Limited ワイン ワインあるある

2025/11/5

ワインは畑ごとに味が違う、は本当か?

ワインの味を話すときによく、「ワインは畑ごとに味が違う」ということを聞いたりしないでしょうか? これ、実はものすごく当然のことです。 というか、この言説に納得している人、誤魔化されています。いろいろと。 え、誤魔化されてる?なにに?? と思った方、ぜひこの記事を読み進めてください。きっとこれからは素直に「畑ごとの」ワインの味を見ることが出来なくなると思います。 何が違って何が同じなのか さて、造り手や売り手、その他のワイン関係者に誤魔化されないようになるためにはまず最初に一つの問いかけに答えてもらう必要が …

ワイン 不快臭

2021/9/11

ワインの個性か汚染か | ブレットを知る

ワインを飲んでいると避けることのできない悲劇がいくつかあります。 真っ白いシャツに赤ワインのシミを作ってしまう。ついつい飲み過ぎて翌日に酷い頭痛に悩まされる。誰にでも経験があると思います。そうした悲劇の1つが、楽しみにしていたワインからおかしな臭いや味がする、というもの。楽しくなるはずの時間が一瞬で崩壊する可能性の高い、とても大きな悲劇です。 ワインから本来はしないはずの臭いや味がすることを一般に、ワインの欠陥臭 (オフフレーバー、不快臭とも) といいます。コルクが原因となってカビのような臭いのするブショ …

ワイン

2022/4/20

ドイツワインは難しい? | ドイツワインのカテゴリーを知ろう

ワインの勉強をしていると世界各国のワインの情報に触れます。特にソムリエールやワインエキスパート、WSETといった試験を受けようとする方はその膨大な量の情報に頭を悩ませているのではないでしょうか? そんな中にあって、特に分かりにくいと評判なのがドイツワイン。 JSA、日本ソムリエ協会が管轄しているソムリエやワインエキスパート試験の対策を行う際にはドイツワインは捨て問として最初からなかったものにする、なんて話も聞こえてくる程です。 実際にドイツでワインのことを細かく規定しているワイン法という法律は、非常に難関 …

ワイン 不快臭 栽培 醸造

2025/10/11

ワインのオフフレーバー | UTA / ATA

ワイナリーやワインショップで試飲して気に入った白ワイン。買って帰ってきたけれど、まだ飲み頃には少しだけ早い気がしてもうしばらく自宅のセラーで寝かせることにした。 その後半年経ったある日の食卓。 本当はもう少し寝かせておいた方がいいと分かっていながらもついつい我慢できずに取り出してきたのがこのワイン。まだ早いんだろうなぁ、と頭の片隅で考えながらもコルクを抜いて、さぁお楽しみの時間!と思ったらなんだか違う。 まるで何年も寝かせていたような、酸化したようなニュアンスがある。自分の保管方法が悪かったのだろうか?ち …

ワイン

2021/3/30

ビオとエコは違うのか?

世の中のワイナリーを見渡していると、通常のワイナリーの他にビオロジックとエコロジック、ビオディナミッシュ(英語:バイオダイナミクス)というような区分を見つけることが出来ます。 今回はこの中でも、ビオロジックとエコロジックについて注目してみたいと思います。なお、筆者がこれらの単語をカタカナで表記することにどうにもならないほどの違和感を感じるため、以後はそれぞれ、Bio、Ecoと表記することにしたいと思います。 BioとEcoの違いは何か? そもそも日本ではこの辺り、特にEcoの概念に対する定義が曖昧なことが …

ワイン

2021/12/31

Rieslingに特徴的な香りを考える | モノテルペンとノルイソプレノイド

ドイツワインを代表する白ワイン用ブドウ品種であるリースリング。 引き締まった酸と透明感のある果実味を持つワインを生み出す品種です。熟成をしていくと特徴的なペトロール香が出ることでも知られています。 ブラインドテイスティングの際にはこのペトロール香を頼りに品種を特定していく、という方も多いのではないでしょうか。 一方でリースリング自体はアロマティック系のブドウ品種としても知られています。特徴的な香りは白桃、レモン、アプリコット、白い花、はちみつ、トロピカルフルーツ。産地や造りによって出てくる香りの幅が広いせ …

栽培

2021/3/30

山と川は必要か?ブドウ畑の立地条件

先日、当サイトの記事を読んでくださっている方から「ブドウ畑やワイン生産者における山や川の重要性」についてご質問をいただきました。せっかくですので今回はこのテーマについて筆者の個人的な見解に基づくものになってしまいますが、解説したいと思います。 この記事では といった疑問にインデックスという概念からお答えします。 山や川の役割とはなんなのか、ということをこの記事で理解していただき、ソムリエ試験のための勉強の補助としていただければ幸いです。 [circlecard] 前提条件!山や川は動かせない まず最初にご …

