな問題となる可能性を持つタンパク質。由来と対処方法について整理 ...

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