ナチュラルワイン 品質管理

2025/7/28

ワインに品質管理は不要!?半端な自然派という無法地帯が広がる危機感

とある自然派ワイン愛好家の方が書いていた文章で興味深い内容のものを目にしました。 その記事は自然派微発泡ワインである「ペティアン・ナチュール」を説明するものです。その記事で書かれていたことをざっくりと要約すると、 という内容が書かれていました。 なお念の為修正をしておくと、ここに書かれている“瓶内で二次発酵が生じる”という記載は誤りで、正確には一次発酵が瓶詰め後も継続される、です。 このような記事を読むと、「自然派」という言葉が最近のワイン業界における一つの免罪符になりつつあるように感じます。 泡立ってい …

ワイン

2022/4/20

ドイツワインは難しい? | ドイツワインのカテゴリーを知ろう

ワインの勉強をしていると世界各国のワインの情報に触れます。特にソムリエールやワインエキスパート、WSETといった試験を受けようとする方はその膨大な量の情報に頭を悩ませているのではないでしょうか? そんな中にあって、特に分かりにくいと評判なのがドイツワイン。 JSA、日本ソムリエ協会が管轄しているソムリエやワインエキスパート試験の対策を行う際にはドイツワインは捨て問として最初からなかったものにする、なんて話も聞こえてくる程です。 実際にドイツでワインのことを細かく規定しているワイン法という法律は、非常に難関 …

スパークリングワイン

2025/11/12

泡の秘密 | スパークリングワインの魅力の裏側を知る

クリスマスや年末年始に限らずパーティーやお祝い事に欠かせないのがスパークリングワイン。フルートグラスに立ち昇る泡を見ているだけで華やいだ気持ちになれます。 スパークリングワインは世界中で造られています。最近ではイギリスで造られているイングリッシュ・スパークリングが注目されているほか、ドイツのゼクトも売り上げを伸ばしています。そうした中でも不動の地位を気づいているのが、シャンパーニュ。フランスのシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインです。日本はアメリカ、イギリスに次いで輸入量が多く、シャンパンの名 …

ランキング

2022/4/11

ドイツワインランキング | 年間優秀ワイナリーを探す

年の瀬が近づくと活発になるのが、各種ワインガイド等によるワインおよびワイナリーのランキングの発表です。 ワインを点数評価することについては賛否両論ありますが、それでも世の中に星の数ほどあるワインの中から自分の気に入りそうなワインを選ぶ際にはやはり役に立つもの。参考にしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。 一方で悩ましいのが、評価媒体の多さです。 それぞれの媒体がそれぞれ独自の基準に基づいて発表している評価・ランキングですので、その内容は一部では共通していながらも、一部では大きく異なっていることが珍 …

ワイン

2021/3/30

エチケットに見る正体不明の記載のあれこれ 其の弐

前回はエチケットに書かれた見慣れないものの一つして、クラシックとセレクションのお話しをしました。これらはドイツのワイン法によって定められている名称でしたが、今日はそれ以外の動きの中で使用方法が決められているもののお話しをしたいと思います。 前回の記事はこちらから御覧ください ⇒ エチケットに見る正体不明の記載のあれこれ 其の壱 ラインガウ独自の肩書、エアステス・ゲウェックスとカルタ エアステス・ゲウェックスとカルタはいずれもドイツにおけるブドウ・ワインの産地であるラインガウ地方でのみ使用される肩書です。こ …

ワイン

2021/3/30

ワインのボトルは何で閉めるか

棚に並んでいるワインのボトルを見ていると、実に様々な種類の栓を使ってボトルが密閉されていることがわかります。コルク、合成コルク、スクリューキャップなどなど。最近は技術の発展に併せてシリコン系のものも出てきています。 どんなワインにどんな栓を使うのか。 そこにどんな意味があるのか。 もしくはどんなワインにはどの栓を使えばいいのか。 ワインを楽しむ側も、造る側もそんな疑問を持ったことがあるのではないでしょうか? ふと気になってデータを調べていたところ、少し古いですが2017年にドイツで使われていた栓の種類とそ …

栽培

2024/12/24

剪定時期をめぐる議論。ブドウの枝はいつ切るべきなのか

ワイナリーの仕事といえばワインを造る醸造がメインの仕事のようにも見えますが、ワインの醸造を中心に行っている期間は長くても3ヶ月ほど。この期間に多くの作業と責任が集約されますのでとても濃密な期間ではありますが、時間的にはそれほど多くの割合を占めているわけではありません。 一方でブドウ畑での仕事はほぼ一年間を通して休みなく続きます。そうした畑での作業でも特に多くの労働量を占めるのが、剪定です。 今回の記事では実務的にも精神的も、そして経済的にもかかる負担が増加してきている剪定についてみていきます。 ブドウの枝 …