ブドウの病気 栽培

2025/6/30

気温の上昇で被害が続出 | ブドウの日焼けとはなんなのか

夏の時期を迎え、畑ではブドウの樹が成長を続けています。 これをうけて今畑では伸びた副梢の除去や除葉、そして成長点の切り落としなどの作業が同時並行的に進められています。 そんななか、去る6月26日および6月30日の2日にわたってドイツでは最高気温が40℃に迫る、もしくはところによってこれを超える事態となりました。 もともと冷涼な土地といわれているドイツにおいて6月末のこの時期にこれほど気温が高くなるのは極めて異例なことです。加えてこれ以前から雨が少なく非常に乾燥した状況であったことも災いし、ブドウ畑では若い …

ワイン 栽培

2025/12/3

数字からみる南アフリカワイン | なぜ南アフリカワインは安くて美味しいか

南アフリカワイン。 安くて美味しいワインとして今や欠かすことのできない存在です。一時期は「安くて美味しい」といえばチリワインが代名詞でしたが、最近は南アフリカがこのカテゴリーの筆頭に挙げられることも増えてきたように思います。 南アフリカワインを語る時によく耳にする三拍子が次のようなものではないでしょうか。 フルーティーで果実味がしっかり感じられる 甘さもあるけれど酸味もしっかりしている コスパがいい さらにこれにセットで、ワイン用ブドウの栽培に適した気候、地球最古の土、低コストでプレミアムワインを造る最適 …

徹底解説 栽培

2025/7/31

徹底解説 | フィロキセラ

Phylloxera (Viteus vitifoliae). Woodcut engraving from the book “Gartenbau-Lexikon (Encyclopedia of Horticulture)” by Th. Rümpler. Published by Paul Parey, Berlin (1882) 2019年3月5日、オーストラリアのヴィクトリア州ヤラ・ヴァレーのブドウ畑で新たにフィロキセラによる被害が発生した、というニュースが流れました。 フィロキセラといえばブド …

栽培

2021/3/30

ワイヤーヒーター、新しい霜害対策となるのか

ここ20年ほどで欧州においてブドウが遅霜による被害を受ける事例が増えてきています。ドイツで見てみれば、1997年、2003年、2011年、2017年と4度もの大被害を記録しているのです。 今年も4月に入ってフランスやドイツのあちこちで夜間の冷え込みが強くなることが予想され、霜の被害を受ける可能性が高くなったことから畑で火を焚いたり送風機を用意したりという事例が報告されています。 こういった被害の背景にあるのは冬の気温の上昇に伴うブドウの発芽の早期化です。 ブドウの発芽の早期化については「早すぎる程に早いブ …

栽培

2021/3/30

台木ってなんだ?

先日、クローンに関する記事を書きましたが(関連記事: クローン、、、何かに似ていませんか?)、このクローンという単語と同じくらいブドウ畑の中でよく聞く単語が台木です。今日はこの台木というものに焦点を当ててみたいと思います。 台木とは そもそも台木とは何でしょうか? これは読んで字の如く、台となる木のことです。これだけだとなんの説明にもなっていないですね。しかしその一方で、この言葉が台木の全てでもあるのです。 ブドウはクローンのお話しの際に書いたように、挿し木によって増やすことの出来る植物です。挿 …

醸造

2021/3/30

暑すぎた夏の代償

ドイツの今年の夏が暑かったこと、そのせいでブドウの成長が例年にないほど早く進んだことはこれまでの記事でも折に触れて書いてきました。その結果として、実際に今年の収穫はドイツ各地で未だかつてないほど早く始まることとなり、筆者の勤めるワイナリーでもすでに収穫が開始されています。 よく夏が暑くてブドウの成長が早くなるのは悪いことなのか、と聞かれるのですが、これは簡単に答えるのが難しい質問です。 暑くなるとワインは力強くなる この質問の答えの一つが、ポルトガルやスペイン、イタリアといった南欧の、そのなかでも暑い地域 …

醗酵

2026/2/17

ワイン造りにおける自然発酵を制御する技術|ピエ・ド・キューブ

自身のワインを造る際、発酵に乾燥酵母を用いるのか、それとも土着酵母、いわゆる野生酵母を用いるのかを一度も悩んだことがない、という生産者はあまり多くはないのではないでしょうか。 発酵の安定性が高く、安全なワイン醸造を行っていくのであれば乾燥酵母を用いた発酵を選択するのが確実です。これに対して野生酵母を用いる自然発酵では、発酵過程における各要素の不確実性が高く、それが不完全な発酵をはじめ様々な発酵上のトラブルの原因となることはよく知られています。また自然発酵ではオフフレーバーの原因となる化学物質の生成を通して …

