ワイン 栽培

2022/4/11

ワイン用ブドウの栽培 | クローンを知る

ワインの勉強をしていると「ブドウのクローン」という言葉に遭遇することがあります。 クローン。 最近ではワイン以外の分野で耳にする機会も増えてきた単語ですが、まだまだ一般に広く認識されているようなものではありません。しかもワインの分野では醸造面よりも栽培面での意味が大きく、テイスティングの場で注目されることはあまりありません。 クローンがなんなのか、何となくはわかっていても理解しきれていない場合も多いのではないかと思います。一方でこだわる人はこだわり抜くのがこのクローンでもあります。 この記事ではブドウのク …

ワイン 品質管理 醸造

2021/12/31

ワインの添加剤と補助剤

醸造に関わらない方にとってはあまり身近な話ではありませんが、ワイン造りの過程において果汁中、もしくは発酵が終わった後のワインに入れられるものは次の2つに大別されます。 傍から見る分にはどちらも果汁中、もしくは発酵後のワインに「添加」されるものであるため大した違いはないように思われるかもしれません。しかしこの両者の間には非常に大きな違いがあります。 添加剤と補助剤の違い 添加剤と補助剤、一体何が違うのでしょうか。 この両者の違いは最終的なボトルの中に「残る」か「残らない」かの違いです。最終的にボトル内に何ら …

ワイン ワインあるある

2021/6/20

ワイングラスとスワリング | ワインあるある

ワインが注がれたワイングラスをクルクル回す、スワリング。ワインのある場所ではとてもよく目にする光景です。人によってはこれでもか、というくらいにクルクル、クルクルしています。 このスワリング、やった方がいいという方とやらない方がいいという方がいらっしゃいますし、やるにしても最初はダメ、という方もいらっしゃいます。とあるSNS上で時々、思い出したように話題になる程度にはいろいろな意見のある行為です。 スワリングをする、もしくはしない理由はいろいろと耳にしますが、科学的な根拠の話になると話題の盛り上がりの割には …

ワイン

2024/12/24

アルコールとワインの味や香りの感じ方の関係

ワインのテイスティングをするとき、皆さんはどの要素に最も注目しているでしょうか。多くの方が味わいよりもより香りに中心をおいたテイスティングをされているかもしれません。また造り手の方であれば、残糖量や酸量といったワインの構成要素そのものにより注目されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ところでワインのテイスティングで人気の方法の1つにブラインドテイスティングがあります。事前にワインの情報を開示されないままワインを味わってみて、そのワインの素性を探っていくやり方です。このテイスティングでは産地やヴィ …

ワイン

2021/3/29

アイスワイン | 希少性の上がり続けるその理由とは

まず皆さんに質問です。 世界的に見て、最も造りにくいワインといえばどんなワインかわかるでしょうか? 例えば、ドイツワインを見てみましょう。 今までにも何度か見てきたように、ドイツワインには以下のような等級があります。 等級としてはTBAとも呼ばれるトロッケンベーレンアウスレーゼが最も高い位置に置かれています。等級の高いワインということは取りも直さず希少性の高いワインということでもあります。希少性が高く、等級が最も高いトロッケンベーレンアウスレーゼが一番造りにくいワインなのでしょうか? 実は、違います。 上 …

Limited ワイン 不快臭

2021/9/4

ハイブリッド品種は「不味い」のか | フォクシーフレーバーを考える

ワインの旧世界と呼ばれる欧州から日本のワイン業界を見ていると感じる大きな違いの一つに品種に関するものがあります。 国や地域によって栽培しているブドウの品種は違うものの、EU圏内のワイン法によってワインを生産している国では「ワイン」として認められるためには最低限、Vitis viniferaと呼ばれる種に区分される系統のブドウ品種でなければならないとされています。一方で日本ではVitis labruscaなど、アメリカ系品種と呼ばれる品種やこうした品種との直接交雑種であるハイブリッド品種を使ったワインをよく …

栽培

2023/4/21

ビオディナミ基礎講座|3つの質問から知るビオディナミ

ビオディナミもしくはバイオダイナミック(Biodynamic)という単語が近年、急速に市民権を持つようになりました。特にワインの関連では世界的に高い評価を得ている生産者がこの手法を取り入れているケースが多く、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 一方でビオディナミに関してはその特徴からか多くの偏った情報が存在しています。そうしたなかには正確性を欠くものもあります。そこで今回はビオディナミとはなんなのか、その基礎を3つの質問をもとに解説していきます。 ビオディナミとはワイン造りの方法の1つ? 試 …