栽培

2021/3/30

ワインが造れなくなる日

2018年という年は少なくとも欧州におけるワイン業界では極めて良好な、歴史的な大豊作のヴィンテージになったと振り返られています。 確かに2018年は欧州としては考えられないほど暑く乾燥した夏が驚くほど長く続いた年でした。このためブドウは例年以上に健康的な状態のままに熟成期を迎え、そのままに高い糖度を持つに至りました。この傾向はかつてはワイン用ブドウ栽培の北限と言われたほどに気温が低く、ブドウの熟度が上がりにくいとされていたドイツでも同様でした。 収穫が終わった今になって振り返ってみれば、2018年という年 …

栽培

2021/3/30

斜面の畑、Terrasseでのお仕事

昨日の記事でTerrasseに関する記事をあげましたが、今日はそのTerrasseで筆者が最近従事している仕事の内容について書きたいと思います。 とは言っても、Terrasseだから、という類の仕事はそれほど多くありません。Terrasseを新しく作る、という話になればこれは全く別の話ですが、流石にこの作業を人力で行うことはありえませんので、一度作られたTerrasseにおいては日々必要になる作業は他の普通の畑と大きく変わらないのです。成長に合わせて伸びてきたブドウの枝を針金の中に入れたり、その針金の高さ …

栽培

2023/4/21

ビオディナミ基礎講座|3つの質問から知るビオディナミ

ビオディナミもしくはバイオダイナミック(Biodynamic)という単語が近年、急速に市民権を持つようになりました。特にワインの関連では世界的に高い評価を得ている生産者がこの手法を取り入れているケースが多く、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 一方でビオディナミに関してはその特徴からか多くの偏った情報が存在しています。そうしたなかには正確性を欠くものもあります。そこで今回はビオディナミとはなんなのか、その基礎を3つの質問をもとに解説していきます。 ビオディナミとはワイン造りの方法の1つ? 試 …

栽培

2021/7/4

ブドウとワインと気候変動 | 早い発芽のメリット・デメリット

今年はもうブドウの芽が開いた。 ここ最近、毎年のようにブドウが発芽したニュースを前年よりも早いタイミングで聞くようになりました。 2021年のドイツでは4月以降の気温が例年よりも低い状況が続いたためにブドウの萌芽が数年ぶりに長期平均よりも4日ほど遅くなりましたが、2019年は長期平均よりも9日早く、2020年に至っては16日も早い芽吹きが記録されています。 こうした早いシーズンの到来はドイツに限ったものではありません。 ブドウの芽が早く開く原因は多くの場合、気候変動の結果と説明されます。では、ブドウがより …

ぶどうは小粒の”バラ房”が好まれる

栽培

2021/3/30

大豆は大粒、ブドウは小粒

日本を代表する発酵食品である、味噌。味噌の製造過程においては、原料である大豆の体積に占める皮の比率が少ないことが好まれるそうですが、ワイン造りにおいてはこの真逆で一粒の体積あたりに占める果皮の比率が高い、小粒のものほど好まれます。これは、醸造面から言えば、フェノール化合物やアロマ成分の多くがブドウの果実の中でも特に果皮に多く含まれているためです。 ブドウの果皮に含まれる含有成分のいろいろ ブドウに含まれる各種成分はブドウの果肉もしくは果汁、果皮、種の3箇所に大別して分布しており、その分布の程度はブドウの品 …

醸造

2022/5/15

除梗がワインにもたらす影響

1年かけて育て上げ、収穫したブドウが醸造所に届いたときに最初に醸造家が頭を悩ますのが、そのブドウをどうやってワインに仕上げていくのか、です。 この「どうやって」にはいろいろな意味が含まれています。 そんな中の1つが、「どうやって搾るか」です。 実はこの問いかけにもさらに多くの内容が含まれているのですが、今回考えるのはそうした中でも最初の方に位置する質問である、「除梗をするのか、しないのか」です。 除梗の意味と目的 除梗とは読んで字のごとく、梗を取り除くことをいいます。ブドウはたくさんの粒が緑色をした茎のよ …