醸造

2021/3/30

ワインの味わいを作る、ということ

ワインの味はブドウの味であり、その味は畑で作れらます。だからこそワインメーカーは畑での仕事に力を入れるのです。 しかし、ワインの味はケラーで作られるものでもある、ということはご存知でしょうか? ワインの味は作業によって作り込める ワインの味は醸造過程の作業一つで大きく変わります。 発酵にどの酵母を使うのか、酵素を使うのか、樽を使うのか、使うなら新樽の比率、ローストの程度はどのくらいにするのか。また、単純にどの工程にどの程度の時間をかけるのか、なんてことでもその味は大きく変化します。数え上げたら本当にきりが …

醸造

2022/4/16

ワインの香りの秘密

ワインの香り。それはワインを楽しむ上でとても重要な要素です。 ワインに含まれる香りの成分はとても多く、数百種類に及ぶとも言われています。そうした中からそれぞれの香りを拾い上げ、表現する行為はワインを楽しむ醍醐味の1つでしょう。 ワインの香りを探っていると、時として意外な香りに出会うことがあります。ブドウだけから造られているはずなのに、花や木、動物を思わせる香りがあるだけではなく、スパイス、バニラ、チョコレートなんてものも出てきます。 ワインの香りは使われているブドウの品種によっても違います。普段から飲みな …

醗酵

2021/3/30

酵母ってなんですか?

発酵に欠かせないもの、それが酵母です。 酵母とは微生物の一種で、およそ発酵とよばれる工程がともなう場面では非常によく利用されているものになります。ワインや日本酒における発酵はもちろん、パン生地の発酵などにも利用されます。あまり認知度は高くないようですが、チョコレートに必須のカカオ製造にも酵母は無くてはならないものです。一方で発酵は発酵でも、味噌、醤油、ヨーグルト、塩辛、漬物などに利用されている、いわゆる乳酸菌発酵は酵母ではなく、その名前の通り乳酸菌を利用したものとなります (味噌や醤油の発酵には酵母も利用 …

醸造

2021/8/5

ワインの移動手段 | ポンプと重力

ワイン造りの現場では果汁やワインを移動するのは日常茶飯事です。こうした際には頻繁にポンプを利用するのですが、最近はこれ以外の方法も使われるようになってきました。Gravity flow (グラヴィティ フロー) です。 Gravity flowとは、Gravity (重力)flow (流す)という名前の通り、機械を使わずに重力で液体を移動させる手法のことを指しています。簡単にいえば、液体を高いところから低いところに流すことで移動させる技術です。 なぜいま重力を使うこの方法に注目が集まっているのかといえば、 …

Youtube

2024/6/25

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#31 | ボジョレー・ヌーボーで有名な手法を醸造家が解説!マセラシオンカルボニックの真実

聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第31回のテー …

Youtube

2025/7/31

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#39 | 日本で自然派ワインを造れるか?醸造家と考えてみた。

ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第39回のテーマは日本で自然派ワインを造る方法についてです。 動画の概要 このYouTube動画は、ワインブロガーと醸造家が「日本で自然派ワインを造る難しさ」を深掘りする対談です。特に、日本の高温な気候がワインの品質と安定性に与える悪影響に焦点を当て、微生物の活動増加やワインのpH上昇といった課題が論じられています。彼らは、自然派ワインの明確 …

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2023/9/3

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#23 | 徹底解説 ワインと糖

https://www.youtube.com/watch?v=4Vh-uAzcqQE 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …

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2023/7/30

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#19 | ワインの色と発酵の条件

https://www.youtube.com/watch?v=zyZrKqCUdG0 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …

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2022/9/9

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#6 | ワインと添加物

https://youtu.be/3vpP23Xs-YU 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …

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2022/9/3

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#4 | ワインと有機栽培

https://youtu.be/e-9WqBsic_E 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …

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「ワインはブドウだけから造られているもの」。多くの人が思っているはずのことですが、それに反して一部のワインのバックラベルを見ると添加物に関する記載がある場合があります。 添加物にはいくつかの種類があり …

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食品は衛生的であるべき。 現代を生きる私たちにとっては当たり前のように感じていることです。しかし、実際に日本で食品衛生法が施行されたのは1948年のこと。今から75年前のことです。2018年にはこの食 …