Limited ブドウの病気 栽培

2021/8/21

エコロジックのお値段 | 病気の防除価格について考える

最近は健康志向の現われなのか、エコロジックとも呼ばれる有機栽培が人気です。 この潮流はワインの世界にも届いており、有機栽培で育てられたブドウから造ったワインじゃないと取り扱わない、とするワインのインポーターさんは日本にも多数いらっしゃいます。またこのエコロジックに対する考え方がより強くなった、自然派とも呼ばれるナチュラルワインなどは昨今、耳にする機会が増えているのではないでしょうか? エコロジックもしくは有機栽培という考え方は元々は地球環境に対する負荷の低減を目的として行われているものであり、エコロジック …

栽培

2021/3/30

除草剤をめぐって

今日は先日と同様に、幹の部分に出た芽の除去を継続して行ってきました。なにしろこの作業、ブドウ畑に植わったすべての樹を一本、一本相手にしていきますのでとにかく時間がかかります。ブドウの品種や樹齢によっても芽の出方はかなり違うとはいっても、結局、一本一本を実際に視認しながら作業を行っていくことには変わりなく、また、この作業と並行して副梢の除去なども行っているので、時間は飛ぶように過ぎていってしまいます。 ここ数日でそれなりの数をこなしてきているとはいっても、もともとのブドウの本数が多いので、まだしばらくはこの …

栽培

2021/3/30

ワイン造りに関わる数字の数々

ブドウ畑を見ると、極めて整然とブドウの樹が植えられ、ある一定の間隔でそれらが管理されていることはすぐに分かります。しかし、では実際にブドウ畑を管理する上で必要となる数字、と言われて、いったいどのくらい思いつくでしょうか? ブドウ畑を支配する数字の区分 畑を作る際に考えなければいけない数字は、大まかに2つの視点に区分できると考えています。 1つ目は、ブドウを作るための視点からくる数字。年間平均気温や年間降雨量とそれらの推移、日照時間、土壌に関する各種の数値などがここに当たります。 これに対して2つ目は、作業 …

栽培

2026/6/27

ブドウ畑が直面している見落とされた危機|フィロキセラ禍の再来を防止する取り組み

気候変動やそれに伴う温暖化は、ワイン造りにかつてないほど大きな影響を及ぼしています。短く温かい冬はブドウの萌芽時期を早め、遅霜や雹による被害は拡大し続けています。降雨時期と降雨量の変化はブドウの病気を広げる一方で灌漑を必須のものとし、暑すぎる夏は日焼けや着色不良を引き起こしています。糖度が上がっていく中で、下がらない夜温が酸量を低下させ、果汁のpHは上がり続けています。 気候変動、もしくは地球温暖化という話のなかで耳にする多くは、ワインの品質の変化に関する内容です。しかし実際には、そうした地球規模の変化は …

栽培

2025/8/2

ドイツはブドウ栽培の北限の地か…?

ワインの勉強を始めると、多くの方が”世界のワイン用ブドウは北緯30 – 50度、南緯30 – 40度の間で行われている”と習うのではないでしょうか? そしてそのままドイツワインを扱う章に入ったところで、”ドイツのブドウ栽培地は北緯47 – 52度の範囲内に位置し、これは世界のブドウ栽培地の中でも北限にあたる”と聞いたのではないでしょうか?   北に移動した、ブドウ栽培の北限 この情報は残念ながら、すでに時代遅れのものと言わざるを得ません。 世界的な気候変動と温暖化の影響を受けて、ブドウの栽培地は …

醸造

2025/11/18

ロゼワインの味や香りと色の関係|ロゼの醸造を考える

ワインにはいくつかの分類方法がありますが、その中の1つが色を使った分類です。代表的なのは白ワイン、赤ワイン、そしてロゼワインの3種類。しかしこれ以外にも黄ワイン (ヴァン・ジョーヌ) や黒ワイン、さらには最近ではオレンジワインやアンバーワインの名前がよく聞かれるようになりました。また紫色や水色をした製品も販売されはじめています。黄ワインはジュラ、黒ワインはルーマニア、アンバーワインはジョージアで造られています。 ワインの色のバリエーションを支えているのはその造り方の違いです。使われているブドウの色は白か黒 …

Limited 醸造

2021/3/29

低コスト醸造が生み出すもの | 安いワインの含有成分を考える

前回の記事、「安いワインと頭痛の関係 | ワインあるある」では値段が手ごろなワインを飲むと頭痛を感じるのは実はこのカテゴリーのワインが「安い、うまい」を備えたワインだからこそ、という話を書きました。これはいわば飲酒量という、量の視点から見た場合のことでした。一方で、頭痛という体調への影響を及ぼす可能性を検討するには量だけではなく、質の面から目を向けることが必要です。 特に、頭痛だけにこだわることなくその他のアレルギー性の反応を対象とするのであればこの点は絶対に避けて通ることは出来ません。 今回の記事ではこ …