徹底解説 醗酵

2025/11/11

徹底解説 | ワイン酵母のキホンのキ

ワインを造るために欠かすことのできないモノが2つあります。 1つは原料となるブドウ。そしてもう1つが、酵母です。 酵母はワインやビール、日本酒といった醸造酒を造る以外にもパンの記事を醗酵させる時にも使いますので誰にとっても比較的身近な存在です。イースト (yeast) とも呼びます。 一方で、「酵母ってなに?説明して」といわれたときに皆さんは迷うことなく説明できるでしょうか。 今回は酵母の基本をおさらいします。 酵母とはなにか 酵母は一般的に「菌」と呼ぶ種類の微生物の一種です。 微生物学的にいえば細胞壁を …

醸造

2022/9/27

ワイン造りと清澄 | デブルバージュの意味と方法

ワインの勉強を始めると普段の生活ではあまり耳慣れない言葉に出会うことがあります。その1つが「清澄」ではないでしょうか。 清澄という単語を辞書で調べてみると、「澄みきっていて清らかなこと。また、そのさま」(デジタル大辞泉より引用) と出てきます。ワイン造りの現場でこの言葉を使う時には主に、濁った状態の果汁やワインを何らかの方法で濁りのない状態、もしくは濁りの少ない状態にすることを意味しています。清澄剤とはこの清澄作業の際に補助剤として果汁もしくはワイン中に添加するもののことです。ちなみに濾過もこの清澄作業の …

醸造

2025/10/29

ワイン醸造の抽出を科学する|動的平衡が意味する抽出の限界と最適化

ワイン、なかでも赤ワインを造るときに重要になるのが抽出という作業です。色の濃さから熟成のポテンシャルまで、すべてに抽出が関わっています。 ワイン造りにおける抽出とは、果皮や種子からそこに含まれている成分を果汁やワインの中に持ってくることを指します。赤ワイン用の黒ブドウであっても、丁寧に皮をむいて果肉だけを絞ると透明な果汁が出てきます。これを発酵させても赤い色にはなりません。ワインを赤い色に仕上げるためには、果皮に含まれる色素であるアントシアニン (Anthocyanin) を抽出する必要があります。 ワイ …

ワイン 品質管理 醸造

2021/12/31

ワインの添加剤と補助剤

醸造に関わらない方にとってはあまり身近な話ではありませんが、ワイン造りの過程において果汁中、もしくは発酵が終わった後のワインに入れられるものは次の2つに大別されます。 傍から見る分にはどちらも果汁中、もしくは発酵後のワインに「添加」されるものであるため大した違いはないように思われるかもしれません。しかしこの両者の間には非常に大きな違いがあります。 添加剤と補助剤の違い 添加剤と補助剤、一体何が違うのでしょうか。 この両者の違いは最終的なボトルの中に「残る」か「残らない」かの違いです。最終的にボトル内に何ら …

醸造

2021/3/30

発酵にとってもっとも怖いこと

ブドウの収穫が終わり、いよいよジュースをワインに変えていく重要な工程である発酵。この時にワインメーカーが最も恐れ、最も気を使うことが何か分かるでしょうか? ワインが微生物に汚染されてしまうこと、作業中にこぼしてしまうこと、発酵温度を管理しきれないこと。すべて間違いではありません。どれに対しても気を使う必要があります。しかし、この工程において最も怖いこと、それは、”発酵が途中で止まってしまう”ことです。 発酵がなかなか始まらない、というのは待てばいいですし、微生物の汚染に対しては事前にきちんとした対策をして …

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2024/1/14

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#27 | ワイン醸造のすべて

https://www.youtube.com/watch?v=Jlv9JRVw9JQ 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …

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2022/10/4

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#8 | ブドウの発酵前処理

https://youtu.be/oyUoBADN1s0 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …

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2022/12/4

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#11 | ワインの「容れ物」徹底解説!

https://youtu.be/7LK4jS0kSRk 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …

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2024/8/6

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#33 | ワインとアルコールの意外な関係。アルコールの影響の範囲を考える。

聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第33回のテー …

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2023/11/13

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#24 | 濁ったワインを考える。

https://www.youtube.com/watch?v=OTzEuC5E_YU 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …

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2025/5/30

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#38 | ワインは仕様でどう変わる?栓とフィルターの効果

聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) X: https://x.com/hima_wineサイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) X: https://x.com/Gensyoサイト: Nagi wines Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。 …

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「ワインはブドウだけから造られているもの」。多くの人が思っているはずのことですが、それに反して一部のワインのバックラベルを見ると添加物に関する記載がある場合があります。 添加物にはいくつかの種類があり …

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食品は衛生的であるべき。 現代を生きる私たちにとっては当たり前のように感じていることです。しかし、実際に日本で食品衛生法が施行されたのは1948年のこと。今から75年前のことです。2018年にはこの食 …