醸造

2025/9/8

ワイン醸造の暗部?補糖は悪なのか | シャプタリザシオンをめぐって

日本酒における醸造用アルコールの添加、ワインにおける補糖。 これらは随分と敵視されていることが多いように感じます。行ってみれば醸造酒の暗部、アンタッチャブルな領域、という印象でしょうか。 おそらく日本酒にしてもワインにしても、本来は栽培や醸造の結果として得るはずの糖度やアルコールを外部から補填することに対して、その目的および理由の如何を問わず、なんらかの悪印象を受けている結果からきているのだろうと思います。 もしくは一部の国地域において高品質ワインを謳うカテゴリーで補糖が禁止されている点をもって、補糖する …

醗酵

2021/3/30

香りの種類とその区分

ワインに関する記事の中で“香りの種類”と聞いたら、大概の人が想像するのはまずワインから漂う香りの種類のことだと思います。このワインからは青いりんごの香りがする、とか、干し草のような香り、とかいうあれです。しかし、今回のテーマである“香りの種類”というのはこのことではありません。その香りがワインの中に生成されたタイミングで区分された、“香りの種類”です。 香りの分類とその由来 今回テーマにしている意味での香りの種類は、多くの場合以下の3つに分類されることが多いようです。 第1アロマ: ワインの原料となるブド …

醸造

2021/3/30

ワインリストの読み方

今日はNiersteinで行われた、2017年の新酒お披露目のイベントにお手伝いで参加してきました。 普段から触れることの多いラインガウのワインと比較して、明らかに酸の出方の違うこの産地のワインを知ることはリースリングをはじめとした各種品種の違いを知る上でとても興味深いものでした。 ところで、この手のイベントでワイナリーの訪問すると必ずといっていいほど目にするのがワインリストです。このワインリスト、ワイナリーさんごとの考え方というか受け止め方がよく出ていて、たくさんの情報を載せているところもあればワインの …

品質管理 醸造

2022/1/31

何が違うのフィルターシート

画像引用: https://www.thomasnet.com/profile/10013647/ertelalsop.html 最近はノンフィルターのワインが話題になることが多くなっていますが、それでもやはり世界中で造られているワインのほとんどはフィルターを使ってろ過をしたワインです。 ワインのろ過に使うフィルターはいくつかありますが、そのなかでもダントツの複雑さをほこり、時として造り手さえをも混乱させるフィルターがあります。それが、シート型フィルターです。 シート型フィルター自体はコーヒーに使うペーパ …

Youtube

2023/4/30

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#17 | オレンジワイン

https://www.youtube.com/watch?v=Mcpyp04qzCQ 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …

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2022/9/3

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#3 | ワインと栽培

https://youtu.be/S_zzTaGs4B4 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …

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2024/8/6

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#33 | ワインとアルコールの意外な関係。アルコールの影響の範囲を考える。

聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”Nagiさんと、ワインついてかんがえる。”。 第33回のテー …

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2023/9/3

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#23 | 徹底解説 ワインと糖

https://www.youtube.com/watch?v=4Vh-uAzcqQE 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …

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2022/12/4

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#11 | ワインの「容れ物」徹底解説!

https://youtu.be/7LK4jS0kSRk 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについて語り合うオンライン企画、”N …

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2023/12/24

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。#26 | アイスワイン

https://www.youtube.com/watch?v=W10iU7sxgR0 聞き手: ヒマワイン (ワインブロガー) Twitter: https://twitter.com/hima_wine サイト: ヒマだしワインのむ。 話し手: Nagi (醸造家) Twitter: https://twitter.com/Gensyo Youtubeチャンネル | Nagiさんと、ワインについてかんがえる。 ワインブロガーであるヒマワイン氏と当サイトの運営者であるワイン醸造家のNagiがワインについ …

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「ワインはブドウだけから造られているもの」。多くの人が思っているはずのことですが、それに反して一部のワインのバックラベルを見ると添加物に関する記載がある場合があります。 添加物にはいくつかの種類があり …

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食品は衛生的であるべき。 現代を生きる私たちにとっては当たり前のように感じていることです。しかし、実際に日本で食品衛生法が施行されたのは1948年のこと。今から75年前のことです。2018年にはこの食 …